AIスタートアップ企業のシリーズ前半までのざっくりステップ
この記事の前提
- 受託開発ではないtoB向けのAIサービス
- 市場が出来上がっていない
- 先端技術を用いている
また、主に私の経験上の話になるので、私の自己紹介記事も参考にしていただければ幸いです。
ビジョン:シード前
創業者が何をしたいのか、どのような社会を実現したいのか、人に伝えられる状態にしておきます。
仲間集め:シード
創業者のビジョンを伝え、そのビジョンに賛同してくれる仲間を集める。その仲間たちは最初はフルタイムで動いてくれなくてもOK。むしろフルタイムだと合わなかったときに困ることになります。(私の経験では初期のメンバーはほぼいなくなります。)
また、当たり前ですが、仲間のスキル・経験は偏りがないほうがよく、ビジョンを達成するための試作機(デモシステム)を開発できるエンジニアがいることは重要です。
資金調達①:シード
シード、アーリーを乗り切るための調達を進めます。日本政策金融公庫やアーリーステージの企業に出資しているVC等から5000万円~1億円調達します。最初から利益が出る事業は難しい(受託系であれば何とかなるかも?)ので、次の調達の前にこのお金が尽きると会社をたたむ必要があります。
デモシステム作成:シード
これはtoBかつ先端技術を用いるシステムを提供する場合、重要な意味を持ちます。というのも、顧客として市場がまだ出来上がっていないAIシステムはイメージがつかみにくく、どのように価値を提供してくれるのかがわかりません。そのため、デモシステムがあると顧客は実体験できるのでイメージが湧き、PoCへとつながります。
#デモシステム作成の重要性に関しては別途記事を投稿する予定です 。
セールス:シード以降
デモシステムをうまく活用し、導入ないしは質の良いPoCの契約をモノにする必要があります。基本的には業界の大手と言える企業のトップまたは経営層に対して営業し、トップダウンで契約することが好ましいです。ボトムアップの場合、契約まで時間がかかってしまい数百万のPoCが決定するまで半年を要することもザラです。
PoC:シード後半~シリーズ前半
大手とのPoC(導入も同様)は開始するまでの道のりが長いです。システムのセキュリティやオフィスのセキュリティ体制、サービスの運用保守の体制等を一つ一つチェックしていき、クリアできていないものはいつまでにどのように対応するのかを明言する必要があります。
また、PoCのほとんどは最初上手くいきません(上手くいく企業はすごいです)。理由としては、齟齬があったり期待値が想定以上に高かったりして価値を上手く伝えられないことがあります。ただ、ダメだったらリベンジしたり次に行ったりすれば良く、その際にできるだけPoCで出た齟齬をなくし、期待値に近づければ良いと考えています。
#PoC関連に関して 、別途記事を投稿する予定です。
資金調達②:アーリー~シリーズ前
プロダクトが完成し、PoCをいくつか経験してPMF達成を目指す前に資金調達します。金額としては数億円になります。このお金を使用してPMF達成を目指します。
PMF:シリーズ前半終了
スケールの見込める企業に導入を決めるために、セールス、PoCを進めます。その中で導入、運用保守の改善、効率化を進めます。そして、実際に企業に導入し、導入数のスケールが決まる流れを繰り替えし実現できればPMF達成です。
最後に
ざっとAIスタートアップ企業のシリーズ前半までのステップについて、私の経験に基づき述べました。同じような企業であれば、そんなに外れていないステップになるかと考えています。
今後、いくつかのステップに関して、詳しい内容を投稿していく予定ですのでよろしくお願いいたします。
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