えとふぁん

日々の生活で人の生き方について思いついたことを綴っています。

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倫理の時間

※これはnoteに掲載した「倫理の時間」Ⅰ〜Ⅹを再構成したものである。 はじめに「倫理とは何か?」と問われれば、色々な答え方がありうるかもしれないが、私は「人の生き方に関すること」と答えておく。 そうすると「倫理の時間」と銘打っているわけだから、今から人の生き方について大いに語ろう、というわけだ。 小難しいことを語るのだろうと思われるかもしれない。そして正直言ってそれは多少ある。 しかし一方で、いわゆる学術的な知識がなければ意味が分からないといったものでもない。これから語ら

    • 「悩み」とは何か?に関する考察

      生きることと悩みは切り離せない。稀に悩みが一切ないという人もいるかも知れないが、それはおそらく特殊事例だ。かくいう私も悩める凡人の一人なので、悩みとは何かということに少しだけ向き合ってみたいと考えた。 悩みは何かを具体的書き起こしてみても、その内容は空虚に近いものだ。なぜならそこに書かれていることは、悩みそのものではなく悩みの原因だからだ。悩み(厳密に言うとここで考察すべき悩み)とは、悩みの原因となっている事実だけではなく、悩みの感情を含めたものだ。 例えば「モテすぎること

      • 映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」に寄せて(感想)

        クレヨンしんちゃんが好きというのは間違いないことではあるが、毎週アニメを見ているとか、映画が公開されると欠かさず劇場に足を運ぶとか、そういった訳ではない。つまり私はとてもライトなクレしんファンの一人である。 それがなぜこの投稿を書いているかというと、少し前に見た「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」が非常に面白く、かつ色々考えさせられたからである。それについて大いに語ろうというわけである。 さて、初期の映画クレヨンしんちゃんの名作と言えば「映画クレヨンしんちゃん

        • 迷惑動画被害に対する損害賠償請求に関する一般人としての私見

          はじめにある有名すしチェーン店で当時高校生の男性が迷惑行為を行い、これを撮影した動画がSNS上に拡散され社会問題となった。これに対し企業側(すしチェーン店側)は迷惑行為をはたらいた男性に対し約6,700万円にも及ぶ損害賠償請求を求める訴訟を起こし、これについても世間では賛否両論入り乱れる事態となった。 今回このことに関する個人的な考察というか感想と言ってもいいかもしれないが、それを述べたいと思う。いかんせんこの問題は現実に存在する個人や企業が関わることなので、意見を述べるには

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        倫理の時間

          トロッコ問題に関する考察 ~問題に潜む倫理的事柄~

          はじめに「トロッコ問題」とは倫理学に関する有名な思考実験的問題である。 上記によれば、功利主義と義務論の対立に関する問題であるとのこと。この問題の起源についてはよく知らないので断言できないが、要するに次のような話なのであろう。 すなわち人の命を数量的に見積り、より大きい結果が得られる行動を取るべきという功利主義の主張と、ある道徳的命題が妥当すると考えられるのであれば、その命題に従って行動するべきという義務論の主張についての倫理学的対立というわけである。 前者については、分か

          トロッコ問題に関する考察 ~問題に潜む倫理的事柄~

          藤子・F・不二雄のSF短編「ミノタウロスの皿」から考えたこと

          最近、NHKで藤子・F・不二雄のSF短編作品を実写ドラマ化したものが放映されていたので、それに関連してふと考えたことを書き綴ろうと思う。 藤子・F・不二雄のSF短編は私も好きで、その中でも特に問題意識をくすぐられたのが『ミノタウロスの皿』という短編である。 ※以下ネタバレを含む。 「ミノタウロスの皿」のあらすじはこうだ。 主人公のおれは宇宙航行中に遭難し、ある惑星へたどり着く。 その星は牛にそっくりなズン類という種族が支配し、ウスと呼ばれる人間そっくりの種族を食用家畜とし

          藤子・F・不二雄のSF短編「ミノタウロスの皿」から考えたこと

          働くとはどういうことか?

          生きてくためには、お金が必要である。 そしてお金を稼ぐためには働かなければならない。 しかし、お金を稼ぐ以外のモチベーションで働いている人も当然いるだろう。 ・自己実現のため ・社会貢献のため ・単純に仕事が好き ・スキルアップのため また、お金を稼ぐことのモチベーションについても、 ・家族を養うために稼ぐ必要がある ・ただひたすらたくさん稼ぎたい ・自分個人が生活できる程度でよい といったように個々人で異なる。 また、働く直接の目的ではないが、なぜその仕事をし続けているの

          働くとはどういうことか?

          信仰と宗教

          日本人は諸外国に比べて無宗教な国民と言われる。 しかも近年では新興宗教団体が起こした事件等の影響により、宗教というものそのものを敬遠するような風潮さえある。 そんな日本でも仏教式の葬式が一般的であるし、元旦には大勢の人が初詣に行くので、完全に無宗教というわけでもない。 確かに国によっては宗教が国民の価値観の基礎的な部分を担っている場合もあり、冠婚葬祭などのイベントだけでなく、日常の行動にも大きな影響を与えているところもある。 そうであれば日本人はやはり、そういった国に比べて信

          信仰と宗教

          会議は踊る、されと進まず

          会議や話し合いで結論にたどり着かず、延々と進まないことはないだろうか? なぜそうなるのか、議や話し合いなどの「議論」の本質について考察してみよう。 まず議論の目的は何か?それは言うまでもなく、皆が納得する結論を得ることだろう。 しかしその内実を見ると、結論への志向性が2パターンに区別できることが分かる。 1つは最も理想的な答えを議論の参加者全員で目指すもの。 もう1つは、議論の参加者それぞれが自身に都合のよい結果となるように主張し合うものである。 前者をイデア型、後者をゲ

          会議は踊る、されと進まず

          幸せとは何か?

          多くの人が幸せになりたいと考えているだろう。 そもそも幸せとは何だろうか? 幸せには狭い意味の幸せと広い意味の幸せがある。 狭い意味の幸せとは、個人的で本能的な欲求を満たすことである。 食欲・性欲・睡眠欲といった生物としての本能的欲求や権力欲や金銭欲といった誰もが多少なりとも持っている人間の根源的欲求の充足である。 しかし、それだけで人は幸せになれるだろうか? イギリスの哲学者J・S・ミルが 「満足な豚より、不満足なソクラテスの方がよい」 といった。 つまり人は本能的な

          幸せとは何か?