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人生のメリハリ

浅草演芸ホール四月中席昼の部
林家つる子・三遊亭わん丈真打昇進披露興行
4月15日(月)に行って来た。

今日はその話ではないので詳細は控える。

ただ披露興行はまだ半分残っている。
池袋演芸場、国立演芸場(代替・紀尾井ホール)と続くのだ。

興味がある方にはぜひ見に行っていただきたい。

真打昇進披露興行とは、ハレの日である。
師匠や先輩真打が並んで口上を述べる。
会場全体での三本締めもある。


落語家は前座、二つ目、真打と昇進して行く。
真打になって初めて一人前の落語家と名乗れるのだ。

言ってみれば、結婚式のようなものか。
男女つがいになって初めて一人前と見られるのだ。
そこから大人の人生が始まって行くらしい。
(LGBTQの皆様にはご不快な言説お詫び申し上げます)

はい。
私は独身です。
大人の人生が始まらないまま棺桶に片足突っ込んでます。
(ご不快な言説だれか詫びてくれ)

つまり、あれだ。
人生にメリハリがない。

結婚して一人前の女性なら、妻、母、祖母、未亡人……というようなメリハリある人生なわけだ。

働く女性なら一方で、平社員、主任、課長、部長、専務、社長……というようなメリハリも備えた人生。

なのに私にはメリハリがない。

外的にはあったさ。
履歴書に書くみたいに。

小学校入学と卒業、中学校入学と卒業、高校入学と卒業、大学入学と卒業……みたいなね。

でもそれは年齢によって外側から決められた枠に過ぎない。
外枠!
私が自分で選んで進んだことではない。

ん~何と言うかね~。
私は自分で自分がわからなかったから。

こんなんじゃ駄目だ!
私は駄目人間だ!
生きてたって仕様がない!

それがデフォルトで棲息して来たから。

説明的に言うならば。

機能不全家庭で駄目な子供の役割を担わされて来たから。
と理解できるのは今だからこそ。
当時は……

何で自分はこんなに駄目なんだ⁉
わからない!
わからない自分は駄目なんだ!!
だから何で自分はこんなに駄目なんだ!!
やっぱりわからない!!!
やっぱりわからない自分は駄目なんだ!!!
(エンドレス……)

という……
ぐるぐる回る思考の中にいただけだった。
何も選ばず外枠にはまって、ぐるぐる思考の只中にいた。

だから将来の希望なんて、まるでわからなかった。
大人の人生設計なんて皆目見当がつかなかった。

だって私は駄目人間なんだから。
人生設計って何?

結婚?
そもそも結婚なんて親を見れば人生の墓場だとしか思えないし。

私みたいな駄目人間が子孫を残すのもあり得ないし。

みんな何故あんなに自信満々に子供生むんだろう?と謎だった。

赤ちゃんの描いた絵
ではなく三遊亭わん丈師匠の筆による
「幾代餅」Tシャツ

自分に子孫繁栄する資格があると思ってるんだ。
すげえな。
みんなよくも自信たっぷりに子供なんか生むな……と驚き呆れていた。
(ご不快に感じられた皆様にはお詫び申し上げます)

もちろんそんなことは口にしない。 

「おめでとう!」
「わー!可愛い赤ちゃん!」
とか言いながら内心首を傾げていたわけさ。
自分は駄目人間だからそう感じるんだろうな。
きっと多分おそらく……

あの頃の赤ちゃんたちは、もはや親になってまた子供を生んでいるだろう。
私の同世代ならもう孫がいる人だっているはず。
だから何でそんなに自信満々で子孫繁栄するわけよ?

いや。
それはいい。
他人のことはどうでもいい。

問題は自分なのだ。

一体この老後をどうすればいいのだ?
この賃貸アパートで孤独死するのか?
(実はあまり嫌ではない。周囲への迷惑を考えなけりゃ)

賃貸を追い出される前に中古マンションでも買うべきか?
早々に介護付きアパートにでも入ってお迎えを待つべきか?
等々……考えはするが実行に到るきっかけもない。

メリハリ皆無!!


身体の内側にある時計は、きちんと時を刻んでいるのに。

ずるずると生きて来たけど、使わない子宮には筋腫が出来て摘出手術をした。
(※子宮筋腫の原因は多々あります。あくまで私の場合です)

眼球も老いて白内障になったから水晶体を摘出して人工レンズを入れる手術をした。

シミ、小じわも出来た。
白内障手術をして如実に見えるようになってしまった。

幼少時、肩にしたBCGという注射の痕(ケロイド体質だからでかい痕跡がある)は5㎝近く腕に下がっている。

すげえな。
皮膚ってホントに垂れるんだと実感した瞬間!

もちろん乳だって垂れたさ。
自慢したくはないけれど。

ともあれ……肉体は律儀に老いている。

まあ、じゃあ、それでいいのかな?

外枠の人生にメリハリがなくたって。
この先どうすればいいのか見当がつかなくたって。

身体だけは健やかに老いさらばえている。
それだけで善しとすればいいのかな?

んん~。
きちんと段階を踏んだ落語家生活とは比ぶべくもない。
だらだらと寄席で落語を眺めるメリハリのない客なわけだ。

それで善し、それで善し。

お手を拝借!

しゃしゃしゃん、しゃしゃしゃん、
しゃしゃしゃんしゃん!!

並ぶ幟は新真打の三遊亭わん丈、
現師匠の天どん、故師匠の圓丈
亡き師匠の幟が立つのは
浅草演芸ホールの粋な計らい

ありがとーーございましたーーー!!!







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