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これが帰国子女のホンネ!?帰国して2年のわが子に聞いてみた

こんにちは、EDUBALアンバサダーのErinaです!
今年の日本は暑すぎる夏でした。バテるどころか思考停止の日々。みなさんにとってはどんな夏でしたか?

さて、わが家には現在高校生と小学生の子どもが二人います。3年滞在したアメリカから帰国して、今年の夏で2年が経ちました。長かったような、早かったような。環境が変わったり、帰国受験があったりと母にとっては怒濤の2年。それは、それはもう……シワも白髪も3割増し。とにかく必死で駆け抜けました。

子どもたちは今ではすっかり日本の生活に馴染んでいますが、果たして帰国してみてどう感じているの?!本音を語ってもらうことに正直戸惑いながらも、娘にこの2年を振り返ってもらいました。あくまで、わが子の場合ということでお読みください。

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長女のプロフィール

今回は高校生の長女にいくつか質問をぶつけてみました。
まずは長女のプロフィールをご紹介します。

<プロフィール>
・3歳から2年間、ドイツ駐在に帯同(現地の幼稚園に通う)
・小学6年生のときにアメリカへ引っ越す
・英語ゼロで現地校(ミドルスクール grade 6)に転入、補習校にも通う
・中学3年生の夏に本帰国し、元々いた学区の公立中学へ転入
・帰国高校受験を経験し、現在は私立中高一貫校に在籍 

2019年、在米当時の子どもたち(左が年長次女、右が小6長女)

わが子を直撃インタビュー

【海外在住中について】

――― 海外で生活してみてよかったことは?
海外での生活や学校生活を経験できた
現地の友達ができた(いまでも毎日連絡を取り合っている仲)
 
――― 海外で生活してみて何が一番大変?
言葉を覚えること
学校自体やその雰囲気に慣れることが大変だった
 
――― アメリカの学校のよさは?
ノリの良い、活気ある雰囲気(日本はみんな静か!)
アメリカの授業は、日本より一つの単元を細かく、じっくり時間をかけてやるのが良い
ディスカッションが多い(日本のように座学中心は退屈)
匿名で意見交換ができる掲示板アプリを授業中に使用していたので、意見が出しやすい工夫があった
日本のようにノートを取ることが少ない
クリエイティブなスタイルの授業が多くて楽しかった
 
――― 英語はどうやって身についた?
一番は友達ができたからだと思う
友達を作ることは言語習得への近道
 
***
日本とアメリカの学習スタイルの違いについて、たくさん話してくれたのは、それだけアメリカの教育方法が本人にとって非常に画期的で、新鮮だったのだなと思います。アメリカの学校でプレゼン、グループディスカッションやパートナーワークなどをたくさん経験したことで、自分から意見を発信することへのハードルは下がり、帰国後の学校生活でも生かされているように感じます。日本の学校も、インタラクションを大切にする授業スタイルが一般的になっていけばいいなと感じます。
 
アメリカのミドルスクールで経験したユニークな授業については、以前のnote記事に綴っています。ご参考までに。

【帰国後について】

――― 日本に帰国することに不安はあった?
帰国したくなかったけど、不安はなかった
 
――― 帰国してみて、日本の良いところは?
アメリカと違って自分ひとりで外出できる
コンビニがたくさんあったり、電車でいろんな場所に行けるのは便利
 
――― カルチャーショックを感じることはある?
「右向け右」的な考え方に共感できないとき
(例えば、かわいいのはこんな顔の女の子、色は白い方が良いなど、何においてもこうあるべきみたいな考え方……と、これはかなり本人が熱く語ってました)
 
――― 帰国してすんなり日本社会になじめたと思う?
はい、気づいたら「日本人」になっていた
 
――― 帰国して大変だったことは何?
日本の勉強のキャッチアップ
中学ではすぐに友達もできたので問題なかった
 
――― キャッチアップはどう乗り切った?
乗り切れていない
勉強は今でも苦労している
 
――― これをやっておけばスムーズだったのでは、と思うことはある?
もう少し現地で、日本の勉強にきちんと取り組んでいたらよかった
(特に苦手な数学は、帰国してから本当に苦労した)
 
――― 帰国受験はどうだった?
受験はストレスだったけど、気づいたら終わっていた
「勉強はするべきもの」だと感じた(反省)
受験は自分を客観的に見る機会だったが、俯瞰するのは難しい

補習校の文集に載せる作文の下書き
ノートには渡米するときの娘の葛藤が綴られていました


***
娘にも反省があるところは、母である私も同じ。渡米してすぐにコロナ禍に突入し、現地校も補習校もリモート授業が開始。言葉もわからない中、とにかく授業を受けるので精一杯。課題こなすのも精一杯。そして、対面授業に戻る日はいつかわからない。そんな状況だったので、日本の勉強には手が回らず、負担のかかることは本人も希望せず。当時は娘の気持ちに寄り添いましたが、帰国してから学習の遅れを取り戻すのもまた大変でした。今でも当時の選択がよかったのかどうか……と時折考えますが、きっといつになっても正解はわからないままのように思います。

とくに苦手科目のキャッチアップは得意科目以上に時間がかかります。「苦手」にする前に芽を摘むのが一番ですが、どんな形でも細く長く続けておくことができたら、帰国後の本人の負担も少しは減らせたと思います。

生活面は元々いた学区の中学への転入だったので、小学校時代の顔ぶれが多く、本人も不安を感じることなく学校生活に溶け込んでいけました。そのワンクッションがあったおかげで、高校入学後は少しはスムーズでしたが、そうは言っても最初の一年は苦労の連続。この記事を読んでいる方の中に、もしも日本の学校に馴染むのに時間がかかっているお子さんがいても大丈夫。きっとお子さんなりに壁を乗り越える方法を探しているのだと思います。

【おまけの質問】

――― 自分に子どもがいたとしたら、同じ経験はさせてみたいと思う?
同じ経験をさせたいと思う
日本もいいけど、海外でいろんな経験ができた方が人生おもしろい

――― 自分と同じような帰国生に贈るアドバイスは?
日本の勉強はやっておいた方がいいと思う。現地でやっていた英語と受験英語は違うので、日本のワークなどで受験英語もやっておくとベター。今いる場所でたくさん思い出を作って、現地でしかできない経験をたくさんしておくことをおすすめします。 
あと帰国して辛いと感じたとき、私は携帯で当時の写真を見返したり、アメリカの学校のイヤーブックを眺めたり、好きな音楽を聴いたりして気持ちを落ち着かせていました。

帰国1ヶ月前に訪れたグランドキャニオン

おわりに

多種多様が当たり前のアメリカで多感な時期を過ごしてきたこともあり、そして本人の繊細な性格上、新しい環境に溶け込むのにはなかなか苦労も多かったと思います。

でも、その経験があったからか、自分の考えとは違う考えに出会っても、ある一定の理解があり、一歩引いた角度から物事を見ることができる。これはやはり海外にいたからこそ、身についたもの。異文化の中で生きていくための知恵。

自分の軸となる考えを持つことは大切。でも、それに偏りすぎない。そして自分の想定外の価値観や考え方に出会っても、受け入れる心の準備がある。めまぐるしく変化するこれからの時代に、装備しておくといいことの一つを海外生活を通して自然と身につけることができたのは、本当に幸運だったなと思います。 

帰国してからも、日本の(学校)生活に適応していくのは大変。慣れたと思ったら、またグズグズになったり。親にとっては困るような反応をしたり、大きく反発することがあっても、これも子どもの成長過程。あまり慌てず、一喜一憂せず。親もゆるゆると気長に……がいいようです。いま無我夢中でも、本人も当時のことを振り返るときは必ずやってくる。それを待てばいい。自分の海外経験を客観的に見られるようになって初めて、どんな意味があったかを考え、その経験が自分の中に吸収されていく。実はこのプロセスは結構時間がかかるのかもと、日本に帰国して30年以上経った帰国子女の私は思います。



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