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国語力って、なんだ??

意味を明確に説明できない、単語や熟語(ことば)を見かけたとき、私は辞書を引きます。

さっそく、「国語力」を調べてみました。

すると…、『新明解国語辞典 第八版』『精選版 日本国語大辞典』『三省堂国語辞典 第八版』の3つの国語辞典では、「国語力」という単語での登録はなく、意味が説明されていないことが判明しました。

「国語力」の定義が辞書に掲載されてないとは……。

この時点で、かなり驚愕です。

まさかの「国語力」が見当たらない…

一応、「国語」について、確認することにしました。各辞典による、「国語」の説明は以下の通りです。

こく ご⓪ 【国語】
㊀国家を構成する国民の使用する公的に認められている言語。〔狭義では日本語を指す〕
㊁教科の一つ。「国語㊀」を正しく聞く・話す・読む・書く能力を段階的に高めることを目的とする。国語科。

新明解国語辞典 第八版

こく‐ご【国語】
一〘名〙
①ある一国における共通語または公用語。その国民の主流をなす民族が歴史的に用いてきた言語で、方言を含めてもいう。
②特に、日本の言語。日本語。みくにことば。邦語。
③借用によらない、日本固有の語。漢語、外来語に対していう。和語。やまとことば。
④学校教育の教科の一つ。日本の言語および言語文化を取り扱う。「漢文」と対置または併称され、またこれを内容に含む場合がある。〔文部省布達番外−明治五年(1872)九月八日〕

精選版 日本国語大辞典

こく ご [国語]⦅名⦆
①〈それぞれ/自分〉の国で標準的な言語として認められている言語。
②〔日本人にとって〕日本語。
「━史」
③「国語②」の読み書きや話し方、聞き方などを学ぶ教科。

三省堂国語辞典 第八版

「国語」が何を示しているのかは明確になりつつも、やはり「国語力」が分からないのは、変わらず……。

この時点で深夜1時半。図書館などで調べられる時間でもないので、取りいそいでは、インターネットという魑魅魍魎な情報もある、情報の海の中へと、その意味を探すことに…。

ただ、むやみに「国語力」と検索しても、正しい情報は掴めません。そこで、『日本語シソーラス 類語検索辞典 第2版』のなかで見つけた例文の中にあった、

「人は、ある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語だ、それ以外の何物でもない。[シオラン]」

日本語シソーラス 類語検索辞典 第2版 0471.03 国語

上記の表現を検索することに。「祖国とは国語だ」という表現を扱っているブログや解説が引っかかれば、国語力について検討しているのではないか?
という目論見です。

調べてみると、この言葉は、ルーマニア人の思想家、エミール・シオランの言葉あることが判明。そのブログでは「国語力」ではなく「日本語」について語られていました。

On n’habite pas un pays, on habite une langue. Une patrie, c’est cela et rien d’autre.
(国に住むのではなく、言語に住むのです。祖国とはそれだけであり、他の何物でもありません [AI翻訳] )

そこで出会ったのが、以下の「日本語」の定義です。

日本人にとっての国語である日本語は、「情報伝達の道具」以上の存在であり、民族の文化・伝統・情緒などの大部分が凝縮されている思考の基礎および知恵の源泉である。

なるほど。情報伝達の道具以上の存在、そして、文化、伝統、情緒などの大部分が凝縮されているものが「日本語」。

今度は、ブログで紹介されていた『祖国とは国語』(藤原正彦著、新潮社)を読んでみることに。

時間は午前2時。

こんな時、Kindleって、便利だよねー。でも、夜更かし製造機なような気もする…。

つづく。


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