物を書くならコレを読め
【ライター:名倉佐記】
有難う、様々、勿論、兄弟…。
読めますか? 読めますよね。
でも、書きません。
ありがとう、さまざま、もちろん、きょうだい…と書きます。
「押しも押されぬ」は「押すに押されぬ」だし、振りまくのは愛想ではなく「愛嬌(あいきょう)」です。
「元旦」は1月1日の朝のことで、1月1日は「元日」。
動詞としての「うけつけ」は「受け付ける」、場所は「受付」と表します。
物を書く人なら必携の一冊が、共同通信社から出ている記者ハンドブックです。
正しい日本語を使い、正しく情報を届けるための“辞書”みたいなものです。
私も社会人になって初めて手にしました。
感覚とかけ離れていることもありますし(「ウォーク」ではなく「ウオーク」など)、クライアントの求めるものじゃないことも出てきます。
その場合は柔軟な対応が必要になりますが、それでも、最初から最後まで読めばかなりの勉強になります。
最近では、教育現場以外で文章の書き方を習ったわけでもなく、ライター業をしている方が増えています。
「うわ、読みにくいなぁ」と感じてしまうことも、しばしば。
ライター業のみならず、ウェブデザイナーや編集者、インスタグラマーを目指す人にも(上から目線で申し訳ないですけど)読んでほしいと、つくづく思っています。
書くことを生業としていなくても、SNSやブログなど、あらゆる場面で文章を他人に読まれることが普通になっています。
私は趣味程度にハンドメイドをやっているので、インスタグラムで同じようなアカウントをフォローしています。
一見とても優雅な世界なのですが、誤字脱字や誤用、無駄な句読点、敬語の使い方など、残念に思うことが多々あります。
公開にしている文章には「誰にでも伝わる美しい日本語」を使ってほしいと願います。
202-12-09 記