やっちまったよ
やっちまったよ。
とうとう風邪をひいちまったよ。
昨年は体調不良こそあったものの風邪はなかったのに。
予感はあったよ。
二度の落語遠征&温泉旅行で身体は疲れていたのだろう。
そこにもって来て昨夜だよ。
安アパート内に異臭が漂った。
油染みた異臭だった。
おそらく古い揚げ油で天ぷらなんぞをしたのだろう。
たまらず外廊下に出てクンクン匂いを嗅いでみた。
隣の部屋か階下の部屋。
外廊下に面した換気扇はどちらも回っていて怪しい気がする。
もっとも家でも異臭を追い出すべく換気扇を回していたから、それだけで犯人を特定することは出来なかった。
その匂いが何故私の部屋に籠るのかはわからない。
そもそもこの安アパートは引っ越し当初から異臭が籠る部屋だった。
浄化槽の匂いなのか、明らかに排泄物のような臭いが部屋に籠ったりした。
大家の婆様に訴えて施工の人に見てもらったが、原因は究明出来なかった。
それに比べれば、天ぷら油など可愛いものと思わぬでもないが……いや、たまりませんよ。
部屋中に油っこい異臭が籠るのは。
結果、窓という窓を開けて夜中まで過ごした。
寒かった……。
風呂に入って温まりたいなあ……と思ったのも風邪の前兆だったのだろう。
しぶしぶ窓を閉めて床についた。
そして起きたら喉がイガイガしていたのだ。
あなたの風邪はどこから?
喉からです。
毎回間違いなく喉のイガイガから始まる。
本来今日は編み物教室の日だったが、大事をとって欠席した。
狭い室内で他の人に風邪を感染してはいけないし。
何より少しでも埃っぽい場所に行けば咳が酷くなるのだ。
ということは、夜の落語会などもってのほか!!
おそらく電車の空調による空気の流れで咳が止まらなくなるだろう。
落語会場でもその状況は続き、周囲に迷惑をかけないかと小さくなって、楽しむどころではない。
この週末の予定は全キャンセルである!!
ああ、あの天ぷら異臭がなかりせば……。
結局、今日一日かけて押し入れからホットカーペットを出し、加湿器も出した。
そして今や湿らせた布マスクを着けて喉を加湿しているわけである。頭痛少々、微熱少々。でもやっぱり怖いのは、夜の咳である。安眠出来るだろうか?
とりあえず湯にも入って温まった。
髪は洗ってはならない。
身体を温めただけである。
そして即睡眠。
ああ、明日になったら風邪が去っていないか……祈るばかりである。
あれは三年前。
風邪をひいて、いつまでも咳が止まらず、しまいには喘息のようになってしまった。
夜、横になるたびゲショゲショと咳の発作が起き、息も出来なくなって死ぬかと思った。
何軒か病院を巡って吸引器のような薬をもらって……えらく長いこと往生したものである。
どうか今回は早目に症状が治まりますように。
私の伝家の宝刀といえば、長〜く効くコンタックだけである。
咳止め薬を飲んで、さあ休もう。
外は北風ピープーで、空には細い月がかかっている。
今日は立冬であるそうな。
どうか明日には風邪が治まっていますように。
どっとはらい。
【悲報】
長く効くコンタックは使用期限が2023年だった……でも飲む!!
毒を食らわば皿まで!!
(何か違う気もするが)