【小6と読書】9.11の時、アメリカの高校生だった
私は当時、日本の高校生で、休み時間に先生たちがざわざわっとしたかと思ったら、「アメリカの高層ビルに飛行機が突っ込んだ」と青ざめた声にそのニュースを聞いたこと、翌日誕生日だった友人が、「私の誕生日は喜べない」と悲壮な顔で言ったことをよく覚えています。
そして、この本の作者は、私と同い年、同じ出身地。幼少期をアメリカで過ごし、その後、奨学金付きでアメリカの名門私立に通っていたときに9.11が勃発。どのような世論が展開され、どういった社会的ムードだったか、また校内でどういった会話が持たれたかを克明に記した本です。
時折、主張が突っ走るようなところはやや読みにくく感じたものの、歴史的に「戦争で今のアメリカを勝ち取った」という認識がある国の、ある種熱に浮かされたような雰囲気の中で、被爆国で「戦争は絶対やってはいけないことだ」と考える日本人の目線で、クラスメイトや先生に真摯に向き合う姿は、胸を打たれました。今、戦争に憤る娘にこそ読んでほしいなと思う本です。
よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!