組織論(目標設定)①
戦略論から組織論へ。経営者、経営幹部含めた上層部、ミドル層と言われる中堅スタッフ、新人含めた若手スタッフ、アルバイトやパートスタッフ、バブル時代又は知っている群、就職困難の氷河期、ゆとり教育世代群、異国民、外注先の協力業者、下請け業者、企業にこれらの人材が交じっていると、、、どこに向かって仕事しているのか。。。
その為に必要なのが「羅針盤」からなる「道」という方針であり、その方針は「Missionstatement」に従っていなければならない。三本の矢ではないが、世代が違っても、分断された部族であったとしても、同じ道を志す集団は強い。これが「部族経営」の根幹だと思われる。これは私が敬愛して止まない尊敬する師匠の造語ではあるが、この部族経営を住宅事業で実践している。エネルギー減耗時代、IT時代、未来へ向けて、この部族経営こそが、唯一生き残れる思想であり、羅針盤となるであろうと思っている。部族と言えば聞き言葉として良いイメージは持たないかも知れない、一般的にはインディアンかカジノくらいであろう。中国には華族という思想があるが、目的や目標等は定められてはいない。
ブランドさえ構築出来てしまえば、売れる要因の1つが「企業ブランド」である。しかしながら企業ブランドを向上させるには、長年に渡って並大抵の努力と耐え難い辛抱が必要であり、そのパフォーマンスは計り知れない。一方で長年積み上げて来た企業ブランドを失墜させるのは、ほんの些細な一瞬の出来事だったりするのである。企業の品格、人格とは良く言ったものだ。組織が大きくなるという事は、必然的に人員が増える事になる。人員が増えれば、意思疎通や解釈が異なり、企業が一体となることが難しくなる。不平不満なども少なくとも芽生えて、不正や腐敗なるものを、またそのような気運を育ててしまい兼ねない。
私は仕事柄多くの企業を見てきたが、衰退する企業の特徴として、やはり幹部社員というか上席のスタッフというか、一般社員ではない役職名を拝命している、中でも執行役員、取締役など、かなり業務上の権限を持った上席スタッフの学習能力の低さである。彼らが気にしてるのは「権限」と「威厳」である。確かに組織上は必要かも知れないが、絶対条件ではない。むしろ現代においては「尊敬」(敬意)と「共感」である。それこそ、末端社員含めアルバイトやパート社員にまで、気配りができない上層部の典型的な失態である。また、そのことに気付いていないのが悔やまれる。大型倒産をしたJALもそうであったように、また、企業倒産のことある事に救済の経営者が必ず行っているのが、現場視察である。しかも単に視察だけでなく、必ず声を聴いているのである。実はこの声の確認というのが、不平不満の意見ではなく、会社の理念や方針等が行き届いているかどうかなのである。
個人にも品格があるように企業にも品格がある。その品格となるものが組織体制である。いくら素晴らしいミッションや理念・方針を掲げていても、組織体制が脆弱では戦えないどころか統率が取れないのである。昨今ではスーツにネクタイなどを見かけることも少なくなり、ある意味、私服となるとセンスが問われるのである。我々の時代は、たとえヨレヨレではあってもスーツとネクタイさせ締めていれば、何とかなっていたものであるし仕事をする上でも何ら支障が生じるものではなかった。しかしながら、私服というのは毎日同じものでは通用しないばかりか、コーディネートというセンス(感覚)が必要となる。センスが悪いと、取引にも影響が生じるし、顧客の商談においても大きな影響が生じるのである。ましてや、デジタルの時代になり顔が見える時代でもある、容姿だけでなく言動含めプロフィールに至っても、気を配る必要もある。これらは急に養えるものではない、やはりビジネスセンス同様に、知識として学ぶ必要があるし、少なくともアンテナを立てて感覚を身につけなければならないのである。要するに、今時で言えば「ナンセンス」なのである。また、このような事にすら、気付いていない事にも「ナンセンス」である。俗にセクハラやパワハラなどと言われるのは、この類いであり、我々の時代では犯罪めいた行為でもあるので気を付けたいものである。しかしながら、コミュニケーションが取りづらいというのも、実はこのような姿勢にも問題があるのであるが、余り気付いていないスタッフが多いと思われる。会議の場所、仕事の場所、つまり場所にもランクがあるならば、その品性を維持する為にも容姿のセンスは必要であろう。また、役職者と言われる組織体制の中心部にいるスタッフは、その自覚を持って素行を正してもらいたいものである。姿勢とは人間の胆がなすものだということだ。簡単に言えば重要な会議の場で赤いスウェットは無いだろうに。。。入社式でスーツだけど、スニーカーじゃないよね。。。
さて、話を戻すと、組織論というのはビジネス的に難しく考えるものではなく、企業の理念や方針に沿った体制を講じ、人員体制と事業体制を統率するだけの事である。しかしながら、人が指示命令系統を出す以上、大小少なからず軋轢を見出すことは間違いないのである。そこを勘違いして、俺はエライだとか役職にぶら下がっているようでは、とっくのとうに周辺のスタッフには見透かされている上に、コミュニケーション不足になっていて崩壊の兆しがあると断言しておこう。つまり、組織論、組織体制を講じる前に、姿勢を正しくすることが最も重要であることを自覚する必要があるという事である。自分勝手の彼らが組織を動かしている企業は、そう遠くない内に市場から淘汰されるであろう。
組織論では、単に「戦略」を決めると定義付けているかも知れないが、人という感情を持ったスタッフの配置と体制を整える仕事でもある。また、その部門や部署が、企業が命題とするミッションや理念・方針に沿ったPolicy&Visionを掲げ事業を進めることでスタッフの達成感や共通のコミュニケーションが生まれるのである。そして、これらの評価基準となるものを、スタッフ全員で承認を得ながら取り決めて行くことが肝要である。だからこそ、その他にも社会や経済、政治や心理学の知識も必要であり、ビジネスだけの専門知識ではなく、多岐に及んだ相当の知識を学んでいなければ上司と認めてもらえないからこそ、容易では無いのである。
仮に戦略を決めると言っても、抽象的な手法ばかりで、これらに必要な具体的なストーリーを見出す必要がある。コピー&ペーストばかりが仕事ではない、つまり全てにおいてスタッフとコンセンサスを取る必要があるということ、また、そのコンセンサスが取れる人材であり、スタッフ全員に敬意を払う必要があるということである。
企業の資源は有限であり無限ではない。会社の制約条件のなかでは、ヒト・モノ・カネの最適な分配比率があるが、なぜか、決算を終え一年を経過しても、事業方針等に一行も変更が無いとか、鉛筆なめなめ状態のものを良く見掛けるものである。経済が安定しない世の中、事業計画に変更が生じたら関わる部門や部署は、全て変化/変革しなけれなならないはずである。少なくともバージョンが細分化であってもUPするはずである。また、その優先順位を明確にしなければならないのである。そしてそのタイミングの判断が「決断」ということである。
そして最も重要なのは最終的な「評価基準」である。その戦略が成功したか失敗したかの基準をどこに設定するのか、企業であれば利益である。スタッフで言えば目標達成になるのでしょうか、しかしながら、やはり利益を目標に設定している企業と、売上を目標にしている企業では、企業の成長力に差が出ることは言うまでもなく、持続可能な成長を目指す為にも利益目標が立てられるミッションを掲げたいものである。また、達成評価については、数値だけに捕らわれない、そこに向かおうとしている「プロセス評価」にも注力してもらいたい。そういう意味合いでは、短期目標、中期目標、長期目標も必要であろう。部署ごとに評価するのであれば、企業の職種においても異なるものである。住宅業界においても、取り組む業種によっても異なる単位があるかも知れない。大まかではあるが、新築住宅販売や大型リノベーションを行う事業であっては、一か月の単月目標で評価するのではなく三ヵ月単位などのQ(クォーター)単位で見る指標をお勧めしたい。また、これらも一度決めたからといって固辞するのではなく、市場の成り行きにおいて柔軟に変動してもらいたい。組織論を語る上では、市場や経済の変化において、如何に柔軟に変動できる要素を含んでいるかどうか、また、その柔軟な姿勢に対するコンセンサスを得るコミュニケーションを普段から構築出来ているかで、良質で強靭な組織体制が整理されていると思われる。
コロナ禍を契機に経済の構造変化が加速している。組織の進化においても「決めたことを実現する」集団から「付加価値を追求」する集団への進化が求められている。従来型の組織論は決まったサービス・商品提供を前提に、それらを効率的に実現するための機能分化が組織構造のキーファクターとなる「鍵」だった。現代においては人々の行動様式や価値観が変容している中、競争優位性の源泉は「顧客のニーズ」を素早く把握し柔軟に提供する力となっている。
当然ながら人材マネジメントにおいても進化しなければならない。「企業に即した人材マネジメント」から「変化に対応する人材マネジメント」への進化である。特定の専門性や経験を持つ人材だけでなく、事業領域の変化・多様化に対応できる人材の確保・育成である。さらに従業員のエンゲージメントを高めることに努めなければならない。
20220220