The Beatles の "Ticket to Ride"(94WPM)=英語教材のお話(その43)=
The Beatles の "Ticket to Ride"
「涙の乗車券」と適切に訳されたビートルズのヒット曲 "Ticket to Ride"。
「涙の乗車券」は、ジョン・レノンの唄声にポール・マッカートニーがハーモニーをつけている1965年のヒット曲。
今回全部を訳してみた
以下、拙訳。
少し解説をしてみると
I think I'm gonna be sad(オイラきっと落ち込むだろうな)の gonna は もちろんgoing to。
drive me mad は、drive me crazy。"the girl that's driving me mad"は、「オイラを夢中にさせた女の子」という意。
"She's got a ticke to ride" は、「彼女は乗車券を手に入れた」という意味だけなのだが、タイトルの「涙の乗車券」の名訳に敬意を表して訳しておいた。
"but she don't care" は、俺は落ち込んでるのに、「でも、彼女は気にしてない」といういわば「落ち」というべきもので、"she don't care" は文法的に言うならば、"she doesn't care."というべきところ。最後に繰り返される "My baby don't care" も、マーベビドンケアに聞こえる。「へのかっぱ」はすでに死語だろうが、"she don't care"なのだから、「あん子は、へのかっぱ」くらいに訳してよいのかもしれない。
"I don't know why she's riding so high" は、getting high ということ。電車ということもあって、ridingを使ったのだろう。高揚感を言っているわけだが、「乗りに乗って」と訳してみた。
"She oughta think twice"の "think twice" は、Bob Dylan の "Don't think twice, it's all right" の歌詞にあるように、「二度考える」「考え直す」「よく考える」ということ。oughta は ought to。
"She oughta do right by me" の "do right by someone" は、歌詞の中では最も見慣れない一行で、"do someone right"ということ。"do me right"、"treat me right" は頻度数が高く、何度も聞いたことがあるが、"do right by me"は、ほとんど聞いたことがなかった。頻度数は低いと思うが、辞書で調べてみると、"do right by someone" はエントリーとして辞書に載っている。浅学を恥じる他ない。
"think twice"も"do right by me"も、いずれも簡潔で簡易な英語なのだが、そのニュアンスを日本語でとなるとむずかしい。ジョンが早口で歌っている箇所だというのに訳が長くなってしまった。もっとよい日本語を思いついて改訂したいところ。
"She said that living with me is bring her down" も "She would never be free when I was around" も、こんなひどいことを彼女に言われたら、パートナーはまったく立つ瀬がありません。だからその直後に歌われる共感の "yeah"を「ひどくない」と意訳しておいた。
"Before she gets through saying goodbye" の "through" には、「終わり」「終わる」というニュアンスがあり、「さよならと言い終えるまえに」ということ。
最後に、韻を踏んでいるペアを紹介しておこう。
「涙の乗車券」は、94WPM
大雑把な数え方だが、総語数は270語。時間は、2分52秒で172秒。WPMは、第二段階の94WPM。
つまらないと思った人は別の教材を探しましょう
たとえ有名でも、かったるい、つまらないと思えば、あなた向きではありません。そんな教材は捨てて、自分にあった教材を選びましょう。