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Limbus Companyがもっと面白くなるかもしれない考察②ーコギト編ー

!注意!
※この記事にはLobotomy Corporation, Library of Ruina, Limbus Company、及びそれらの外伝作品の重大なネタバレになる可能性があります。
それでも問題ない方のみ、この先へお進み下さい。










ごきげんよう、管理人様。
前回の記事はこちらから。



さて、今回は前回の予告通り『井戸』から水を汲み上げる為のモノ、すなわち『コギト』と『釣瓶』について解説を行いたい。

前回より一層深い設定に触れるため、当然重要な要素に関するネタバレも多く含む。

プレイ済みで設定を忘れた人・手っ取り早く設定を知りたい人以外はゲームの体験を損なわないため、ブラウザバックをオススメする。








・コギト

コギトとは、『井戸』と同様にLobotomy Coporationで初出の物体である。

後述する『釣瓶』から溢れる液体であり、これを人間に注入すると幻想体になる。
ただし配分を間違えると幻想体ですらない『この世に存在してはならぬモノ』が生まれたり、エリヤやジェバンニ(マルクト/ネツァクの原型となった人間)のように悲惨な結末を迎える事になる。

コギトは作中でも言及される事が少ない。
だが、作中では画像を以って説明されている。


???

コギトは上図で記された細い管である。
……と一口に言っても分かりにくいので順を追って説明しよう。


・太古の海
まず、真ん中の球体は『人類の井戸』であり『全ての根源となる川』であり『太古の海』だ。
……というと限りなく分かりにくい。役回り的に最も近い言葉を用いて今回は乱暴に『海』と呼称することにする。

世界の底、最も深い場所に
はるか昔から流れていた川があります。
人類という種が忘れていた、すべての根源です。

アンジェラ Day42

釣瓶は汲み上げようとしたモノではなく、
人間の奥底に流れる深淵、無意識、
あらゆる可能性を汲み上げる時がある。
この世界にかつて存在した古の存在、今の世にはびこる存在、まだ見ぬ未来にいるかもしれない存在…

ビナー ストーリー

『海』というのは人類という種が忘れていた全ての根源であり、あらゆる可能性を含んだ源泉だ。
作中では色々と言い換えられているが、より分かりやすい別の言葉で表すなら『アカシックレコード』が適切だろう。

この『海』というのは今の都市では忘れられ、否定され、今ではごく少数の人間がその存在を何となく感じ取る事しか出来ない状況にある。
しかし特定の場所、例えば外郭の『黒い森』のような場所にはその『海』に繋がる隙間があるとされており、そこから這い出て来るモノもいるという。

ここで重要なのは『人類の井戸』は『井戸』とは異なるという点だろう。
ここを混同すると話がややこしくなる。

『人類の井戸』は『人類』全体を指して言っている、つまり言葉通り『人類全体の井戸/イド』であり、『井戸』はあくまで『個人の井戸/イド』だ

分かりにくいのは翻訳の都合上の問題なのか、あるいは自分の読解力の問題だろうか。


……さて、コギトの話に戻ろう。
前述した管というのはコギトそのものではなく、その薬品の用途・効果を示している。
つまりコギトは『海と個人の井戸を繋げ、その水を汲み上げる』事が出来る薬品と推測できる。

コギトの投与による『人の境が薄まる』『失血死』『幻想体化』『この世ならざる物への変貌』はつまり『人間性の喪失』の一言で表される。
『人間性の喪失』でピンと来ない人はメイドインアビスの閲読・視聴をオススメする。あれはまさにコギト投与時の反応そのものと言える。

要はコギトの投与量を間違えると「個人の『井戸』と『海』が繋がりすぎてしまう」状態になるのだろう。その人間が『海』に上書きされるのか、『海』に撹拌されるのかまでは知りようもないが、どうなるかはLobotomyで明かされている通りだ。


・釣瓶

釣瓶とは、『井戸』と同様にLobotomy Coporationで初出の物体である。

釣瓶

釣瓶とは『カルメン』の肉体を再構成し、分解・増殖させる事で生み出されたL社特異点の真髄である。

『コギト』はここから絶え間なく溢れ出てくる。
……まぁ、実際のところこれ以上の説明はない。

だが、ここまでの釣瓶の説明でこう思った方もあるだろう。
「コギトが海から井戸を介して水を汲み上げるのはわかったが、普通水を汲み上げるのは釣瓶の役割じゃないか」と。

ここに関しては少し逆説的な話にはなるが、リンバス4章「変わらない」の『涙を流すもの』を使って説明出来るかもしれない。
『涙を流すもの』はK社特異点の真髄であり、再生アンプル・ヘラポイセス弾などの回復液の原液を生み出すモノである。

さて、この組み合わせは『釣瓶』と『コギト』の関係に大変似ている。
『涙を流すもの』とはすなわち「誰かの代わりに涙を流すもの」であり、その特異点そのものが回復効果を撒いている訳ではない。
あくまで「誰かの代わりに流した涙」である液体が誰かを治療する役割を持っているのだ。

『釣瓶』も同じだ。『釣瓶』そのものが水を汲み上げるのではない。『コギト』がその役割を担っているということだろう。


・余談
今回は『コギト』と『釣瓶』についてお話しした。
幻想体のルーツが少しずつ分かってきただろうか?

……さて、ではこの画像をご覧頂きたい。

これは狂気である。Limbusで運営が大量に配布しているが、問題はそこではない。
この見た目、どこか『釣瓶』を連想させないだろうか。
花の部分は脳に見えるし、茎の部分は脊髄に見えないだろうか?

ここで画像をもう一つ。


これはリンバスのガチャ画面である。

ガチャを引くには狂気を使う訳だが、このガチャからは12人の囚人の人格とE.G.Oしか出ない。これは
「『釣瓶』を用いて個人の『井戸』から『海』にアクセスし、『海』から『人類のイド』を汲み上げる」
のと対比して
「『狂気』を用いて個人の『人格』から『海』にアクセスし、『海』から『人格』を鎖で引っ張り上げている」
ように見えないだろうか?



……この辺りは与太話程度で考えて欲しいが、こんな風に理解すると貴方のリンバスカンパニーはもっと面白くなるかもしれない。

次回は『幻想体』と『ねじれ』、『大罪』についてお話ししたい。

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