見出し画像

【徹底解説】スタートアップ投資はじめてガイド|『日本一やさしい スタートアップ投資の教科書』の著者が教える魅力とリスク

革新的な技術やビジネスモデルで急成長を目指すスタートアップの成長を応援し、大きな経済的リターンを得られる可能性を秘めた投資手段が「スタートアップ投資」です。

「興味はあるけど、何から始めればいいのか分からない」「リスクが大きそうで不安」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、『日本一やさしい スタートアップ投資の教科書』の著者であり、株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」を運営するイークラウド株式会社の代表取締役 波多江直彦が、スタートアップ投資とは何か、その魅力やリスク、始め方について解説します。


1. スタートアップ投資とは?

スタートアップ投資とは、創業間もない、高い成長ポテンシャルを持つ企業に対して投資することを指します。「スタートアップ」は、一般的に独自の技術や革新的なビジネスモデルを武器に、短期間での急成長を目指す企業のことです。

スタートアップは、既存の市場に新たな価値を提供したり、まったく新しい市場を創造したりすることで、社会に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。

事業を急拡大するため、スタートアップは資金を外部から調達することがあり、投資家は出資することでその企業の株式や新株予約権などを取得します。

ハイリスク・ハイリターンな投資であるため、これまでベンチャーキャピタルやエンジェル投資家と呼ばれるプロの投資家が主に行う投資手法でしたが、近年では株式投資型クラウドファンディング(ECF)などを通じて広く門戸が開かれつつあります。

2. スタートアップ投資の注目点

スタートアップ投資の注目点は大きく分けて3つあります。

一つ目は、社会貢献の側面です。近年、SDGsへの関心の高まりなどを背景に、社会課題の解決を目指すスタートアップが数多く登場しています。

これらの企業への投資は、新しい技術やサービスの創出を促進し、社会の発展に貢献することにつながります。自分の資金が、より良い未来の実現につながるという投資は、投資家にとっても充実感となるでしょう。

また、このような投資は、経済的リターンの可能性とともに社会的・環境的インパクトの創出を両立させる「インパクト投資」の側面があります。

そして二つ目は、スタートアップの高い成長性とそれに伴う大きな経済的リターンの可能性です。スタートアップは、既存の市場に捉われない革新的なビジネスモデルや技術を持っていることが多く、それゆえに急成長する可能性を秘めています。

スタートアップが成功し、株式公開(IPO)やM&A(企業の合併・買収)に至った場合、投資額の数倍から数十倍のリターンを得られる可能性があり、従来の投資ではなかなか得られない大きな魅力があります。

しかし、大きな経済的リターンを期待する反面、事業が失敗に終わり、投資資金を回収できないリスクが存在することを理解しておく必要があります。

三つ目は、イークラウドのようなECFプラットフォームの登場により、これまで一部の限られた投資家しかアクセスできなかったスタートアップ投資が、個人投資家にとっても身近なものになりつつあります。今後ますますスタートアップへの投資機会は拡大していくと考えられます。

3. スタートアップ投資の種類

スタートアップの成長を資金面で支える存在として、主にエンジェル投資家、ベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の3つが挙げられます。

エンジェル投資家は創業間もないスタートアップに自身の資金を投資する個人投資家で、ベンチャーキャピタル(VC)は、複数の投資家から資金を集めたファンドを運用し、主に成長のアーリーステージやミドルステージのスタートアップに投資します。

コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)は、大企業が自社の事業戦略と関連性が高くシナジーが見込めるスタートアップに対して行う投資です。

これらの投資主体がスタートアップの成長を支えてきましたが、これらに加えてもう一つの資金提供手段として、株式投資型クラウドファンディング(ECF) があります。

ECFはインターネット上のプラットフォームを通じて、個人投資家がスタートアップに少額からエンジェル投資を行える仕組みです。 これまで、エンジェル投資には少なくとも数百万円が必要とされてきましたが、ECFの登場により約10万円からスタートアップ投資ができるようになりました。

4. スタートアップ投資のメリットやデメリット・リスク

スタートアップ投資は、ハイリスク・ハイリターンな投資です。

メリットとしては、急成長するスタートアップに初期段階から投資することで、大きな経済的リターンを得られる可能性があることが挙げられます。

例として、フリマアプリ「メルカリ」は、個人投資家やベンチャーキャピタルからの出資を活用して事業を拡大し、2018年に上場しました。この際、株式を保有していた投資家は大きな利益を得ました。

また、自分の投資が革新的なサービスや技術の開発を支え、社会の発展に寄与するという満足感を得られます。一定の条件を満たす場合にはスタートアップ投資に対して税制優遇を受けられるケースもあります。

しかし、その反面、スタートアップには主に「事業の失敗リスク」「資金回収のリスク」「流動性リスク」といったリスクが存在します。

事業の失敗リスク:スタートアップは新しいビジネスモデルに挑戦することが多いため、事業が計画どおりに進まず、失敗してしまうリスクは避けられません。革新的な技術やサービスを開発しても、市場にニーズがなければ顧客を獲得できず、事業は失敗に終わってしまうでしょう。

資金回収のリスク:スタートアップが倒産したり、事業が成長せずIPOやM&A等に至らない場合、投資した資金を回収できない可能性があります。スタートアップ投資を行う際は、事業の将来性だけでなく、市場のニーズ、資金繰りの計画、経営陣の能力など、多角的な視点から評価することが重要です。

流動性リスク:非上場株式への投資は多くの場合譲渡制限が付されているため、上場株式のように自由に売買できず、現金化しにくいというリスクがあります。株式を売却したいと思っても、直ちに買い手が見つかるとは限らず、流動性が極めて低いということを理解しておく必要があります。

このように、スタートアップ投資は投資判断が難しく、事業の失敗や資金回収ができないリスクがあることを十分に理解したうえで行う必要があります。

5. スタートアップ投資の始め方(やり方)・注意点

スタートアップ投資は、エンジェル投資家ネットワークに参加することで、有望なスタートアップと出会える機会を増やすこともできます。一定以上の資金力がある方は、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドに投資することで間接的に複数のスタートアップに投資することも可能です。

ただし、これらの方法は、多額の資金が必要だったり、投資に関する専門的な知識や経験が求められたりするため、これまでスタートアップ投資に縁のなかった個人投資家にとっては、ハードルが高いものです。

そこでもっと手軽にスタートアップ投資を始める方法が「イークラウド」のようなECFです。インターネットを通じてスタートアップに投資することができ、約10万円から始められるのでスタートアップ投資の第一歩として適しているといえます。

イークラウドの厳正な審査プロセス

イークラウドでは、個人投資家の皆さまに案件をご紹介する前に、スタートアップから必要となる情報を提出してもらい、厳正な審査を行っています。

具体的には、事業概要、定款、履歴事項全部証明書、役員の本人確認資料、株主名簿、決算書、税務申告書、月次試算表、事業計画書など、多岐にわたる資料の提出を求めています。

さらに、経営者や関係者への複数回のヒアリングを実施し、事業の実在性、財務状況、事業計画の妥当性、法令順守状況、反社会的勢力との関係の有無などを厳しくチェックしています。

スタートアップ投資で成功するための注意点(投資のセオリー)

スタートアップ投資で成功するために、いくつか重要なポイント、いわば投資のセオリーがあります。

まず、投資先の事業内容を深く理解することが不可欠です。スタートアップの事業内容、市場規模、競合状況、経営陣などを十分に調査し、理解しましょう。

次に、分散投資を心掛けましょう。一つのスタートアップに集中投資するのではなく、複数のスタートアップに分散することでリスクを分散できます。

そして、長期的な視点を持つことが大切です。スタートアップは短期間で成果が出ることはまれです。長い目で見て、じっくりと成長を見守る姿勢が求められます。

さらに、スタートアップ投資に限った話ではありませんが、経営者の能力を見極めることも重要です。経営者の業界経験や人脈は、スタートアップの成功に大きく影響します。投資判断の際には、しっかりと評価しましょう。

6. スタートアップ投資の税制について

スタートアップ投資には、エンジェル税制などの税制優遇が利用できる場合があります。エンジェル税制とは、一定の要件を満たした場合、スタートアップに投資した個人投資家が、税制上の優遇措置を受けられる制度です。

具体的には、投資額から2,000円を差し引いてその年の総所得金額から控除できたり、投資額全額を株式譲渡益と損益通算できたりします。詳しくは以下の記事をご覧ください。

7. 日本と米国のスタートアップ投資と、その未来

日本のスタートアップ投資は近年拡大傾向にあり、政府も「スタートアップ育成5か年計画」を掲げ、スタートアップ支援に力を入れてきました。しかし、米国と比較すると、投資額や投資家層の厚みにまだ大きな差があります。

米国では、スタートアップ投資ファンドが数多く存在し、個人投資家も積極的にスタートアップ投資を行っています。また、スタートアップ投資家の裾野も広く、スタートアップエコシステム(※)が成熟しています。日本でも、今後さらにAIや宇宙、Web3といった分野のスタートアップ投資が活発化し、スタートアップエコシステムが発展していくことが期待されています。

※ステークホルダーが相互につながり、協力関係を保ちながら継続的にイノベーションおよびスタートアップが輩出される場

イークラウドは今後も厳正な審査と情報開示を行い、個人投資家が安心して投資できる環境を提供することで日本におけるスタートアップ投資の裾野を広げ、スタートアップエコシステムの発展に貢献していきます。

将来的には、ブロックチェーン技術などを活用した新たなスタートアップ投資の仕組みも登場する可能性があります。トークン化された証券(セキュリティトークン)による資金調達など、スタートアップ投資の多様化が進み、イノベーションが加速することが期待されます。

8. スタートアップ投資でよくある質問(FAQ)

スタートアップ投資に関するよくある質問について、Q&A形式でお答えします。

Q. スタートアップ投資はいくらから始められますか?

A. イークラウドのような株式投資型クラウドファンディングを利用すれば、約10万円から始めることができます。

Q. 失敗しないためにはどうすればいいですか?

A. 投資先の事業内容を深く理解し、複数のスタートアップに分散投資を行い、長期的な視点で投資することが重要です。また、市場のニーズや競合状況、創業者の能力などを多角的に評価することも大切です。

イークラウド」では、その評価に役立つ情報を提供しています。ただし、値上がり益の追求よりむしろ、投資先やその行う事業に対する共感又は応援という意味で投資するべきものです。

Q. スタートアップ投資に関する情報は、どこで入手できますか?

A. イークラウドのnote記事LINE公式アカウントでスタートアップ投資についてや最新の案件情報を紹介しています。拙著『日本一やさしい スタートアップ投資の教科書』も参考にしてみてください。

Q. スタートアップ投資のリスクを軽減する方法はありますか?

A. 分散投資が有効です。一つのスタートアップに集中投資するのではなく、複数のスタートアップに投資することで、投資先のリスクを分散できます。

最後に

スタートアップ投資は、大きな経済的リターンを得られる可能性を秘めた魅力的な投資手段の一つですが、同時に大きなリスクも伴います。

投資を検討する際は、スタートアップの事業内容を深く理解し、ご自身の投資経験やリスク許容度を考慮したうえで、慎重に判断することが重要です。本記事が、あなたのスタートアップ投資の一助となれば幸いです。

※免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。


▼イークラウドの案件情報をLINEで受け取る

▼イークラウドの採用情報を見る


いいなと思ったら応援しよう!