Athlete Ideathon:アスリートアイデアソン
少し前になりますが、トップアスリート・指導者・民間企業(ビジネスパーソン)・行政が一堂に会するミートアップ「ATHLETEアイデアソン」に参加してきました。
「アスリートの価値」について現役アスリート、コーチがパネルディスカッションする貴重な機会であり、エッジフォースが追い求める「アスリートが持つ高いビジネスポテンシャル」の何かヒントが眠っているのではという思いから参加を決意しました。
イベントは3部構成で、第1部がトークセッション、第2部がアイデアソン、第3部が懇親会という内容でした。私は最初のトークセッションに参加し、登壇者の話を興味深く聞きました。
パネリストは以下の方々です。
・藤光謙司 (現役プロ陸上選手、ニューネックス株式会社 代表取締役)
・河田剛 (スタンフォード大学アメフト部コーチ)
・前田眞郷 (現役アメフト選手、株式会社Revive 代表取締役)
トークセッションでは、3つのテーマが用意されていました。1つ目が、日米に見るアスリートキャリアの課題と展望です。
「不合理だらけの日本スポーツ界 」の著者であり、スタンフォード大学でアメフト部コーチを務める河田さんがリードする形でトークが進みました。
アメリカではスポーツに対する合理的な考え方が徹底されており、コーチの河田さんは学生に対して「大学でのスポーツは人生80年のうちのたった4年である」という意識を持たせ、練習や試合以外での過ごし方も大事にするように指導されているそうです。その考え方はPlayers Association(学生体育連盟?)にも掲げられており、選手のQOL:Quality Of Lifeが大切にされています。
またアメリカでは、学生が練習や試合に参加する時間に上限が設けられています。アメフトの場合、フィジカルスポーツですので体への負担や怪我のリスクから選手を守るという意味もあるでしょうが、同時に学生が十分勉強に取り組める時間を確保する意味も含まれています。限られた時間の中で、アメリカの学生は時間の使い方、優先度のつけ方を学びます。これを聞いて私は衝撃を受けました。すごい!!
アメリカの学生スポーツに詳しい方であれば、ある高校生や大学生が2つのスポーツのドラフトにかかったという事例をご存知かもしれません。少し調べてみましたが、NBAを代表するLAレイカーズ所属のレブロン・ジェームズは、高校時代アメフトでも州を代表する選手だったそうです。
そのレブロン・ジェームズやトップテニスプレイヤーのセレーナ・ウィリアムスは、トップアスリートであるがゆえに発信力も非常に強い。アスリートとしてのキャリアとは別に、スタートアップ企業の支援も行なっているそうです。発信が共感を生み、そこで新たなビジネスの可能性が芽生えるというサイクルが回っています。
視野を広げて、両立や散立しながら優先順位をつけつつ、競技以外のこともやっていく、こうした意識が日本のアスリートには必要だということでした。
2つ目が、アスリートの本質的価値です。
Player Value、Market Value、Story Value、Social Valueといろんな視点での価値がある中で、アメリカではエージェントの存在が価値作りに大いに貢献しているようです。
(下のグラレコにもあるように)
足元TOKYO 2020が注目されていますが、それ以降長期的な視点でアスリートが担う役割の議論が必要ということで議論がまとまりました。
最後が、パートナーシップについてです。
ここでもエージェントの話が上がりました。これまでは過去、現在に基づいた選手の価値を議論する、考えるエージェントが多く、未来志向を持って選手のこれから価値を作っていこうという意識のあるエージェントは少ないようです。
アメリカのようにエージェントが多く存在し、競争がある社会では、こうした未来思考を持って選手に新たな価値を提供するエージェントが育つのだそうです。競争の原理でしょうか。先日スポーツビジネス最前線のことをブログで書きましたが、エージェントの存在、活躍が、これからスポーツビジネスを活性化させるトリガーの1つになるような気がしました。
約1時間半のトークセッションは、非常に濃密で幅広い内容をカバーしており、とても勉強になりました。藤光さん、河田さん、前田さん、どうもありがとうございました。
このイベントではグラレコが行われました。聞きなれない方もいるかもしれないので補足しますと、グラレコとはグラフィック・レコーディングの略で、会議、ディスカッション、講演などの内容をイラストを活用して記録することを指します。
ビジネスミーティングではホワイトボートを活用し、議論を図式化したり、絵にしたりしますが、その発展系という印象です。(イラストを描くスキルが必要ですね)
今回はののさんという女性の方が描いてくれました。こちらもありがとうございました。
https://twitter.com/hashtag/%E3%81%AE%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%AC%E3%82%B3
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