謎の「強い4分」というスキルがとても大事らしい
(1)謎の「強い4分」というスキル
前にもご紹介したと思うのですが、ガチタンバリンの大石竜輔さんが、
と書かれていたことがあります。
これについて、私は前に読んだあるブログを思い出しました。
それはアメリカで活躍しているドラマー桐沢暁さんの今はないnoteのものでした。
「リズムトレーニングの前に知って欲しい事13」というタイトルで「4分音符の強度」という言葉で伝えようとされていたことが、ガチタンバリン大石さんと同じことをおっしゃっているのではないか、と思ったのです。
そのブログに衝撃を受けたのですが、その時の自分にはよくわからなかったのです。でも最近の練習でわかってきたような気がするのです。
これほどまでの達人たちが言語化に苦しむ「強い4分」、実は、これが音楽をする上でとても大事なのではないでしょうか。
「音感」と呼ばれるものよりも、これを持っているかどうかが、「音楽ができる人/できない人」の根幹にある違いなのかもしれない、と、今の私は考えています。
「音楽ができる人」の前提条件、これがまさに私が悩んでいたことと同じでした。
(2)なぜ「強い4分」は注目されないのか?
(2-1)「音楽ができる人」にとっては当たり前すぎる。
おそらくこのスキルは、「音楽学やクラシックの世界でいう『拍=パルス』というものを維持するもの。そしてそれをコントロールすることで個性や特徴をつけるもの」だと考えています。
クラシックではこのスキルは子供時代からひたすら演奏で培うものであり、恐らくソルフェージュにもこのような訓練はないのではないでしょうか。
子供時代に自然と培ったものなので、スキルとして意識すらしていないのです。
なので「誰でもできる」「できないのはただの練習不足」と考えているのだと思います。
(2-2)言語化、視覚化がしづらい。
上記のように、リズム楽器の達人たちですら、伝えるのに苦労するのです。
楽器演奏者や歌手が練習の中で体験するしかないのだと思います。
(2-3)体得しづらい。
ちゃんとしたエンターテインメイントを提供するライブハウスではなく、趣味の音楽演奏家等の交流の場としてのライブハウスなどへいく人は、ベテランっぽいのにリズムがグラグラの人の演奏を体験したことがあると思います。
たぶん、「強い4分」は大人になってから始めた人であればなおさら、普通の「練習」で手に入れられるものではないように感じます。
大人になってから始めた人で私のようなセンスのない人間は、それ専用の訓練を受ける必要があるのですが、スキルとして意識されてないので、当然メソッドとして完成されてないのです。
(2-4)故に練習法もない。
上記のことからわかる通り、音楽ができる人たちにとっては「当たり前と意識する以前のスキル」であり「息をするのと同じようなもの」なので、練習法がありません。
正確には、それを培うリズムトレーニングはありますが、スキルとして認識されてないので、教材の受け手や生徒にも意識されないままなのです。
さて、偉そうに書いてきましたが、実際のところ私では実証できません。
私の演奏が、いつか誰が聞いても納得できるものになった時に、これが現実にあるものだ、ということをお伝えできるかと思います。