アナログ時代の経験はもう役立たない

前にも書いた事があると思うのですが、私はDAWを使うのに勉強はほとんど必要ありませんでした。
アナログ時代からやっていたからです。
DAWは基本的にアナログ時代の作業フローを踏襲していましたので。
ただ、それもDAWネイティブの人やアウトプット媒体の変化で変わってきましたし、DAW独自のインターフェイスやフローになってきていると感じます。

正直、アナログ時代の経験って強みだと思っていたんですよね。
アナログは視覚インターフェイスの部分が少ないので、耳で判断するしかない部分が大きいのです。なのでそこは鍛えられたと思いますし。

でも、先日読んだ根岸孝旨さんのインタビュー記事を読んで考えが変わってきています。

やっぱりアナログで突っ込むと細かいズレって気にならないんですね。全然、音楽として一体化するんですよ。特に現代のPro Toolsとかが中心になるとそういう縦の線(時間軸)が気になっちゃうんですよね。
(中略)
昔は気になんないんですよ本当に。逆にビートの幅があった方がかっこいいんじゃないかっていうね。Logicなんかで録っちゃうとただのヘタクソだなって思ったりして。
(中略)
そんなことを言ってると時代から取り残されるんで気を付けないと(笑)。

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私は、リズムや音高の「にじみ」みたいな部分が好きです。
そのことは先日も書きましたし、私は音と音の間を楽しむ音楽が好きです
でもそれってもう今のリスナーにとっては意味ないんじゃないの?という考えになってきています。
今の子はみんなDAWで作られた音源ネイティブなので、アナログのマジックなんて知らないし、音大に入るほどではない人間の演奏がどれだけ下手かも知らないのです。

ある程度、それはわかっていたつもりで、演奏面のリズム精度を上げてきたのですが、本当のところ、納得していなかったのだと思います。

音楽のデジタル化って、思っていた以上に「音楽の楽しさ」を根底から変えてしまったのかもしれない、そんなふうに考えています。

根岸さんのいう通り、時代に取り残されてしまったのです。
危機感が足りなかった。
もっと真剣にデジタルと向き合うべきでした。

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