【小5も楽しめそうな、小説探し】人の気持ちは一括りにできないこと
青い鳥文庫や岩波少年文庫、子供のための本じゃなく、大人向けの本で長女も楽しめそうな本探し、地道に続いています。
・小学生が読むにふさわしいと思う公序良俗の中で
・日本の小説らしい、それぞれの心情の描写が丁寧で
・私も面白いと思った 本
阪神淡路と東日本大震災は、似て非なる
NHKドラマ「ハゲタカ」の原作者として知られる、真山氏による本。新聞記者から小説家に転向という経歴の作者は、山崎豊子氏しかり、横山秀夫氏しかり、緻密で圧倒的に骨格がしっかりしていて、この本も、そんなに厚くないこともあって、あっという間に読了。
この本は、阪神淡路大震災で家族を亡くした小学校教師が、訳あって、東日本大震災の被災地の小学校で教鞭をとるのですが、その当時のマスメディアが展開する「涙を誘う子供達」「責任の追及への間違った正義感」への強烈な反発を軸に物語が動いていきます。
住む人が違えば、感じ方も処し方も全然ちがうこと(関西人気質と東北人気質が同じわけないですよね)、子供がどれだけを我慢し、それと大人はどう向き合っていくか。温厚で実は人格者な校長、心に傷を負った教師たち、生徒とその父兄たち、元教え子のエリート女子、地元の有志たちとともにそれぞれの思いがあることがよく描かれていて
今、娘に読んでもらいたいなと思える本でした。
追記:長女も面白かったようで、渡したその日に読了。物事の全てがすっきりおさまる話ではないので、その後が気になることと、そんなに自分を責めなくてもいいのに、という感想でした!
よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!