オートバイ会社がEバイク(電動アシスト自転車)に参入する理由は?【Eバイク事始めでEバイクを知ろう! #01】
なんで、オートバイ会社は、Eバイクに参入するの?
世界で注目されているEバイクは、自転車会社だけでなく、オートバイを製造する会社も注目している。
一例を挙げると、イタリアの高級オートバイブランドの、MVアグスタや、ドゥカティは、同じブランドをつけたEバイクを販売している。また、アメリカのハーレーダビッドソンは、シリアルワンという企業を設立して、Eバイクに参入している。なぜ、オートバイ会社はEバイクに参入するのだろうか。
オートバイ会社がEバイクに参入する2つの理由
1つ目は、先進国ではオートバイの需要が芳しくないのが大きい。
先進国では、オートバイは趣味の乗り物という扱いとなっており、新車販売台数が減少傾向にある。
例えば、大型オートバイのイメージが大きいハーレーダビッドソンは、新興国向けとして小排気量のオートバイを製造しているが、これは先進国ではオートバイの需要が少なくなっているのに対して、新興国の需要が大きいため。様々なオートバイ会社が、販売台数が多い東南アジア等の新興国に力を入れているのも、この理由が大きい。
2つ目は、Eバイクで躍進したオートバイ会社が存在するためだ。
Eバイクで躍進した先駆者と言えるのが、イタリアのファンティックだ。
1968年に誕生したファンティックは、オフロードオートバイやトライアルバイクなどで一躍有名となるが、1990年代に閉業する。
2000年代には、イタリアの投資家の手によって復活するが、経営不振となる時代もあった。
しかし、現在は、かつて、ヤマハモーターヨーロッパが保有していたイタリアの二輪車エンジン製造会社の「モトーリ・ミナレリ」を買収するなど、大きく躍進。ラインナップもオフロードオートバイから、スクランブラータイプの「キャバレロ」に、電動スクーターやEバイクなど、多種多様なモデルを揃えている。
ここまで大きくなったのは、2014年に、現在の親会社であるイタリアの投資会社「Veネットワーク」がファンティックを買収したのが大きい。
オートバイメーカーがEバイクに参入していなかった2010年代前半、VeネットワークはEバイク事業の参入を実施して成功する。
現在では、Eバイクはファンティックの基幹事業となっており、オートバイブランドながらEバイクのほうが売れている状況だ。
2023年現在、様々なオートバイ企業がEバイクに参入しているが、これは先駆者であるファンティックの影響が少なくないだろう。
「Eバイク事始め 次世代電動アシスト自転車がよくわかる本」では、ファンティックの歴史から、同社がEバイク参入などの歴史を紹介。
他にも、Eバイクとはどういう乗り物なのか、Eバイクを走らせる方法、Eバイクの選び方等を紹介している。
書誌情報
Eバイク事始め 次世代電動アシスト自転車がよくわかる本
(レーベル:シクロライダーブックス)
本体価格:1500円+税
著:松本健多朗 イラスト:松本規之
ISBN 978-4-911100-00-4
A5判/モノクロ/168ページ
Amazon、楽天ブックス等のインターネット書店や、紀伊国屋書店等の全国書店で発売中。電子書籍に関しても、Amazon Kindle等の各電子書籍ストアで販売中。
書店様への備考
取引取次:鍬谷(クワタニ)書店。
鍬谷書店を通じて日販、トーハン、楽天ブックスネットワーク、中央社など全帳合の全国書店に納品可能となっています。(条件:委託・随時返品可)。鍬谷書店にてご注文ください。
また、2023年8月に一冊取引所での直販も実施する予定です。
文:松本健多朗