母の日が嫌いだ。
母の日が嫌いだ。
父の日も、敬老の日も、ひな祭りも嫌いだ。
家族に関係するイベントがことごとく嫌いだ。
テレビで母の日特集があるたびに、
「お母さんに日頃の感謝を伝えたい。」
という健全な気持ちになれない自分が、異常な人間であるかのように、責められているように感じる。
別に母が嫌いな訳では無い。幼少期精神を病んでしまい精神科に通っていた時も、毎回付き添ってくれていた。他の子供より手のかかることも多かったと思う。
ただ、
「産まれてこなければこんな苦しい思いをしなくて済んだのに。」
という気持ちが根底にあるので、私を産むという選択をした母に対して、どこか恨めしい気持ちがあるのも事実だ。父親はアルコール依存症で、絶対幸せな家庭にならないことは確定なのに。
現在母は持病が悪化し、1人では生活できない身体になってしまった。私と2人暮らしだ。いつまで親という呪縛に縛られて生きていかなければならないのだろう。
「お母さんいつもありがとう。産んでくれてありがとう。」
この台詞を私が母に伝える日はもう二度とないのかもしれない。