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【帰国男子】いつになったら「日本」にキャッチアップできる?

明けましておめでとうございます。
皆さん、元気でお過ごしでしょうか? 我が家のように受験生がいるご家庭では、感染対策に頭を悩ませている保護者さんも多いのではないかと推測します。手洗い、うがい、マスクといった基本的な対策に加え、疲れやストレスを溜めない、よく食べ、よく眠るなど、免疫力低下を防ぐ生活習慣にも気をつけてみてくださいね♪

さて、今回の記事の主役は我が家の末っ子長男。幼稚園の年中から小学校6年生の夏までの7年間をアメリカで過ごした、現高1生のお話です。

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基本情報

上にも書いた通り、長男が渡米したのは幼稚園年中の夏、5歳になる直前というタイミングでした。それまで英語の学習経験はゼロ。日本語もやっと自分の名前を平仮名で書けるようになったかな? というレベルでした。おそらくですが、英語と日本語の違いだとか、世の中に複数の言語が存在することすら理解できていなかったのではないかな、と思います。その後、英語を何となく使えるようになった頃にも、アメリカ人の大人に「Can you speak Japanese?」と質問したり、現地のお友達と話していて何気なく日本語と英語を混ぜていたり(家ではもっと混ぜていましたが)、「良いidea!」とよく言っていたりするなど、日本語と英語の境界線が曖昧だったのだと思います。

「母国語」は日本語だけど「母語」は英語

先日、子安芙美さんに寄稿いただいた記事を読んでいて、今更ながら「母国語」と「母語」の違いを詳しく知ることができました。まだ読んでいない方は、是非読むことをお勧めします。とても勉強になりました。

では、母語の定義とはなんでしょうか。
ここでは、フィンランドのバイリンガル学者、スクトナブ-カンガスの定義を用いますが、母語の定義は実は一つではありません。

『母語とは、①最初にできるようになった言語②自由に使いこなせる言語③一番よく使う言語④その言語を使っている自分を自分らしいと思える言語⑤他の人からその人らしいと思われる言語』

と言われていて、どれか一つ以上に当てはまるものです。

つまり、母語は一つでなくてもいいのです。
そう、母語はいくつあってもいいのです!

子安芙美さんの記事より抜粋

「母語はいくつあってもいいのです!」という言葉に、自分や子どもたちの状況や状態を思い、いろいろと腑に落ちました。英語圏にいた帰国子女には、とくに④その言語を使っている自分を自分らしいと思える言語、と⑤他の人からその人らしいと思われる言語、の2つが当てはまる子が多いのではないでしょうか?

以前、アンバサダーのMihoさんも、【多言語習得のススメ】バイリンガルは考える。話す言語によってその人の性格が本当に変わるのか!?という記事の中で、次のように書いていました。

さて、今日は話す言語によって本当にその人の性格が変わるのか!?
というお話ですが、皆さんはどう思われますか。

私は全くその通りだと思っていて、
話す言語によって性格が変わる、というか人格が変わると思っています。

アンバサダーMihoさんの記事より抜粋


この時も、「そうだよな~、話している言語ごとの人格があるんだよな~」と思いながら読みましたが、言語と性格や人格は密接に関わり合っているし、母語ではない言語をメインとする環境に身を置くって大変なことなのだなあ、なんて思うわけです。いやー、帰国子女って頑張ってる!!

「母語」ではない言語がメインの環境で暮らすということ

やや大袈裟な感じに書いてしまいましたが、そういうことなのだと思います。5歳前から12歳までアメリカに住み、最後の1年のみ「慣らし」で補習校へ(毎回、大泣きしながら)通っただけで、あとはどっぷりと現地の学校や習い事生活に浸かっていた長男にとって、母語は間違いなく英語でしたし、その母語とは別の言語がメインの環境となる日本に帰って来たことは、とんでもなく大きな変化だったに違いありません。

生活面

12歳の夏に日本に帰国した長男は、小6にして初めての日本の学校生活。上履きも、ランドセルも、子どもだけで徒歩での登下校も、給食も、皆とお揃いの体操着も、運動会や卒業式の練習も、○○委員も、すべてがほぼ初めて(小1と小3で数日間の体験入学はしていました)。幸い、担任の先生が素晴らしく、面倒見が良い同級生と同じ委員や班に入れてくれるといった配慮をしてくださり、すぐに友達を作り、楽しく過ごせるようになりました。

日本の学校は、とくに中高になるとアメリカの学校に比べて校則が厳しく、窮屈に感じますが、そのあたりは海外での暮らしがあまりに長かったせいか、逆に新鮮に感じられたようで「ここではそうするのか」程度にしか思わなかったようでした。きっと性格もあるのだと思いますが、小1で渡米し、中2で帰国した次女も同じような感想でした。面倒だな、と思うこともあったけど、そんなふうにするのね、とも思っていたそうです。多感な年ごろの子たちには難しいのかもしれませんが、「深く考えすぎない」って大事かもなんて思ったり。

勉強面

幼稚園から7年間、補習校にも通わず、自宅でも大したフォローをせず、それどころか家でもほとんど英語で過ごしていた長男が、いきなり日本の公立小学校の6年生になったわけです。漢字は書けないし、算数はまだしもその他の教科はボロボロ。
この記事を執筆するにあたって高1となった彼に改めて当時のことを聞いてみました。

Q:何が一番大変だった?
A:
「用語がとにかくわからなかった」こと。算数・数学は大丈夫だけど、とくに社会が意味わからなかった。
Q:いつ頃「日本の勉強が周りと同じくらいできるようになった」と感じた?
A:
中3くらかな。(帰国後4年目)
Q:日本の勉強にキャッチアップするために過去の学年の勉強をし直すことはした?
A:
してない。とにかく自分が今いる学年の今やってる勉強を頑張るだけ。

無口な高1男子なので、この程度の質問しかできませんでしたが、まあ想定内というか、自然体というか、私もそうですが、親子ともども流れに身を任せる系だなあという感想です。

最後に

男の子の帰国子女がいる保護者に、何かアドバイスはある? と息子に聞いてみました。すると、「とくに最初のうちは(勉強について)急かさないであげてほしい」とのことでした。ちなみに私は急かすどころか50点でも「半分も取れてすごい!!」と言ってしまうタイプなので、「でも慣れてきたら少し言ったほうが良いかも……」ともつけ足されました。みなさんの参考になるかはわかりませんが、いつかはキャッチアップできる! とだけ書いて終わりたいと思います。



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