パッとしない子
怖。が第一の感想。ホラーとかじゃない、でももしかしたらそれ以上に、怖い。
Kindle Unlimitedだし、短いので、未読の方はぜひ。教師と教え子の関係をスリリングに描いた本、とのことだけど、本当にゾクゾクする。
そして、読み終わったら、Amazonレビューを読むのもこの本の楽しさ。え!そんな視点なの!?え!そこだけ?他には?え!偏ってない!?…てつい思ってしまう自分の偏狭さにも、気づけます。私だって偏ってるのにね。
それを味わいたい人は、ここから先は、読んでから。
私が読みながら何度も考えたのは、
…私も自分が全然知らないところで、誰かにめちゃくちゃ恨まれている可能性って、あるのでは?…
ということ。
自分にとっては、悪意のない行動、何気ない言動が、誰かの解釈ではそれは許し難いものとして記憶されえる、ということ。その恨みが自分に急に直接向けられたときの恐怖。
反対に、自分が憎んできた人が、それを向けられても、全く悪いこととして理解しない、ぶつけても、伝わらないときのやるせなさ。
どちらが真実なのかは、それぞれの解釈の違いであって、見ているもの、大切にしているもの、今の状況によって変わる。教師と生徒、どっちの気持ちも分かる。どっちの面も私にはある。でも、だからこうはならない、とは言えない。この本でAmazonレビューで私と全然違う感想を持ってる人は、まさにこんな風にすれ違い、私のことを恨んでるのかも、と思ってしまったりした。