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株式投資とどう違う? イークラウド型新株予約権に関する疑問をQ&Aで解説

「新株予約権って株式投資と何が違うの?」「イークラウドで新株予約権の案件が出てるけど、よくわからない……」「正直、株式で募集してくれたほうが嬉しいんだけど……」

そんな疑問や気持ちをお持ちの個人投資家の皆さまへ。

このQ&Aでは、イークラウドが新たに取扱いを開始した「イークラウド型新株予約権」について、皆さまの疑問にお答えします。

より詳しい解説は▼こちら▼


Q1. 新株予約権ってそもそも何ですか?

A. 一言で言うと、「将来、決められた条件で会社の株式を取得できる権利」です。

「権利」なので、取得してもすぐには株主にはなりません。将来、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収)などの条件を満たした時に、新株予約権を行使して株式を取得します。

Q2. なんでイークラウドは新株予約権を導入したの?

A. 投資家とスタートアップ、双方にとってメリットが考えられる仕組みだからです。

投資家のメリット:

  • ディスカウント
    イークラウド型新株予約権では、将来の適格資金調達(株式発行による1億円以上の資金調達)時の株価よりも20%安く取得できる設計としています。ただし、評価額上限を用いて算出された転換価額と比較して、より安いほうの価格となります(Q4参照)。

  • 評価額上限
    企業価値評価額に上限(キャップ)が設けられているため、転換価額が高くなりすぎて取得する株式数が極端に少なくなるリスクを抑制する効果が期待されます。

スタートアップのメリット:

  • 株主数が増えないため経営の機動性を維持できる

  • 現時点での企業価値評価(バリュエーション)を決めずに資金調達できる
    特に、事業が急成長していたり、他の資金調達(融資やVCからの出資など)を並行して進めていたりする場合、企業価値は日々変動します。 新株予約権であれば、発行時点でのバリュエーションを無理に確定させることなく、資金調達を進められます。

Q3. 株式投資と比べて、デメリットは?

A. 以下の点にご注意ください。

  • 議決権がない
    株式を取得するまでは、株主ではないため、株主総会に参加できません。したがって、議決権を行使することはできません。ただし、株式投資型クラウドファンディングの場合、定期的なIR(投資家向け情報)が提供されることになっていますので、それで事業の進捗状況を確認できます。

  • エンジェル税制の対象外
    原則として、エンジェル税制の対象外です。
    ※新株予約権を行使して株式を取得した時点でエンジェル税制の要件を満たして適用となる場合には、行使価額だけでなく、新株予約権の取得額を含めて税制優遇の対象となります。

Q4. 転換価額って何?どうやって決まるの?

A. 取得する株式数を算出する際に用いられる価格のことです。

  • 適格資金調達が行われた場合、以下の2つのうち、低いほうの価格が転換価額になります。
    1. 適格資金調達時の株価を20%ディスカウントした価格
    2. 評価額上限を適格資金調達時直前の完全希釈化後株式数(適格資金調達直前の発行済株式の総数と将来的に株式になる可能性のある株数の合計を普通株式に換算した株数)で割った価格

  • 適格資金調達が行われなかった場合
    評価額上限を、上場申請決議、M&A決議、または権利行使期間最終日の時点直前での完全希釈化後株式数で割った価格(1円未満の端数は切り上げ)が転換価額になります。

Q5. 評価額上限って何?

A. 新株予約権を行使して株式を取得する際の、企業価値評価額の上限のことです。

なぜ上限があるの?

  • 投資家保護のため
    転換価額が高くなりすぎて、取得できる株式数が極端に少なくなるのを抑制します。

  • どうやって決まるの?
    イークラウドが、発行者の実績、事業計画、財務状況などを総合的に評価し、成長の可能性やリスクを慎重に考慮した上で、公正性、妥当性に配慮し、発行者と協議のうえ設定します。

  • 注意点
    評価額上限は、新株予約権発行時点での企業価値評価額ではありません。 あくまで、将来、株式数を算出する際に用いられる企業価値評価額の"上限"です。

Q6. じゃあ、新株予約権発行時点での企業価値はどう考えればいいの?

A. スタートアップの事業計画や市場環境、競合の状況などを総合的に判断して、ご自身で評価する必要があります。

前回の資金調達時のバリュエーションも参考になる場合があります。イークラウドでは、案件ごとに詳細な情報を提供していますので、それを参考にご自身で評価して判断することになります。

Q7. 権利行使って面倒?

A. いいえ、イークラウド型新株予約権は、権利行使の手続きが申込時に手当されています。

  • 通常の新株予約権
    権利行使期間内に、投資家自身で権利行使の手続きを行い、行使価額を払い込む必要があります。

  • イークラウド型新株予約権
    1. お申込み時に「新株予約権行使請求書」を提出
    2. 行使価額(1個あたり1円)も支払い済み
    3. 将来、新株予約権を行使する手続きは申込時に手当されており、新株予約権の失効のリスクを低減しています。

Q8. 投資したらどうなるの?(投資後のシナリオ)

A. 以下の5つのシナリオが考えられます。

  1. IPO(新規株式公開)
    発行会社における上場申請決議時に転換価額が算出され株式を取得しますので、証券取引所で売却することになります。ただし、ロックアップ期間では売却できない場合があります。

  2. M&A(企業買収)
    発行会社におけるM&A決議時に転換価額が算出され、M&Aの買い手企業に取得した株式を譲渡し、金銭を受領します。

  3. 解散
    発行会社における解散決議時に転換価額が算出され株式を取得し、持株比率に応じて発行会社から残余財産の分配を受けます(分配額が少額、または分配されないこともあります)。

  4. 存続
    IPOやM&Aに至らず権利行使期間最終日を迎えた場合、転換価額が算出され株式を取得し株主となります。

  5. 破産
    発行会社が破産した場合、新株予約権や取得した株式の価値は消滅し、投資額の全部が損失となります。

まとめ

イークラウド型新株予約権は、スタートアップの成長に着目し、将来的にリターンを得られる可能性のある投資の一形態です。 従来の株式投資とは異なり、投資時点では取得する株式数や取得株価は確定しません。

メリットとしては、将来の株価上昇によるリターンの可能性や、転換価額を算出する際における、適格資金調達時の株価に対するディスカウントおよび評価額上限といった仕組みがあること、権利行使の手続きが手当されていることなどがあげられます。

一方で、株式を取得するまでは議決権がないこと、原則エンジェル税制の対象外であること、譲渡制限が付されているため自由に売買できないこと、価格変動リスクや倒産リスクなど元本毀損の可能性があることなど、デメリットやリスクも存在します。

これらのことをしっかりと確認し、ご自身のリスク許容度に応じて、投資判断を行うようにしてください。本Q&Aが、イークラウド型新株予約権へのご理解を深める一助となれば幸いです。

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