【伝説の虹色寄席】落語トライアスロン
■落語遠征
2024.10/27(日)
伝説の虹色寄席に行って来た。
この寄席は新潟出身の三遊亭白鳥師匠がプロデューサーになり、人気の落語家を集めて開催されている。
今回で何回目だろう?
コロナ禍でしばらく開催がなかったようだが。
五回目?
何事にもアバウトな白鳥プロデューサーは覚えていないようだが。
私は前回(五年前)が初参加だった。
そして今回が二回目。
何が伝説って……あまり大きな声では言えないが、プロデューサーの白鳥さんがみんなの出演料をギッタという噂が……。
詳しく知りたい向きには、YouTubeで白鳥さん自身の弁明が見られます。
それはそれで面白いです。
さて私は新幹線で新潟駅に到着後、万代バスセンターにてカレーを食す。
ここは虹色寄席の聖地でもある。
落語家達はこれが大好きで、楽屋には鍋一杯のカレーが常備されていると言うのだ。
朝11時に行ったのにバスセンターは既に行列。
私はミニカレーを頼んだが、普通盛りを食べていた男性客が、
「これフツーなら大盛りだよ」
とぼやいていたように、かなり量が多い。
ミニが一般の普通盛りぐらい。
聖餐なので残すわけにはいかん!
気合いで全部食す。
バスセンターを出て、通りかかったタクシーを拾って、りゅーとぴあに向かう。
そこでちょっと不穏な話を聞く。
新潟市内の日曜日はタクシーが少ないそうな。
りゅーとぴあ前でもタクシーが待機していることは少ないし、流しのタクシーを拾うのも難しいと。
この落語会はかなり夜遅くまでやるのだ。
帰りの足が心配になる。
事前にタクシーを予約しておくべきか?
でも、終演時間がはっきりしないし……。
実のところ私は落語を聞きながらも、この悩みで頭がいっぱいだった。
今のうちにタクシー会社に電話して予約をしようか?
と悩んでは、気もそぞろ。
さて、虹色寄席の伝説とは、その過酷さにある。
りゅーとぴあ内の劇場、能楽堂、コンサートホールと三つの会場をフルに使う。
観客は木札を首にぶら下げて、どの会場でも出入り自由。
三会場で三回の落語会が催されて、フィナーレ一回。合計十回の落語会。
落語家は三箇所の高座を行ったり来たりするハードさである。
まるで落語トライアスロン。
演目表の掲示を見れば、その過酷さは明白だろう。
今回、喬太郎師匠は楽屋にはいらしたが、体調不良とのことで出演なし。
まことに残念だったけれど、それでも大変な充実ぶりだった。
フィナーレ最後の落語は、春風亭一之輔師匠の「文七元結」
私は先日この噺の途中で居眠りしてしまって臍を噛んだのだが、今回はきっちり最初から最後まで聞くことが出来た!
パイプオルガンを背中にしょった高座だったが、素晴らしい「文七元結」であった。
■祭りのあと
そして祭は終わりぬ。
私にとっての問題はこの後だった。
会場を出たのは20:30頃だったと思う。
外は真っ暗雨ザンザン。
来る時のタクシー会社に電話したところ、今市内を走っている車は一台もないとのこと。
周りでは大勢の客がタクシー会社に電話しては、似たようなことを言われている。
やって来るタクシーは事前に予約していた人のものらしい。
ああ、やはり仲入りの時に電話しとけばよかった……。
とか今更言っても仕様がない。
ホテルまで歩こう!
選択肢はそれしかない!
と、歩き始める。
傘をさしてスマホを見て歩く。老眼鏡でなきゃスマホは見えない。が、道は近眼鏡でないと見えない。
三重苦どころか四重苦。
そして気がつきゃ同じりゅーとぴあの周りを一階と二階遊歩道でぐるぐる回っていたりする。
無駄な労力!!
後になって考えれば低気圧のせいで、判断力も知能も体力もかなり低下していたと思う。
だって、どう考えたって駅へのバスはあるでしょう。
これも後で知った事だが、東京遠征組の方々はバスで駅に行き新幹線にも余裕で間に合ったらしい。
アホな私はジーンズもスニーカーもグズグズに濡らして一時間半以上かけてホテルに到着する。
歩く道には人っ子一人いない。
物騒な世の中である。
万が一私が遺体になった時のために、カメラロールに写真を残そう。
この遺体がどこからどこまで歩いたか推理できるように。
雨の中苦労して写真を撮っては歩く。
判断力落ちてるくせに、野生の防衛本能だけは生きているのだった。
そうして辿り着いたホテルで、無料の夜鳴きそばを喰らう。
21:30以降にラーメンだと!?
と、いつもは無視しているが、今日はもう構わない。
濡れた身体に熱いラーメンスープが染みる。
フロントで新聞紙と靴乾燥機を貸してもらう。
インバウンドの蛮行続きで、ここしばらく避けていたドーミーインだが、やはり良いホテルである。
幸いにも今回はインバウンドがいなかった。
大浴場の脱衣所を水でビタビタに濡らす連中は居ない。
ああ、寛げる……。
ちなみにここの大浴場は塩化物泉の温泉。
蛇口の周りに白い塩がこびりついている。
まことにGoodである。
翌日は肌寒い小雨の朝だった。
市内観光をするはずが、新潟市内循環バスの乗り場を間違えて待っていたらしい。
目の前を当該バスが走り去るのを見送って、もう新潟に辟易するのだった。
実は自分の判断力低下なのだが……。
もういいや!
落語遠征はこれで終了!!
これより越後湯沢駅に移動して温泉旅行とする。
いざ、温泉地にGO!!