枝松聖

アニメの絵をつくる仕事をしています。https://foliage-a.com

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マガジン

  • 枝葉の話

    日々の時間をちょっとだけ彩る、ささやかな、枝葉のような話。

  • ヤマト2205の「中」の話

    「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」についての『note』です。担当した作業の話や「中の人」からみた作品のあれこれの話。

  • ヤマト2199の「中」の話

    「宇宙戦艦ヤマト2199」の『note』です。制作中の裏ばなしや、メイキングの話をお届けしています。全文無料です。

  • ココだけの話

    アニメのことや仕事のこと、日々のあれやこれやをつづった『note』だけのフリーコラムです。全文無料で読めます。

  • 裏表リバデイズ

    裏と表。どちらの顔もほんとうで、どちらの顔にもウソはあったりなかったり。そんなリバーシブルで自由な日々のお話。

最近の記事

「ヤマトよ永遠に REBEL3199」と永遠にも似た抵抗(REBEL)の日々

「ヤマトよ永遠に REBEL3199」に参加させていただいております。「2199」「2202」「2205」に続いての乗艦になります。よろしくお願いいたします! すこし前「ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略」関係者試写会に行ってきたのですが、作品を届けるお仕事をされているかたがたからは、6月12日の完成披露舞台挨拶が終わるまでは、参加していることや映像の内容はもちろん、試写会が行われたことすら、お口にチャックをしてくださいと言われていました。これまでのシリー

    • 新たなる旅立ち‼︎そして「2205」の日々

      「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」のお話をいただいたのは2020年もだいぶ経過した頃、友人にも会えない、ひとりで映画館へ行くこともためらわれるような時期で。「2202」のTV放送終了間際の発表から一年足らずで、大きく変わってしまった世の中で日々戸惑うなか、いただいたお話でした。 ご連絡をくださったかたによれば、制作は進んでいるものの、設定をつくる人手が足りていない状況に、結城さんから名前を挙げていただいたとのことで。久しぶりにあのひとに連絡を取ろうかな、でも、この事

      • 宇宙にやはり必要だったもの。2024年の「2202」の話

        「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」での最後の作業は、最終話のエンディングで、島が握る主操縦桿の作画でした。デザイン、メカニック作画監督、デザインも含めた作画…と、いくつかの項目での、迷いも試行錯誤もあった航海の最後に届いた原画の中の島は、とても晴れやかな顔をしていて。この主操縦桿が握られる日がそう遠くない未来であるように。そんな祈りを込めて作業をしたのをおぼえています。 BS11とTOKYO MXで「2202」の第一話と第四話が放送されていたこの2週間は、X?ツイッタ

        • 12年目の第三艦橋

          「宇宙戦艦ヤマト2199」第2話では、古代が見上げる第三艦橋の搭乗口の作画のお手伝いをしています。特設ドッグのヤマトは地上のヤマトに合わせて全体が傾いているが、タラップが変形することで足場が水平になり、クルーたちもストレスなく乗艦できている…と、一枚の絵が多くの情報を伝えています。 すこし前の艦底部を映したいくつかのカットではその一部でしかなかった第三艦橋にも、こんなにも多くのディテールが、機能があることを、ドラマの流れを止めることなく、風景の中でさりげなく、それでいて饒舌

        「ヤマトよ永遠に REBEL3199」と永遠にも似た抵抗(REBEL)の日々

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        • 僕と先輩の100%のアニメnote
          12本

        記事

          10月にアニメの仕事の個展、やります。

          10月11日(水)〜15日(日)に、池袋の「ギャラリー上り屋敷」にて、アニメの仕事の個展をやります。「-3-」というナンバリングのとおり、2015年、2020年に開催してきました個展に続く第3弾になります。 展示するのは、美術設定やプロップデザインなどの設定画。それから、レイアウト、レイアウト修正などの本編作業での素材も展示します。作品タイトルとしては「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「不徳のギルド」など、近年のものが中心になります。

          10月にアニメの仕事の個展、やります。

          「地球へ…」Blu-ray Disc BOXをみました。

          TVアニメ「地球へ…」を最終回までみました。この春にでたBlu-ray Disc BOXを字幕モードでみてきたのですが、心に残る言葉が多い作品であることを、あらためて実感しました。また、言葉を文字情報として提示されてみると、どういう表情で、どこへ視線を向けてそれを伝えようとしているのかなど、演出意図がより伝わる感じもあって。とくに、落ち着いた画づくりの多いステーション E-1077でのドラマは、そのぶん言葉の力が大きく、これまで以上に沁みるものがありました。 そして出渕さん

          「地球へ…」Blu-ray Disc BOXをみました。

          「君たちはどう生きるか」、みてきました。

          「君たちはどう生きるか」、みてきました。すごかったです。頭の中から、野放図なまでに新しいビジュアル、新しいキャラクター造形が生み出され、そのイメージが、肉体の重さを感じさせる芝居もあれば、少年にも、いくつかの年齢層の女性たちそれぞれにも、おそらくは絵でしか表現できない種類の色香のある作画で具現化されてゆく奇跡、そして、万華鏡のようなまばゆい映像の向こうに横たわり続けるほの暗い闇と。 予告も事前情報もない、作品をみたあとのガイドになるパンフレットもなければ、雑誌やネットの特集

          「君たちはどう生きるか」、みてきました。

          IDOLiSH7「THE POLiCY」のお仕事の話

          IDOLiSH7「THE POLiCY」MVに参加させていただいております。中盤に登場しますイルミネーションのデザインを担当しています。7人のキラキラした姿もリラックスした姿も楽しめる魅力的な映像になっております。よろしくお願いいたします。 手を振っていたり、飛び跳ねていたり、踊っていたり。イルミネーションの7人は「あなたに会えて嬉しい!」という気持ちをそれぞれが全身で表現している、というテーマでポーズを考えてみています。 作業に取り掛かる前にいただいた情報は、路面電車が

          IDOLiSH7「THE POLiCY」のお仕事の話

          「SFマガジン」10月号と50年の歴史のカケラ

          「SFマガジン」2022年10月号、スタジオぬえ創立50周年記念特集号が届きました。絢爛豪華にオールスター大集合な表紙イラストが素晴らしいのですが、その印象とはあるイミ真逆に、ものすごく硬派なトーンで、スタジオぬえのなりたちや日本のSF世界に提示してきたものをひも解く特集になっていて。 バズっているから買ってみた。って感じの若いかたがたは序文からMAXぶっちぎりなテンションの語りにびっくりしちゃうであろう、なんというか、すごい知識のかたがたが、字数制限を超えた言葉で世界を突

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          「新たなる旅立ち -全記録集- 」 に記録されていないもの

          「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち -全記録集- COMPLETE WORKS」が発売中です。設定資料集をはじめ、ストーリーダイジェスト、文芸資料から対談まで盛りだくさんの一冊です。担当させていただきました設定画もいくつか掲載していただいています。 そのうちのひとつ、コスモパイソンのコクピットの設定画は、玉盛さんのコンセプトイメージをもとに「2205」的なデザインラインを模索しつつ盛り込みながら作業、パーツのバランスなど、玉盛さんからの監修もいただきながら仕上げていっ

          「新たなる旅立ち -全記録集- 」 に記録されていないもの

          「ヤマトマガジン」14号での「話」の話

          ヤマトクループレミアム会報誌「ヤマトマガジン」14号にインタビュー記事を掲載していただいています。「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」で担当しましたデザインや作画、「ヤマト」シリーズへの思い、仕事へのスタンスなど、ゆるゆると話をさせていただいております。 総括せよ!『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』ークリエイターは証言するー…と、たいへん仰々しいくくりではあるのですが、聞き手のかたが、ふだんの活動をよく知ってくださっていて、とても話がしやすかったです。事前の質

          「ヤマトマガジン」14号での「話」の話

          劇場版「輪るピングドラム」の激しくてやさしい映画体験

          「劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略」をみてきました。2011年放送のTVシリーズ「輪るピングドラム」全24話を、新作を加えつつ前後編の映像として再構成した映画の1本目。 あぁ放送当時は毎週、本編を観たあとに感想をツイートしていたな、そうか、もう10年…なんて、上映中はノスタルジックな気分に浸ることになるだろうなという想定で劇場に足を運んでみたのですが、とんでもない。 幾原邦彦さん監督作、きらきらした、それでいて芯の

          劇場版「輪るピングドラム」の激しくてやさしい映画体験

          桂正和展のきわどい露出度

          「40th Anniversary  桂正和~キャラクターデザインの世界展~」に行ってきました。桂正和さんというと、十代前半ごろにみていた「電影少女」の連載が印象深くて。とんでもない画力で描かれる、リアルでエッチな女体の質感表現、というよりは、あのクオリティの漫画、扉絵が毎週生み出され続けていることが、絵を描き始めた頃の自分には胸囲、じゃなくって、脅威でした。 今回の展覧会はタイトル通り、キャラクターデザイナー、ビジュアリストとしての桂正和先生にフォーカスした構成、というこ

          桂正和展のきわどい露出度

          「島耕作」との近くて遠い「交際」

          キャリア史上最大のバタバタ感をまたもや更新してしまっている今日この頃、「取締役 島耕作」を再読しています。取締役になった島が、九州で、そして、日本を離れ中国で奮闘してゆくお話。 40代のはじめ、「課長」から最新作まで一気読みした頃は、女性関係がずいぶん控えめになったな。島、いっつも会議やってるな、ぐらいに思っていたものですが、いまはこのシリーズをとてもおもしろく感じます。ヘルプで途中参加的な仕事が多かった当時とは、会議や打ち合わせの時間の意味合いがだいぶ変わってきたし、女性

          「島耕作」との近くて遠い「交際」

          「新たなる旅立ち」後章TAKE OFFです

          「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-」が2月4日より劇場にて上映中です。前章に引き続き、プロップデザイン、セットデザイン、メカ作画監督を担当させていただいています。たいへん熱いフィルムになっております。どうぞよろしくお願いいたします。 まずは2月4日という日取りのまま、上映が開始されましたことを嬉しく思いますし、世界的に大変な状況下で、それでも上映にGOサインを出してくださった製作委員会のかたがたには感謝の思いしかありません。とはいえ、という状況

          「新たなる旅立ち」後章TAKE OFFです

          「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」後章関係者試写会へ

          あ、メガネの調整に行かなくちゃ。「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」後章の関係者試写会のあった日、会場へ向かう前に、お店で早めの夜ごはんを食べながらそんなことを思いました。 仕事のあとと試写会の前のはざまの時間、とても美味しいとんかつを味わいたいのに、急いで食べているせいなのか、南部など、アニメに出てくるメガネ男子みたくメガネをクイッとする仕草をやたらとしてしまって。そういえばいつ以来、ブリッジ部分の調整をしていないのだろう。少なくとも後章の作業中は、そんなゆとりはな

          「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」後章関係者試写会へ