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グラサン金髪!!
近頃何故か人に胡散臭い目で見られる。
怪しい男や煩わしいセールスも宗教も近づいて来ない。
そういえば道を聞かれることもなくなった。
私はちょっと外に出れば道案内を乞われるタイプなのに。
でも方向音痴だから、きちんと案内出来ずに申し訳なく思っていたが。
晴れた日にショーウィンドウに映る我が姿に気がついた。
帽子を目深に被ってマスクをした上に、色の濃いサングラスをしている?
そうだった!
メガネを調光タイプにしたのだった。
日中メガネは茶色いサングラス状になる。
何と、サングスのお陰だったのか!
こちらが胡散臭く見られて、逆に胡散臭い奴が近づいて来ないのはありがたい。
道案内が出来ないのは悪いけど。
金髪にすればもっと人が近づかなくなると聞いたことがある。
護身に最適ではないか。
グラサンに金髪!
最強である!!
そう思って美容院で染めてもらうことにした。
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Eテレ0655
はっきり言って白髪染めである。
ここしばらくはピンク色に染めていた。
見知らぬマダムに「素敵な色ね」などと褒められるに及んで、何度も同じ色に染め直していた。
そろそろ色を変えたいと思っていたところである。
よし!
今回は金髪にしよう!!
と思ったのだが、さすがに頭全体を金色にする勇気はなかった。
金髪メッシュにした。
日和った結果……。
もともとピンク色に染めていた髪である。
金髪メッシュと相まって、よくわからないミックス犬のような毛色になった。
それでもグラサンメガネで歩いていると、何となく周囲の人が引くような気配がする。
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ああ、そうなのか!
そうだったのか!!
そりゃあ若者たちは金髪に染めるだろうさ。
俺に近づくな!
俺は危険な奴なんだ!
おまえらとは違うんだ!
近寄れば傷つけるぞ!
と言わんばかりに髪を染めて、ピアスや何やら装飾品をじゃらじゃらつけて威嚇する。
傷つけられたくない奴は金髪に染めるんだ。
黒髪のいい子ちゃんでびくびく過ごしているよりも、さっさと金髪に染めるべきだった。
金髪メッシュなのにそう思ったりする。
金髪でイキッていれば世の中案外楽かも知れない。
どっとはらい。