文人たちの江戸名所(一) 「根岸鎮衛と芝神明宮」前編
「江戸の三男」が揃い踏み!
「てぇへんだ、てぇへんだ~い!」
「なんだい熊さん、騒々しいよ。まるで火事でも起きたように騒ぐんじゃないよ」
「いやさ、そいつだ!火消が百人集まって、神明さんに突っ込んでいったぜ」
「え~っ、鳶が突っ込んでいっただと?神明さんから火が起きたか、あわわ、こりゃ逃げなきゃ」
「大家さん、腰が抜けちまったか。いい歳して早とちりすんない。火事じゃねぇよ。出入りでぇ」
「驚かすんじゃないよ、まったく。で、喧嘩の相手は?」
「相撲取が丸太や刀を持って待ち構ぇて