風力発電は再エネの象徴のようですが、自然を再生不能にしていては元も子もないという話 2
その2-2)オオワシ・コハクチョウなど渡り鳥の通り道をふさぐ
高さ188mの風車が39基も回り出したら、そこに住む鳥だけでなく渡ってくる鳥にとっても、風車の羽は凶器になります。琵琶湖には、オオワシやコハクチョウ、天然記念物オオヒシクイなどが渡って来ており、そのルートをふさぐようにできるからです。琵琶湖は、「国際的に重要な湿地」ラムサール条約に登録され、渡り鳥の「楽園」として長浜市の観光資源となっています。また市内には地名「雁ヶ谷」もありますが、このままでは過去のものとなるでしょう。
その2-2-1)バードストライクがおきたら
風力発電所が動き出した後、鳥の衝突(バードストライク)がおきたらどうするか、何も決められていません。事故の確認、情報の公開、原因の解明、防止措置、死がい・傷ついた鳥をどうするかなどがなんら事前に定められていません。山の中のため、調べをひんぱんに行わなければ、傷ついた鳥は食べられてしまう可能性が高いのです。特に1mを越える雪におおわれる冬の調査はまずできません。
その2-3)シカが山をこわす
近年、シカはその数を一気に増やしています。シカによって草や木が食べられてしまうとどのようなことが起こるでしょう。山肌が崩れドロ水を流している伊吹山の例がそれをよく示しています。風力発電所の工事により木が切られ、草地化したところにシカが入ると下草を食べ尽くしてしまい、土砂くずれが発生しやすくなるのは目に見えています。少しの雨でも土が流されてしまうでしょう。
(その3へ つづく)