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ジークアクスを観た あとユズリハについて
ジークアクスを観た。もの凄い映像作品だった。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を劇場で観て良かったので文章に残しておきたいと思う。
前提として、この文を書いてるオタクはファーストインプレッションを書き殴っているだけで、ふわふわなガンダム知識なので、間違った知識も多いと思う。あと、好きなアニメは『フリクリ』と『宇宙パトロールルル子』。ガノタのジジイには大目に見てほしい。
それと、SNSでは「ネタバレも情報も入れずに観に行け!」という集合的無意識が支配していて、観る前の自分は「いや、PVくらい観てもいいだろ」と思っていた。でも、絶対にネタバレや感想を見ないで行ったほうがいい。ガンダムを知ってる人も、知らない人も。
ここで言えるのは、ガンダムを一作も知らなくても絶対楽しめる作品だったし、ネタバレを見てから行くと映像の体験が一つ減ってしまうから、すぐに劇場に行こう!!
動揺の冒頭部分
前半はキャスバル君のイキイキ出世RTAで、新キャラが転生したり記憶を引き継いだりする“なろう”みたいな話だったらどうしよう…現代すぎるかも…と思ったけど、普通にパラレルワールドっぽい。
「またガンダム盗まれてるよ」は、宇宙世紀に限らずシリーズ恒例の行事だけど、そこからシャアの出世RTAが始まって劇場でニヤニヤが止まらなかった。新型の軍事機密が盗まれるギャグ、何回やったって面白い。
この緑?水色?のイケオジ誰だっけ…? と思いながら見終わった瞬間に調べた。
君、写真と違くない? キャスバル君に脳を焼かれてて良かったね。ファーストでは散々言われていた「設定の年齢と見た目の乖離問題」が、今作ではちゃんと解決していて笑ってしまった。
シャアが消失するのも、ガンダムをあまり追っていないと「え?え?」と置いてけぼりになりそう。でも、多分戦場の空気感もそういうものなんだろうな、と思わされた作りで、意図しているしていないにしろあの冒頭部分から作中現在までの繋ぎは上手いなぁと思う。
『エヴァQ』公開当時、「訳がわからない」という感想が支配的だった。でも今思えば、シンジ君が渚カヲルにのめり込んでいく体験を共有させられる物凄い脚本だった。
そんな「beginning」部分からシャアは消え、ジークアクス本編が始まっていく。
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キャラについて
マチュはぱっと見電波女だし、新しい映像や設定が次々降ってきて、あの辺の記憶が曖昧。でも、コモリ少尉が藤田茜さんなのだけは分かった。コモリ少尉、流石に萌えすぎる。
移民地域は治安が終わっているし、思春期にコロニーの閉塞感を認知してしまったマチュの行動も納得できる。表情や構図含め、めっちゃ鶴巻さんの作品に出てくる女で良かった。「あっちのほうが強そう」みたいな発言始め魅力しかない主人公だなと思うし、コロニーの空を見ても建物なのは嫌すぎるよね。
ニャアンは「デカ強い女枠」かと思っていたら、「可哀想系チワワ苦労人枠ヒロイン(今のところ)」で、めちゃくちゃ現代的なキャラクターだった。最初は「何やねんそのふざけた名前」と思っていたけど、東アジア系ルーツが多そうなコロニーっぽいし、中華圏の名前なのかも?
近年のガンダムは自然崇拝だけでなく宗教思想が色濃くなっている(サンダーボルトの南洋同盟とか、UCのキリストモチーフとか)。キャラの思想にも影響しそうで楽しみ。オタクは宗教モチーフが好きだから。
あとコモリ少尉がエリートとかいう割りに口から出る言葉悪そうで可愛いね。
ユズリハについて
ただ、見終わってから主人公の名前に含まれる「ユズリハ」って、「花言葉なんだっけ?」と思って調べたら「世代交代」「若返り」らしい。主人公、シャアの生まれ変わり説あります。 髪も赤いし(理由が薄すぎる)。
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これは思想だけど、花言葉みたいな人間が作った商業的な付加要素はあまり好きじゃない。ただ、モチーフとしては扱いやすいし、創作を観る上では考察材料になり得るよね。
ユズリハが以前はEuphorbiaceae(トウダイグサ科)に分類されていたのも、花や育ち方を見るとなんとなく納得。男も好きなタイプの植物だと思う。
元分類のトウダイグサ科の花言葉も調べたけど、分布が広すぎるし種類も多すぎるので追うのはやめた。でも、日本に分布するE. helioscopia(ナツトウダイ)が「明るく照らして」だから、関連があるか考えを巡らしてしまう。
コロニー内の名称や建造物に神社があること、主人公の「アマテ」から安直に連想すると天照大神で、日系の文化圏が強いっぽいし、次に観るときはモチーフや宗教観に注目するのも楽しめそう。愛媛みかん。
総括
観る前は「また主人公は女コンビっぽいし、ガイナとかカラーっぽい構図をやったらガノタのジジイが発狂して文句タラタラになるでしょw宇宙世紀?っぽいけど新しい人置いてけぼりになっちゃうんじゃないのw」ぐらいに思っていた。
でも、それを吹き飛ばすぐらい魅力的な現代的なキャラクター造形や映像、これでもかってぐらい押し寄せてくる今を時めくアーティストの楽曲、そして画面から目を離せなくなる話の構造。
良かった点はここに挙げきれないぐらい、良い映像作品を観れたと思う。
…てか90分とか嘘だよね? あの映像、3時間くらいあったよね?
最後に、コモリ少尉、流石に萌えすぎる。声もセリフ回しも萌えすぎる。
早くあのメロいおじさんに振り回されてくれ。
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