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教員働き方改革② ノート即時評価返却術


こんにちは。小学校教員のファニチャーです。

教員の働き方改革②ということで、今回はノート点検術についてお伝えしたいと思います。

教員働き方改革①はこちら。

さて、みなさんはノートをどのように集めて、チェックして、返却していますか?
集める頻度はどのくらいですか?

この記事では
・ノート点検を短時間で行う。
・評価も素早く行う。
・子どもたちの力も伸びる。

ノート点検術についてお伝えいたします。

『そんな夢の方法あるの?』と思いたくなりますよね。
ぜひ、最後まで読んでいってください。


教員のノート点検術①必要なアイテム

この方法には必要なアイテムが2つあります。

それは、

1.付箋
2.何種類かのスタンプ

左から
すばらしいがA
おみごとがB
そのちょうしがC
もうすこしがD
授業開きで成長のために評価をすることを話します。

です。
A評価の子には『すばらしいスタンプ』の他に、付箋を貼ります。

付箋があるとA評価の子が可視化されます。
みんな付箋欲しさに頑張りますし、学び合いも自然発生します。



なんとペンは必須ではありません。
どのように使うのかを見ていきましょう。


教員のノート点検術②やり方

それでは、具体的なやり方をお伝えします。

1.見たい場所のページを開いてもらって提出しにきてもらう。
2.評価したい、見たい箇所を読む。
3.A.B.C.Dの4段階評価スタンプを使って押していく。A評価の場合は付箋も貼る。
4.その場でコメントを言いながら返す。
5.提出する子が列を作るようなら、一旦提出してもらう。
6.返却BOXに入れて、暇な人に配ってもらう。

以上です。


教員のノート点検術③重視するポイントその1

さて、具体的に見ていきましょう。
まず、『1.見たい場所のページを開いてもらって提出しにきてもらう。』
ですが、これは当たり前ですよね。

しかし、意外とノートを閉じて提出させる先生も多いです。
そして、子どもも提出する時にノートのページや向きを意識していない子も結構います。

ページを探したり、向きを直すだけでも30人もいればかなりのタイムロスになります。

4月のうちに徹底しておくと、後が楽です。

次に『2.評価したい、見たい箇所を読む。』です。
ここでポイントです。

ノートを集める目的は何かを明確にすべきです。


ノートを集める目的とは?

私はノートを集める目的は大きく分けて3つあると思っています。

1.ちゃんとノートが取れているのかを見たい。
2.どんな意見が出ているのか知りたい。
3.評価をしたい。

今回の記事では、3の『評価をするノート点検』をイメージして書いています。
1と2の場合は、そもそも4段階のスタンプは使用せず、『見ました』スタンプしか押しません。

これなら内容を吟味する必要がないので、1人5秒程度で終わります。

ノートの集める目的によって、教員のやることも費やす時間も変わるのです。

毎回評価を取るノート点検は子どもも大人もきついですよね。

ただ、ノートを学期末に焦って集める先生がいますが、それは誰のためのノート点検でしょうか?

評価は子どもたちの成長のためにあるはずなのに、先生の評価のためのノート点検になっていませんか?

定期的に集めるのはとても大事なことです。
だからこそ、時短なのです。

特に4月当初は毎回集めた方がいいです。

『この先生はノートをよく見る先生だ』

そう思ってもらうのは、これからのノートの書く量にも影響します。適度な負荷は必要です。

『1.ちゃんとノートが取れているのかを見たい。』のノート点検は、クラス全員やっても5分程度で終わりますから、軌道に乗るまでは是非毎回集めてください。

ノートをちゃんと書いてあると、保護者の方も安心しますしね。

では、今回の想定である『評価のためのノート点検』の話に戻ります。


教員のノート点検術④重視するポイントその2

さて、上記にあげた具体的なやり方の

『2.評価したい、見たい箇所を読む。』
『3.A.B.C.Dの4段階評価スタンプを使って押していく。』

で重視するポイントです。それは、

授業前に評価規準を明確に決めておく。

ということです。

どんな記述があればAか。
CやD評価ってどんなものか。などです。

えっ、当たり前だって?
まあ、そうなんですけど、研究授業以外で毎回意識している人ってあまりいないような気がしています。

具体的な事例を4年社会科『わたしたちの県』の単元でご紹介します。
ちょっと難しくなりますが、ここ大事なところです笑


ノート点検の具体的な事例

この単元では神奈川県三浦市を取り扱いました。

写真は教材づくりのために、三浦朝市に行った時に食べた海鮮丼(高かったけど美味かった…)と看板の写真ですね。

市場を見ながら海鮮丼を。オツなものです…
日曜日朝6時から…
働き方改革といいつつ休日早朝に教材作りかーい笑
まあ、趣味みたいなものです。

単元目標は、

「県内の特色ある地域(三浦市)の様子について、位置や自然環境、人々の活動や産業の歴史的背景、人々の協力関係などに着目し、地図帳や各種資料で調べたり白地図などにまとめたりして、地域の様子を捉え、それらの特色を考え、表現することを通して、三浦市では、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究し、解決しようとする態度を養う。」

です。

単元目標を達成するために、単元全体で解決すべき学習問題を1時間目に立てました。
単元全体の学習問題は、
「三浦市にはどのような特色があるのだろう?」
にしました。
子ども達は今までに、川崎市や横浜市、平塚市や小田原市、箱根町など、県の特色あるまちとして今回の三浦市の他に学習してきました。
今までの学習してきた神奈川県内のまちと比較することで、特色を考えられるようにしたんですね。

今回お見せするノートですが、書いた時間は単元最後の時間です。
単元全体の学習問題に対して、単元で学習してきたことをつなげて、自分の言葉で表現していく授業です。
観点でいうと思考力、判断力、表現力等ですね。

まとめとふり返りの二つを、それぞれABCDで評価していきました。

まとめについて、単元目標を元に、A評価は、以下のように規準を定めました。

1、三浦の地理的視点(場所・気候など)に触れている。

2,三浦市の名産である魚や大根をとる人達の工夫に触れている。

3,取る人だけではなく、魚や大根を売る人や運ぶ人の視点にも立って、多角的にまとめを書いている。

B評価はこの3つのうち、不足が1つある場合や、文章につながりが見られない場合につけます。CやDも触れている規準の数や、文章のつながりで評価しました。
また、振り返りも同様に「今までの学習とつなげている」「ほかの児童の考えとつなげている」「自らの体験や生活とつなげている」などの規準でABCDを付けました。

それでは、A評価のノートをご覧いただきましょう! 

このノートのすごいところは、一度提出しに来て、もう一度足りない部分を付け足して再提出したところです。
一度提出に来たのですが、私に
『このままだとBだけど、どうする?』
と言われたわけです笑

すると、
『もう少し考えてみます!』
と言って書いてきたのがこのノートです。
一度赤線で囲った跡がありますよね。
そこから自分のまとめを見返して、足りないものを付け足して、無事A評価になったんですね。

これは即時評価だからこそ、できることです。
ノートに書く早さの違いを利用して、授業時間内に、できる限り多くの子のノートにコメントを言いながらスタンプを押していきます。

こんなやりとりを授業中にできてしまう、それがこのノート点検術の素晴らしさだと思います。


教員ノート点検術⑤ 成果まとめ

・規準が明確で、即時返却のため、児童がやる気になる。

・その場で確認できるので、もっと上の評価にしたい子は、さらに付け加えることができる。

・A評価のノートに付箋を付けて返却することで、自然と学び合いが生まれたり、児童の意欲が上がったりする。

・他教科でも同じような評価方法にすることで、どんな教科でもノートを書ける児童が増えた。

国語の感想を書く授業
よい宿題の取り組みにも付箋。
これは『けテぶれ』
評価対象ではないので付箋のみ!


・自分の現在地がわかるので、成長が目に見える。

・ノートの定期的な確認と教員の時短が両立することができた。
→私は放課後ノートを見ることはほとんどありません。
宿題チェックや体温チェック、音読チェックも含めても、1日で3教科✖️35人程度のノートであれば、子ども達を帰すまでに、だいたい返却できます。
なんならテストの丸付けも子ども達がいる間にだいたい終わります。
その辺はまた別の記事で。


最後に

いかがでしたでしょうか?
今回のノート点検術は、一授業の評価だけでなく、通知表の成績評価にも有効です。

小学校は3段階評価だとは思いますが、ほとんどの子はBなのではないでしょうか?

AとBの境目に困ることが多いですが、そんな時、この付箋の数を見れば一目瞭然なのです!!

我々教員の仕事は確かに多忙です。
そして、システム的に改善すべきことが多いのも事実です。

しかし、愚痴を言っても始まりません。
→時には大事ですよ笑

教員は意外と裁量の幅が大きくあります。
その裁量の中で効率よく、子ども達のためになることをしていきたいですね!!


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