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9DKの広い平屋で、庭を眺めながら文を綴る生活。

作家、林芙美子さんのお宅にお邪魔してきましたー!って今は博物館です。
林芙美子は大正時代から昭和初期に活躍した女流作家ですね。「放浪記」という自身の体験を記した作品は発表当時とても話題となりました。この「放浪記」は森光子さんが亡くなる直前までのお芝居もしてたのでも有名ですね。

大正時代にすごいですよね!

女の人が何か発言すると「女の分際で」と揶揄どころか非難された時代に自分の身の上や思いや感情や情事まで、日々の出来事を赤裸々に書き出版した、とても勇気のある女の人。
キャリアウーマン、職業婦人の先駆けですね。

林芙美子の書斎です。

この机で雪見障子越しから丹精な庭を眺め文を書く。

芙美子が住んでいた家は、当時の姿そのまま今は林芙美子記念館として、新宿区の中井にあります。



今では贅沢な平家で広い敷地で中庭や裏庭もあります。客間もいつくかあり、日々原稿を取りに記者が訪れたそうです。

調度品は華美さは無くて品の良さがあり、なにより今住んでも心地よさそう。

このテーブルはよくみると四っつに分かれ、半円テーブルを合わせれば円卓としても使えます。

長方形のは2つにしてテーブル、2列にして学校コントに。(コントはしないか)

こんな便利なのニトリで売ってほしい!

たぶん芙美子は実用的な事を好む方なんですね。

数部屋ある客間は、仲の悪い編集者が出くわさないよう工夫して使ってたようです。
気遣いの方ですねぇ、さすが出世する人は違う!

玄関から庭へ向かう石畳み。 

花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり

前に「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」とマイナー調で終わる詩は芙美子のイメージと違う、みたいなことを書いたんですけど、その詩にはやはり続きがあってちゃんと未来志向で終わっているんですね。

こんな整った生活が出来る人は未来へ向かう人なんじゃないかと、この家を見た時なんだそんな気がしたのです。

現実を見て、ちゃんと未来へ行くような、そんなイメージなんですよね。

今訪れても、家や庭も時代を超えてそんな空気を感じれる場所でした。


私の好きなのは台所、黒光した広い石のシンクで野菜の青菜を切ったらテンション上がりそう。芙美子自身もよく料理を作り上手だったそうです。
当時、芙美子位のキャリアウーマン⁈職業婦人となるとお手伝いさんは雇っているはず。と、家の見取図をみたら、あるある、女中部屋と記載された部屋がちゃんとありました。

この辺りは大正時代になって文豪や画家、アーチストの方達がかなり住んでいて、交流が盛んだったようです。芙美子の夫も画家なんです。


この家でどんな会話をしてたのかなぁ〜。

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