子どもプログラミング教室で「プログラミング検定」「IT資格」って意味あるの??【我が教室の見解】
こんにちは!
子どもプログラミング教室エドグラの大村です。
子どもプログラミング教室では、「検定」や「資格」の講座があるところも多いですよね。
これらは、
合格すれば実績として残り、達成感・自信・更なる学習意欲・頑張った証明などが得られる
といった大きなメリットがあります。
今回はそんな「検定」や「資格」について、どんなものがあるかや、子どもプログラミング教室としてどれを取り入れていくべきかなどについて、我が教室エドグラの見解を説明していきます。
子どもが受ける「検定」「資格」にはどんなものがある?
例えばプログラミングに関して以下のようなものがあります。↓↓
【☆検定☆】
〇ジュニア・プログラミング検定
Scratchの基本的な操作やアルゴリズムの知識を確認する検定で、「Entry」「Bronze」「Silver」「Gold」の4つの級に分かれています。
(対象:小学生)
〇パソコン検定ジュニア(P検)
コンピュータリテラシーやタイピングスキル、インターネットやソフトウェアの基礎知識を問う検定で、ITやパソコンの基本的な知識・技能を確認できます。
(対象:小学生)
〇マインクラフト プログラミング検定
マインクラフト内でコマンドやプログラミングを使用して課題を解決する能力を測るものです。様々な民間団体やプログラミングスクールが提供しています。
(対象:小学生以上)
〇Scratch(スクラッチ)検定
Scratchを使ったプログラミングのスキルを測定する検定で、スクラッチを使ったプロジェクト制作や基礎的なプログラミングの理解を確認するため、子どもにとって取り組みやすい内容です。
(対象:小学生~中学生)
【☆資格☆】
〇マイクロソフト認定資格 MTA
マイクロソフトの基礎的なIT知識を認定する民間の資格。プログラミングやネットワーク、データベースなど、興味のある分野を学ぶことができます。通年受験可能。
(対象:中学生以上)
〇ITパスポート(情報処理技術者試験) ⇐※エドグラで採用
ITの基礎知識を証明する「国家資格」。ITの幅広い範囲を網羅的に学ぶことができます。通年受験可能。情報処理技術者試験に年齢制限はないが、こちらは高校生以上(早ければ中学生)におすすめ。
(対象:高校生以上)
〇基本情報技術者試験(情報処理技術者試験) ⇐※エドグラで採用
ITパスポートの次のレベルであり、プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなどの基礎を幅広く網羅した、高度な「国家資格」。
2023年4月からの改訂で難度が下がり、さらに通年受験が可能となったので、中高生で合格する人も増えてきました。
(対象:高校生以上)
〇応用情報技術者試験(情報処理技術者試験)
基本情報技術者試験の上位「国家資格」。システム設計やプロジェクト管理、IT戦略など、より高度な知識が問われます。技術やITスキルが充実している高校生や大学生が目指すケースもあります。年に春期・秋期の2回受験可能。
(対象:大学生・社会人)
最後の「応用情報技術者試験」を教える子どもプログラミング教室は見たことがありませんが、ITパスポートなどとの比較をしやすくするために説明に加えています。
ほとんどの子どもプログラミング教室は「検定」を勧めている
いくつもの子どもプログラミング教室を調べてみると、「資格」よりも「検定」を目指す教室がほとんどであることが分かります。
以前に以下の記事でも述べている通り、ほとんどの子どもプログラミング教室は、「スクラッチ」「マインクラフト」でのゲーム作りがメインの教室(小学生までを対象)であり、
「ほとんどの教室が対象としているのは小学生で、検定も基本的には小学生が対象だから」というのが検定を勧める理由です。
検定を子ども達に取り入れることで、子ども達は検定合格という目標を作ることができ、その目標に向かって頑張る経験や知識の獲得、合格の喜びなどを経験し、自信を付けることができるとても有意義なものだと思っています。
なのですが、、
子どもプログラミング教室エドグラでは「検定」ではなく「資格」(民間資格ではなく国家資格)を取り入れています。
その理由を以下で説明していきます。
エドグラでは「資格」を勧めている
子どもプログラミング教室エドグラでは、
「ITパスポート」と「基本情報技術者試験」の国家資格の講座を用意しています。
なぜ「検定」ではなく「資格」を勧めているか、結論から言うと、
・「検定」のデメリットが気になる
・「資格」は検定で得られるよりも大きなメリットがある
と考えるからです。
この二つの理由についてこれから詳しく説明していきます。
「検定」のデメリット
目標を持てる、自信が付けられるなどのメリットも多い検定ですが、あまり語られていないデメリット(その①~その③)も存在すると考えています。
「検定」のデメリットその①【本物のプログラミング学習への抵抗感を生む】
特にスクラッチ検定、マインクラフト検定などは、目下のスクラッチ・マインクラフトなどでのプログラミング学習の目標設定や、やる気アップ、実力アップなどに貢献するでしょう。
しかし、それはそれらの学習に関するものであり、将来的に本物のプログラミング学習につなげられるか疑問です。
エドグラでは、スクラッチなどは「はじめの一歩」としての役割であり、基礎基本を学んだらスムーズに次のステップである本物のプログラミング学習へ進めることを理想としています。
つまり、これまで学んだ「スクラッチ」「マイクラ」から離れることが前提です。
次のステップまで考えれば、検定を含めた成功体験は、これまで学んできたスクラッチ・マイクラへの執着を生んでしまい、「過剰」ではないかと思ってしまいます。
「検定」のデメリットその②【将来の進学や就職に対してほぼ意味がない】
非常に現実的な話として、進学や就職において、上記のプログラミング検定はほとんど意味がありません。
英検や漢検よりも受験者数は少なく、それらよりもプラスに見られることもありません。
検定は資格ではないので「履歴書」にも書けません。
そもそも検定は「国」ではなく企業やプログラミング教室など「民間」の組織が実施しているものであり、公的なものではないので、公的な場面での証明としては役に立ちにくいです。
折角頑張っている子どもに対しては言いたくない事実です。
ただ、小学生がそのときのやる気や目標を持つために取り組むのは有意義だと思います。
「P検」など、個人的には最初のステップとしてとても良いと思います。
エドグラとしては、どうせならより大きな目標を設定し、将来役に立つ可能性が高い内容を勉強したり、長期的に大きな信用や自信が得られたりできる「国家資格」を学ぶことに時間を使えた方が良いと考えます。
早ければ中学生のうちに「ITパスポート」へ挑戦することをお勧めします。
学習期間は比較的長く、手軽に合格は得られませんが、その過程でより多くのことを学べるはずです。
学校の受験と違って、失敗してもいつでも再挑戦できるところが良いところです。
「検定」のデメリットその③【学ぶ速度が遅くなる】
検定や資格の勉強にはまとまった時間が必要です。特に国家資格の勉強にはより多くの時間が必要となります。
そして、これらは学校のカリキュラムとは違って、みんなと同じペースで足並みをそろえて進める必要はありません。
学ぼうと思えばどんどん先に、どんどん高度な内容を学ぶことができます。
しかし、「検定」は基本的に「小学生以下」を対象とした内容であり、ブロンズ→シルバー→ゴールドと進んでも、その外側に次のステップがあるのでその先に進むことはできません。
人によってはすでにより高いレベルへ進めるかもしれないのに、短期的には満足感を得られても将来的にはそれほど重要でないもののために時間を沢山使ってしまうかもしれません。
一方ではその間に、子どもの高い吸収力でどんどん学びを進めていく人もいます。
「資格」のメリット
反対に、「資格」のメリットは以下のようなものがあります。(その①~その③)
「資格」のメリットその①【国家資格が多い】
資格には、民間の団体が提供している「民間資格」もありますが、国が提供している「国家資格」も多くあります。
国家資格は法律によって定められているものであることから、最も権威性があり信頼性も高く、質が担保されています。
主な国家資格(公的資格)↓↓
医師
教員
弁護士
税理士
行政書士
日商簿記
ファイナンシャルプランナー
公認心理士
宅建
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
「資格」のメリットその②【長期的な自信と信頼につながる】
国家資格の試験は、国が知識・能力の基準を厳格に定めて実施しているため、合格するまでには必ずまとまった学習時間と努力のエネルギーを用いて、具体的な知識・技能の習得が必要です。
「正直あまりよくわかってなかったけど受かっちゃった」なんていうことはありません。
長期的な忍耐力、計画力、IT知識・技能を深く理解・習得しようとする気持ち等が合格のために必要であり、その過程で、内容を十分理解習得できたことへの自己重要感・達成感を生み、強い自信につなげることができます。
その自信があれば、「自分はもっとできる」「自分ならやれる」と、臆せず積極的に次のステップへどんどんと挑戦する力が身に付くと思っています。
また、国家資格は権威性・信頼性が高いため、もちろん客観的にも評価できるので、自分以外の相手からも様々な場面で長期的に高い信頼度で評価してもらえます。
「資格」のメリットその③【将来的に役に立つ可能性の高いことを学べる】
国家資格は、社会の中で生かすことのできる知識・技能の習得が前提となっています。
そして、合格者が満たすべきその分野の知識・技能を国が法的に定め、その基準に則って試験を行っています。
例えば「ITパスポート」は、
「ITを活用するすべての社会人が身につけるべき基礎知識を測定する」
ための試験であり、将来大人になってからも役立つITの基礎知識が満たされるように学習内容が設定されています。
全ての学びに対して言えることですが、
どうせ学ぶなら、将来的に役に立つものをより吸収力の高い子どもの時期から学んだ方が良いでしょう
と個人的には思っています。
最後に
子どもプログラミング教室エドグラで「プログラミング検定」より「国家資格」の学習を勧めている理由の説明において、今回、立場をハッキリさせるためにあえて両者を比較して「国家資格」のメリットを強調しました。
ですが、「プログラミング検定」や「民間資格」を全否定しているわけではないことをご理解いただければと思います。メリットもたくさんございます。(ことあるごとに、「やる気や目標を持つために取り組むのは有意義だ」とは言っているのでお分かりかと思います。)
エドグラではプログラミング検定の講座を用意していないだけで、自由に検定にも挑戦していただければと思います。
また、子どもプログラミング教室で何か検定や資格の学習をお考えの方は、考えるための材料のごく一部としてご覧いただければと思います。
ただし、
「資格や学歴、経歴こそが大切」
と表面的な評価だけにとらわれて、実際にできることを増やすための練習がおろそかにならないようするべきだと思います。
検定や資格などでの知識・技能の習得も大切ですが、プログラミング学習において最も大切なのはやはり「手を動かすこと」です。
子どもプログラミング教室エドグラでは、考えながらどんどん手を動かしていろんなことが分かるようになり、作れるようになれることを第一にして学習を提供していきます。
まずは、HPより無料体験会にお申込みいただき、プログラミング学習を通して共に未来を生きぬく力を育みましょう!
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