ネタ帳いろいろ

では物語ってみよう(1.ネタ帳)

(2024年8月追記)
こちらはわりと古い記事になっており、現在の私のプロットの作り方はもっと簡易的になっていますが、これから物語を創ろうという方には参考になるかもしれません。なるといいなあ。
今まで続きのリンクを貼っていなかったので、追加しておきました。
(追記おわり)

 今まで、私や、私と似たタイプの方にとって、いかに物語世界か必要かつ有益であるかという話をしていたわけですが、そろそろ具体的な話にシフトしていこうと思います。物語(作品)のつくり方について。実践編です。

 ここからは、基本的に物語を他者に向けて発信したい、と考えているかた向きの話になってきます。同人誌でも、pixivでも、とにかく自分で物語を書いている人向け。または「できればそれで食べていきたい」というかたがいらっしゃれば、なかなかしょっぱいプロの世界の話もしていきたいと思うので、その旨コメントに書いてね(笑)
 また、自分は読むだけだけれども、お話がどう作られていくのか興味がある読者様もどうぞよろしくお付き合いください。そして私は基本、私のやり方の話しかできないので、別の方法論をお持ちの方はぜひお聞かせくださると嬉しいです。私もいつも新しい方法を模索しております。


 時々、「どんな時にお話を思いつくのですか?」という質問をいただくのですが、基本起きてる間は常に妄想しているので、ありとあらゆる時にお話は思いつくのです。もちろんまだ物語と呼べるようなものではなく、断片的な、いってみればパズルのピースのような状態でポコリポコリと浮かんでくる。「なんとなく、こんなのいいなァ」というパズルのピースが頭の中にたくさん散らばっている……そういう状況は、創作に興味がある方でしたら、体験ずみかと思います。
 問題はそのパズルのピースをどのように集めてどのような形に完成させるのか、ですね。

 まずはとにかく書き出してしまいましょう。
 今さっき思い浮かんだすてきなアイデアも、数分後には忘れてしまうかもしれません。アイディア帳的なノートを一冊決めて、そこにバンバン書きこんでいきます。汚い字でいいです。自分に読めればいいです。しばらくすると自分に読めなくなることもしばしばですが、それはそれでいいです。よくないか。まあ、書かないよりいいのです。運がよければ、あとで思い出せます。
 こういったノートをしばしばネタ帳と呼びます。私も使っています。

 ……見ますか?
 恥を忍んでお見せしましょう……ええと、妖琦庵の時ですね。漢字使ってないとか、漢字違ってるとかそういうのは、生暖かく微笑んでスルーしてください。いやホント。恥ずかしいから。ホントに。

 こんな感じですね。
 ……「阻止」って字が、書けてないね私(涙)

 これでも、わりときれいに書いてるページを選びました。一応読める。漢字は間違っていても、なんとなく意味はわかる。
 こちらはすでにシリーズになっている作品なので、ネタ出しといっても、ややプロットに近い感じになっています。まったく新しい作品で、キャラクターもなにも決まっていないと、もっと漫然とした感じになります。
 漫然としていていいのです。ぼやーんとしたイメージで、いいのです。とにかく出すことが大事。

 のっけからすてきな物語や、すてきな文章を求めていると、なかなか先に進みません。何の準備もなく、いきなりすてきな物語をかける人は、すでにこんなコラムを読む必要はない(笑) 多くの人は、ちまちまとこのような準備から始めるのです。
 私の周りの作家さんたちは、やっぱりみんなネタ帳を持っています。プロだってそうなのです。というか、プロだからこそ、そうなのです。寝る寸前や起きた途端になにかいいことが思いつくかもしれないと、枕元にネタ帳を置いてる人も珍しくありません。

 ネタの語源はタネ、つまり『種』です。
 種がなくてはなにも生まれません。そして「こんなこと書いといても、しょうがないかな」という程度の種が、すくすくとよい樹に育つ場合も、ままあります。ひとつの種はわりとありがちだったり、逆に突拍子もなくて使えないと思っていても、別の種と一緒にするとあら不思議……素晴らしい森になったりします。
 とにかく種を大事にしましょう。そして自分の記憶力を過信しないことです。忘れます。いろいろ忘れます。時につらい人生に忘却は必要ですが、物語のネタは忘れないように、書いておきましょう。

 ちなみにネタ帳は小型のノートがおすすめです。 A5判くらい。かばんの中に入りやすく、かつ存在感があるからです。小さすぎると、存在を忘れてしまう。外出するときはいつもネタ帳と一緒。携帯を忘れるより、ネタ帳忘れる方が不安になる……そんなふうになったら、ネタはどんどんたまっていきます。あ、筆記用具を一緒に入れるの忘れないでください。ただし消しゴムはいりません。そんなに丁寧にきれいに書かなくていいからです。スマホなどにメモるという方法もありますが、私は手で書くことをおすすめします。同じ言葉やアイデアでも活字にしてしまうと、なんというか、感触が変わってしまうような……あとは、簡単な図やフローチャートも書けますし。また、気の向いた時にパラパラと捲れるのも利点です。過去に出したネタが、あとから使えるというのも、またよくあることなのです。

 そんな感じでネタが溜まってきたら、次はいよいよプロットに進むことになります。
 つづきはこちら!
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