【小6と読書】令和に読む、大阪船場の世界
久しぶりに山崎豊子氏の世界に浸りたい!という気持ちになり、デビュー作にして彼女の真骨頂でもある「船場商人」をテーマにした本作を手に取りました。
淡路島から出てきて、拾われた先は大阪・船場の老舗昆布屋だった。過酷な丁稚奉公を務め上げ、暖簾分けしてお店を繁盛させるも、戦争で全てを失ってしまう。戦後の壮絶な動乱の中、店を引き継いだ次男が船場商人の意地で、再度盛り立てることはできるのか。
今の価値観からするととんでもないような世界…手をぼろぼろにして、冷飯で長時間労働を強いられる丁稚奉公、戦後、闇商売で私腹を肥やす人がいる一方で、真っ当な商いができない状況、大学を出ると「インテリ商人」として軽んじられる業界…でも、こういう時代が実は間近にあった(私の祖父はこの渦中にいた)ことを忘れるのって、すごくよくないことのような気がする、と思いながら読みました。
これは、長女にも早速おすすめ。この時代の話で、お妾さんや花柳の話が抑えられているのは少ないがするので、そういう点でも子供に読ませたい本だと思います。
(それにしても、せっかく暖簾をデザインした洒脱な表紙なのに、アマゾン公式の写真がひどいな…笑)
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「商い」って、現代に生きていれば、関わらざるを得ない事柄ですが、そのアイデンティティって時代によって変わるもの、変わらないものありますよね。
その点、古舘さんのインタビュー、私も常々思っていることで、とても共感しました。古舘さんのことはとりたてて好きも嫌いもないのですが、「タイパ、コスパ」のように、新しい言葉が彼ほど似合うアナウンサーはいない気がしますし、やはり弛まぬ『準備』の結果なのだなと思います。
⇩以下、引用。
『目先の仕事のために資料を読み込むくらい、誰でもやっている。アウトプット先が定まっていない準備こそ、準備の醍醐味だと思う。コスパやタイパ重視で簡単に成果を得ようとすると、準備のスケールが小さくなる。結果、得られるものも小さくまとまってしまう。』
よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!