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新たなる旅立ち‼︎そして「2205」の日々

「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」のお話をいただいたのは2020年もだいぶ経過した頃、友人にも会えない、ひとりで映画館へ行くこともためらわれるような時期で。「2202」のTV放送終了間際の発表から一年足らずで、大きく変わってしまった世の中で日々戸惑うなか、いただいたお話でした。

ご連絡をくださったかたによれば、制作は進んでいるものの、設定をつくる人手が足りていない状況に、結城さんから名前を挙げていただいたとのことで。久しぶりにあのひとに連絡を取ろうかな、でも、この事態に対する考えかたも違うかもしれないしどうしようかな…と迷うことばかりだった当時だからこそ余計に、次元の壁さえも超えるという縁の力と、感謝の気持ちをつよく感じたものでした。

「ヤマト」ではある、けれど、これまではご縁のなかった制作スタジオで、そこにいるのは初めて会うかたばかりで。そ、そのスケジュールはまさにSOS地球!ですね!…なんて気軽に言っていいかどうかもわからない緊張感のなか、ではありましたが、初めての座組みでお仕事をするときはいつもそうしてきたように、提出する画稿に想いを込めて、仕事を通じて少しずつ対話を重ねてゆきました。いつもと少し違うところでは、このタイトルでこの用途のものをデザインするならばこうなのでは?というプレゼンも込めていた、というのもあります。そのぐらい、参加した時点では固まっていない部分が多かったのです。

小道具類ではない、この規模のガミラス世界のデザインなんてできるの?という感じの不安はずっとありました。けれど、それ以上に、次があるかなんてわからない世の中で、何かに遠慮して、気持ちを引っ込めるのはもうたくさんだという思いもずっとあって。きっとあの時期だったから思いきれたことや、出来た仕事が「2205」には多くあります。

すごいひとたちをまぶしく見上げながら無邪気に歩いてゆく、青春時代のようだった「2199」の航海とも違う、「2199」での青春の幻影を探し続けてあがいていた、けれど結局はそれこそが青春だった「2202」の航海とも違う。「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」の航海は、ふりかえってみれば、2020年という未来の見えない日々のなか、まだ見ぬ映像に向かって、慌てふためきながら急いで正確に、ひとつひとつ、目の前の道を切り拓いてゆくような、それまでの航海とは違う、どこまでも青くさくて泥くさい…つまり、やっぱり青春そのもの、みたいな時間でした。

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