【海外大学】オーストラリアの大学へ進学Tips 受験?寮?履修?
中学受験での国際系といわれる学校人気に加えて、日本の高校から海外大学への進学がニュースなどに取り上げられたりすることが多くなってきましたね。
今日は、娘のオーストラリアでの大学生活を振り返り、メルボルン大学を例にとってお話します。
これから海外大学進学を考えているご家庭の参考になれば嬉しいです。
オーストラリアの大学について(概要)
2024年のTime Higher Educationのオーストラリアのランキングを見てみましょう。
世界ランキング37位のメルボルン大学をはじめ、54位のモナッシュ大学、60位のシドニー大学などの名前があります。
メルボルン大学やシドニー大学は、州立大学。モナッシュ大学はメルボルンにある私立大学。67位のオーストラリア国立大学は、その名の通り国立大学ですね。
多くの大学は、ファンデーションコース1年+大学の専門課程3年で卒業します。
新学期は2月末・3月頭からスタートし6月末までの前期、7月の短い冬休み(南半球なので、7月が冬)を挟んで、7月末・8月から11月末までの後期、その後12,1,2月の約3か月の夏休みという年間スケジュールになります。
多くの場合は、新学期から入学しますが、大学は通年入学が可能です。
つまり後期からの入学も可能ということです。
一条校を3月末に卒業した場合、1年のギャップイヤーを取らなくても、7月末から大学に入学できます。
オーストラリアの大学受験
①IBDP
IBDPを取得した場合は、ファイナルのタイミングにもよりますが、ファイナルの点数で合否が決まります。
プリディクトでアプライした場合は、イギリスと同じように、コンディショナルオファーが出た後に、やはりファイナルの点数をもって、正式なオファーが出る形です。
例えばメルボルン大学ですと合格に必要な点数や科目がホームページに出ていますので、わかりやすいと思います。また世界ランキングに比べて、比較的入りやすい点数ですので、お買い得な学校ではないかと感じています。
そして、IBDPを取得した場合、ファンデーションコースが免除となり、専門課程の3年で卒業になります。学生時代が短いのは寂しいですが、その分学費も少なく済むのは嬉しいところですね。
英語要項については、トーフル79点以上、アイエルツは6.5以上となっており、そんなに高いわけではありません。ただ、大学の授業においては、もう少し英語力がないと、大変なのではないかな?と思います。
②一条校卒業
日本の高校のGPA+SAT/ACT+TOEFL/IELTSで専門課程入学、もしくは、
トリニティ カレッジ ファンデーションコースを履修後、成績をもって、専門課程に入学のどちらかになります。
オーストラリアの大学の寮
①ON CAMPUSの寮 COLLEGE
例えばメルボルン大学ですとキャンパス内に10の寮があり、カレッジと呼ばれています。寮に入ることは、必須ではありませんが、寮生活を通して、仲の良い友達ができますので、最初の年は入ることをお勧めします。
入寮の時期は、新学期。学年の途中からの入寮ができないところもあります。寮の規模や、設備、寮費は、様々です。
大学選びと同じくらい重要なのが、寮選びで、入寮には、面接や推薦状などが必要です。成績表を提出する寮もあります。
大学合格が決まったら、すぐに寮の申し込みをすることをお勧めします。オーストラリアの高校生は、どの寮がいいか、スクールツアーならぬ、カレッジ(寮)ツアーをして、決めるそうです。
ハリーポッターのように、寮対抗のレガッタや、サッカーなどの試合があったり、寮のイベントや、パーティーなどもあり、学部以外の友達ができます。基本的に、三食付きで、個室(シャワー付き)です。
寮の中にも図書室があったり、試験前はそこで勉強したりするそうです。
なかなかいい寮費ですので、多くは1年だけ入り、その後は、そこで仲良くなった友達と大学近くでシェアハウスするようです。もちろん、在学中ずっと寮生活することも可能です。
娘は、水回りのきれいさ、パーティードームではないことなどを考えて、University Collegeにお世話になりました。少額ですが、寮から奨学金が出ますので、アプライするのも、おすすめします。
②OFF CAMPAUSの寮
学年途中からの入学や、もう少し寮費を抑えたい場合は、大学が運営する学生アパートがいくつかあります。
娘は、後期からの入学でしたので、最初の半年は、LISA BELLA HOUSEにお世話になりました。アパートスタイルの寮で、食事はついていませんが、
各部屋にキッチンとダイニングルーム、シャワーがあります。
カレッジのようにスポーツチームがあったりはしませんが、
時々交流はあります。
カレッジよりも個人の時間やペースを尊重したいお子様には向いています。
お部屋も家具も大変きれいでした。大学までも、トラムや徒歩で通える範囲でした。
③民間の学生アパートなど
メルボルン市内には、モナッシュやRMITなど、ほかにも大学があり、
語学学校などもあるため、民間の学生アパートなども多くあります。
予算に合わせて、選ぶことができます。
大学の勉強
履修
オーストラリアの大学では、入学に際し、学部を決めて、アプライします。
アメリカの大学と違い、入学後に学部を変更することはできません。
これは、イギリスの大学と同じですね。
ただし、学部内でしたら、学科は、入学後に選べます。
また、2つの学科を学ぶ、ダブルメージャーにすることも可能です。
例えばメルボルン大学のデザイン学部(Bachelor of Design)の場合、13の学科(majors)があります。
建築、都市開発、グラフィックデザイン、コンピューター、UX/UIなど、デザインに関わる様々な学科が存在しています。その中から、一つまたは2つのメージャーを決めて、科目選択をしていきます。
学生は、1年に前期、後期、それぞれ4コマの授業を履修します。
1年で8コマ、3年で24コマの履修が卒業には必須です。
その中で、クラスは、コア、メージャー、エレクティブ、ブレスの4種類に分けられます。
コアは、学部の必修基礎科目。
メージャーは、選択したメージャーの必須科目。
エレクティブは、学部内(主にメージャー内)の選択科目。
ブレスは、学部外の選択科目。
(なんでも履修可能。ビジネスでも、外国語でも、音楽でも、法律でも)
例えば、UX/UIを含むダブルメージャーにした場合、以下のような組み合わせが可能です。
User Experience Design + Construction
User Experience Design + Graphic Design
User Experience Design + Landscape Architecture
User Experience Design + Performance Design
User Experience Design + Property
User Experience Design + Urban Planning
オーストラリアの大学は、実践的な教育をする傾向にありますので、
卒業するころには、即戦力になる人材になっていると思います。
シラバスを見ているだけで、夢が広がります。
学費
選択した科目、ひとクラスいくら、という様な値段設定になっています。
日本の大学と違い、同じ学部同じ学科でも、選択する科目によって、少々学費が変わってきます。
また、万が一、単位を落として再履修の場合、また支払いが発生します。
学期ごとに、履修が終わると、今学期の請求書が生徒本人宛に届きます。
子供は、親がいくらの学費を払うかがわかりますので、必死で勉強します。
(いいシステムですね)
日常生活
アルバイト
オーストラリアでは学生ビザでアルバイトができます。
学期中は、2週間で40時間まで、長期休みの時は、無制限で働くことができます。娘は、アルバイトをすることで、在学中の生活費(寮など住居費用を除く)をすべて賄ってくれました。
勉強や友人との付き合いなどとの両立は大変だったと思いますが、アルバイトで自立することで、しっかりした経済観念など、とても大人に成長しました。親としても大変助かりました。
医療制度、医療保険
学生ビザを申請する際に、留学生は、必ず保険に加入します。
その保険で多くは大丈夫だと思います。
クリニック制度ですので、住んでいる場所の指定クリニックにかかってからでないと大きな病院にはかかれません。(救急を除く)
銀行口座
大学のキャンパス内に、2つの銀行の支店があり、学生証や学生ビザを提示するとすぐに口座開設ができます。
娘は、それぞれの銀行で口座を開設し、デビットカードを作成しました。
家族会員の日本のクレジットカードも念のため持たせましたが、一時帰国の航空券購入など、たまにしか使いませんでした。
普段は、WISEやソニー銀行を使用して、送金していました。
治安
メルボルンは、オーストラリア第二の都市ですが、日本人からすると、小さな都市だなと感じます。シドニーを東京とすると、大阪というより、横浜といった印象でしょうか。
都会過ぎず、田舎過ぎず、学生時代の3年間を過ごすと丁度いい感じの規模だと思います。
冬は東京ほど寒くなく、夏は軽井沢のよう。
留学生も多いので、人種差別なども、少ないと思われます。
少なくとも娘は経験しませんでした。
物価
高いです。
でも、人件費が高いので、食材はそれほどの価格ではありません。
海も近いですし、オーストラリアは酪農、農業国ですから、野菜も肉も、おいしい。ワインは、ビールより安く、18歳から飲酒可能です。
ですので、外食は高いですが、自炊をすれば、よいかと思います。
また、人件費が高いと云うことは、バイト代も高いということ。
娘もカフェでバリスタとして、休日は3000円くらいの時給で働いていました。今の為替にしたら、もっといいんでしょうね。
まとめ
大変充実した楽しい大学生活を送ったようです。
親として、心配するような事案も特にありませんでした。
大学の授業は魅力的でしたし、寮も素晴らしい環境でした。
時差もあまりないので、電話もメッセージも、タイムラグなくできました。
お子様の進学先として、おすすめできます。