私なりの「耳コピができるようになる方法」
前にも書いたと思いますが、「耳コピしろ」と簡単にいう人が多いですが、そういう人の問題点は、「皆が自分と同じスキルを持っている」という前提で話をしている、ということです。
実際、耳コピというのは難しいことです。
そこで、自分なりの「耳コピができるようになる方法」をまとめてみます。
0.楽譜に慣れる
残念ですけれど、とにかく楽譜に慣れていただく必要があります。
でも実は、採譜や読譜ができることが重要ではありません。
頭の中に、ピアノロールが作れない人、つまり音楽の構造を把握できない人は、いくら楽器練習をしても音楽ができません。
単に音楽の構造をビジュアル化した世界共通のコミュニケーションツールが楽譜というだけです。
普段の練習で楽譜を取り入れて、積極的に使うようにしてください。
もちろん読譜ができるようになれば最高ですが、私もできません。
「音楽の構造」を視覚で認識するだけでも良いのです。
楽譜への抵抗感がなくなるまで続けてください。
1.対象曲を簡単にする
最近の曲は難しいです。童謡のメロディを採譜することから始めてください。
つまらないプライドは豚にでも食わせてください。あなたがいくらベテランであっても、「耳コピできない人は音楽ができない人」なのです。
童謡である理由は2つ。
(1)譜面がネットで手に入る。
(2)最低限の自分のスキルレベルがわかる。
です。
ネットで譜面を拾ってきて答え合わせてしてください。
合っていれば、次の段階へ進んでください。
それも難しい、という方は別の曲でメロディのリズムだけ採ってみてください。
合ってましたか?
合っていればリズムは問題ないです。問題なのは「音高がわからない」ことなので音高を把握するトレーニングが必要になります。その方法は後日書くことにします。
問題はリズム譜を採れない。つまりリズムリーディングができない人です。
音高や和音ばかり注目されて見落とされがちですが、リズムリーディングができることが耳コピの前提です。
なので、まずはリズムリーディングの練習に励んでください。
2-1.ベースという楽器に慣れる
耳コピの意外な障害が、ベースの音域に耳が慣れていないことだと思います。
ルート音ですからこれがわからないと話になりません。
最近の曲は、ベースラインがとても難しいので、大昔のロックンロールみたいな、ベースラインが簡単で良く聞こえる曲の、メロディとベースを採譜してください。
答え合わせは絶対してください。先生に従くのが一番早道なのですが、難しければ譜面がある曲でやってください。
ちなみに私はビートルズから始めたのですが、意外と難しいです。
ポール・マッカートニーさんという人は、意外性の塊だからです。
もっと簡単な曲から始めた方が良いと思います。
2-2.スタンダード曲を分析し、取り込む
メロディとベースの採譜練習と並行して、スタンダード曲の楽譜を買ってきて、コードにディグリーネームを書いて弾いてください。
メロディも弾いてください。
直接耳コピと関係ないですが、どちらもメトロノームは絶対使ってください。
最近はスマホで録画できるので、両方を録画して動画編集ソフトで合わせてみると面白かったりします。
できれば理論分析してほしいのですが、それは難しいでしょう。
なので、最低でも各コードがディグリーネームの何番に該当し、ドミナント、サブドミナント、トニックのいずれの機能を持つか、覚えながら弾いてください。
これをとにかくたくさんの曲で繰り返します。たくさんです。
「コード進行やメロディの定石」を身体に覚え込ませます。
最初は特にドミナントモーションを意識してください。これが感覚としてわからないと、セカンダリードミナント等も理解できないからです。
3.耳コピにチャレンジ
上記練習は、人によっては実用レベルに至るまで数年かかると思います。
「そんなに時間かけてやってられねーよ」という人はあきらめてください。
前にも書きましたが音楽は言語に近いスキルです。
バイリンガルに簡単になれますか?なれませんよね。
しかし、上記練習でスキルが身についていれば、簡単な曲の耳コピができるようになっていると思います。
そこからが、本当の耳コピ練習の始まりです。
以上、私が考える「耳コピができるようになる方法」についてでした。