#19「 びよっ」(ひーくんとなっちゃんのお話②)
これは、光(ひかる・ひーくん)と成美(なりみ・なっちゃん)のお話です。副題的なとこに迂闊にも②とか書いてしまいましたが、このお話が次に続くかこれでおしまいになるかは神のみぞ知る、です。
作中の( )の中はキートン山田さんでお願いします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ひーくんはウソをつくときとエッチなことを考えてるとき、 ”びよっ” と鼻の下がほんの少し伸びる。
(どんな鼻の下だ?)
わたしのチョコレートを勝手に食べたくせに、
「え?チョコレート?食べてないよ!」
びよっ。
新しく買ったおパンチュを見せて、「これ可愛くない?」って訊いたら、
びよっ。
雑誌のグラビアを穴が空くほど見てるから、「わたしよりその子の方がスタイルいいもんね」って言ったら、
「そんなことないよ、なっちゃんが一番!」
びよっ。
これはダブルミーティング・・・違う。
ま、む、め、ダブルモーニング!・・・やっぱ違う・・・ま、いいか。
(成美、惜しいぞ。”ミーニング”だ)
ちょっとしたことで喧嘩をした。
わたしが悪いんだけど、ひーくんは怒るとしつこいから逆ギレしてやった。
「そんなに怒るなんて、わたしのこと好きじゃないんでしょ?」
「ああ、ワガママななっちゃんなんて大嫌いさ!」
・・・びよっ。
「わかった、わたし出ていくから!」
「勝手にすれば!」
・・・びよっ・・・。
「ホントに出ていくからね?」
「い、いいよ。出ていけば・・・」
び・・・
「する?」
びよっ!
(はいはい・・・)
< 了 >