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海外駐在〜見送る家族のキモチ〜
こんにちは。EdubalアンバサダーのRanです。
今回は海外駐在にあたり、私達を送り出してくれた人の代表格、子供たちにとっての祖父母がどう捉えていたのかを取り上げます。
歳を重ねてちょっと不安が出始めた頃に頼みの子供が可愛い盛りの孫まで連れて簡単には会えないところへ行ってしまうのは寂しかったに違いない、じゃぁそれをどうしたらいいの?というお話です。
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経験者には復習のようですが、赴任辞令は突然やってきます。夫の会社では海外転勤の場合は半年位前に知るのが一般的でしたが、我が家の場合、知らせを受けたのは着任の2ヶ月前でした。仕事と海外引越し同時進行でこの期間は海外初心者にとって結構な無理ゲーでした。
遠方の親の場合
この無理ゲースタート1か月前、我が家には大激震が走っていました。それまで特に大きな持病や病歴のなかった義父が突然倒れその日のうちに天国へ旅立ってしまったのです。義母は悲しむ暇もなく自身の母親と2人きりの生活へ。このタイミングで海外赴任と聞いたらどんな反応をするだろうと、とても心配でした。大変だろうけど頑張ってと自然に送り出してはくれたのですが、当時を振り返った母は「最初は驚いたけど、海外でも今までと変わらず連絡が取れるので絶対大丈夫!って言ってくれたからそう思えたし、不安以上にとにかく自分の目の前のことに必死だった」と。
近くの親の場合
近くの親の方は、親類が近くにいたこともあり遠方の親ほどの心配要素がなかったのですが、想定外の返事が返ってきました。
父「孫だけ置いていってくれればいいよ!」(そうだ、当時こう言われた💦)
母「海外に遊びに行ける!」(え?そこ?)
早くも今回の記事のテーマの着地点がおかしくなってきそうな予感がしてきました(焦)。特に母は超前向きだったようでありがたい限りですが、血の繋がりは争えないとも思いました。
突然の赴任辞令を子供達に伝えた時のことは私の初noteで触れています。ご興味がありましたらぜひご一読ください。
心の隙間の助けとなったのは
出発前は忙しいながらも色々な気持ちになりましたが、寂しさを補う強い助けになったものがありました。それは親達の急激なIT化です。彼らは孫パワーでスマホの使い方を強制的にハイスピードで習得しました。初めてのスマホを手にした孫達も楽しくメッセージや写真の交換・ビデオ通話ができる相手がいて両者がハッピー。しかもこのことが、後にやってきたコロナの隔離生活を乗り越える大きな助けにもなりました。
このIT化のきっかけは厳密には海外転勤ではなく遠方にいる義父の好奇心。ある日「2人でスマホに変えちゃった!」と連絡をくれました。このおかげで赴任決定時に義母に自信を持って「海外でも今まで同様に連絡できるから大丈夫!」と言えましたし、近隣の親もすぐに強制デビューへ。このスマホデビューは実に義父が亡くなる2週間前のことです。この奇跡的なタイミングは、母が寂しくないようにという父の想いが働いたと思わずにいられません。
残る側の気持ち
「絶対いい経験になるわ、羨ましいわ」若い頃は仕事柄海外に行くことが比較的多かった義父は存命であれば間違いなく背中を押してくれたはず。そして深い悲しみの中でも私達の言葉を信じて気丈にいてくれた義母。ちょっぴり寂しさを混ぜつつ明るく表現した父とひたすら楽観的な母。
もちろん性格によるものもありますが、今ほど海外志向も強くなく、むしろ戦後の日本の発展を苦労して支え生き抜いてきた彼らは、置かれた状況を受け入れて身の振り方を考えることができ、その深い経験から人間としての柔軟さや強さ・優しさを備えているからこそ出た言葉だったかもしれません。
私が今の親達と同じ年齢になった頃、自分にとって未知のものに挑む子供達(例えば火星赴任とか?!)に、一体どんな言葉をかけてあげることが出来るでしょうか。
一方で引越し直前にポロリとこんな言葉も聞かれました。
「引っ越すあなた達は、これから新しい環境と共に気持ちも切り替わるけど、送る私達はいつもと変わらない日常からあなた達がいない日常になる。旅立つ側より送り出す側の方が寂しいものよ。」
出発する側はもちろん不安もたくさんありますが、行くと決まって腹括ってますし、確かにそうとも言えます。
(実際は突然家族や友人がいない環境で、仕事や学校もない母親が最初のうちに一番孤独感を感じるのだと後になって知ることになるのですが。)
旅立つ自分達にできること
旅立つ私達には何が出来るでしょうか。
それは、元気に楽しく過ごしていること、そして折に触れて相手を気にかけていることを感じてもらうことなのではないかと思います。感じてもらう方法はなんだってよくて、常に言葉を交わさなくたっていい。ただ、家族だって、友達だって、仕事の仲間だって、自分を温かく応援して送り出してくれた人達と、どこにいても繋がっていて、その人を想っていることを感じてもらいたいと思うのです。
そして私が送り出す側になった時には旅立つ家族が、友が、前を向いて頑張れるように送り出してあげたい。
こんな気持ちが持てる経験をしてこれたことに大きな感謝を持ってペンを置きます。
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