シェアオフィスは吟味して入れば、何倍ものリターンがある
【編集:宮坂雅代】
10月中旬、2名の女性と初めてお酒を飲む機会があった。一人は沼津のシェアオフィスに入っているAさん、もう一人は熱海でシェアオフィスを運営しているBさんである。
Aさんは、IT広報・マーケティング、および個人でコーチングをやりはじめた女性。6月に東京から沼津に移住してきて、仕事は基本家で事足りるが、環境の変化を求め、数件シェアオフィスを見学したそうだ。私の家の近くにも、シェアオフィスがある。信金がからんでいて、広めで綺麗。木をふんだんに使っていて好感が持てる。だが、常に在住している利用者がほぼいないそうで、彼女が見に行ったところ、ガランとしていたらしい。最終的に彼女が借りたのは、完全民営、社会起業家の人が始めたシンマチというリノベーションシェアオフィス。イベント・「鎌倉殿の13人」の非公式ファンミーティング(様子はコチラ→https://on-ridgeline.com/archives/8603)で訪れたことがあるが、大きなモニターが各机にあり、サブスク宿登録の部屋も1室ある。オーナーが面白い人で、夏祭りは利用者やオーナーの知り合いで集まったり、いきなり彼女が柚子胡椒ワークショップをやることになったりと、移住者でもすぐ人とつながることのできる場所だそうだ。
もう一つ、熱海のシェアオフィスCLUB HUBlicは、キャリアコンサルタントを本業にしているBさんが開業したもの。東は小田原から西は静岡西部まで60人ほどが借りているそうだ。彼女も首都圏からの移住だが、震災時に伊東に住んでいて、観光メインの地元の多くの人の単独キャリアの危うさを実感し、仕事のスキルを身に着けてほしいと感じたそうだ。
熱海でひらいたオフィスは、中学生・高校生も安価で利用できる。
私設図書館も併設していて、キャリア関係の本が、そろっている。
会費で、プリンターや、備品(マスキングテープが趣味で大量にある)なども使い放題、キャリアやコミュニケーションにまつわるボードゲームも置いてある。
そのうえスキルアップにまつわる英会話やライティング、傾聴など様々な講座を定期的に開催していて、熱海市在住・在勤者は無料だそうだ。
あげた2点のシェアオフィスはどちらもオーナーの色が強く出て、オーナーが地域をよくしようという思いがある。そのような場所を借りると、ただ快適な仕事環境以上のものが手に入りそうな気がする。