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【本】売れる小説は、AIで判断できるか?
小説は、「今話題のベストセラー」よりも、「玄人好み」な方が惹かれるのに、ふと本棚を見ると、ベストセラー作家がずらりと並ぶ…というのは、実はあるあるなのではないかと思います。
なぜかわからないけれど、この人が書いた本は世にあるだけ読みたい!と思わせる作家さんたち。「売れる文章」というのがあるのなら、それはどういうものなのか、純粋な興味で読みました。
この本は、アメリカで発売されている本をAIで解析し、「ベストセラーとなった小説の共通点」をあぶり出していくという試みを書いたものです。
前半、注意書きが長いのと、現代のアメリカ小説をあまり知らないが故に腹落ちする!とまでいかないのが歯痒いながら、「言われてみれば確かに」と思える点が多く、あっという間に読了。
特に、ベストセラー小説共有の動詞の選び方には、頷けることがたくさんありましたし、文体で小説を書くようになるまでの背景はある程度分かっても、男性・女性は分けられない、ということも興味深かったです。英文特有のThe、人称代名詞、省略の使い方などはそのまま日本語に応用できなくても、エッセンスとして十分転用可能なものだとも思いました。
ただ、これでわかるのは、「読みやすい書籍」「臨場感ある文体」かだけで、究極的なその小説家のテーマがもつ燦き、世界観、みたいなものがなければ、安易に読めるだけの量産型文章になってしまうというのは、気に留めておくべきだと思います。そういうわけで、「テーマはあるが、書き方がわからない」という人のガイドと言えそうです。
むしろ、ところどころで物語文の紹介、比較があり、それがお役立ちです。さっと読むだけでも、小説の英語はNEWSやコラム的な英語とは全然別の文章で、ぱっと和訳できないものも多く、全然違う文章なんだなと。本文中に、おすすめリストがたくさん上がっているので、興味があるものから取り掛かる気にさせられました!
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