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自分を知るための環境づくり
迷子になることがある
キャリアコンサルタントとして日々「自分を知る大切さ」を語っているのですが、数年前のある時期に「自分迷子」に陥ったことがありました。
わたし自身が楽しそう♪と思う所へあちこち顔を出すことで、自分のできることとやりたいことがごちゃごちゃになってて
「わたしは何ができて、何ができないのか」
「これから何がしたいのか」
「どんな人になりたいのか」
を自分自身が分からなくなっていったのです。
「わたしってどんな人なのか」ということを色々な方法で追いかけました。
よくわたしが育休復帰セミナーや主催イベントでお話する機会をいただく時に「<わたし>がどうしたいか」を知り、行動することが重要」とお伝えしているのですが、本当にこれが見えないと迷子になることを自分で体感したんです。
また大学生と話す時、就活でも自己分析の話は大切だと思い、意識して進路支援の仕事のなかで話してきました。
自分探しではなくて、自分のコアな部分を探すこと。
「自分を知る」の罠に注意
ただ、この「自己分析」「自分を知る」ってとっても危険な言葉でもあると思います。
例えば、やりたいことがあったとして。
やりたいことを見つけたことで満足する、そしてそのやりたいこと実現を追いかけるのがよくある「自己分析」「自分を知る」とその先のアクションです。
でも。この「やりたい」と言っていることが曲者になることがあります。
願っていることそのものが「本当の願い」ではないことがあるからです。
「やりたい」と思っていること、願っていることは表面に現れていることをもう少し深く探究してみることで「本当に」願っていること、叶えたいことが隠れているのがわかる時があります。
なぜかというと、本当に実現したいことを「遠すぎるもの(叶わないもの)」と感じて、「手の届きそうなもの」で紛らわせてしまうから。
極端な例えをすると。
一流の洋菓子職人を目指しているから、本物の味を知るために「海外の一流洋菓子」の味を自分で確かめる必要があるのに、色々な理由を並べて手近なコンビニの飴の甘さで紛らわせ続け、一流の洋菓子職人へのチャンスも離れていくような。
そんな飴のような願いをいくつ実現しても、本当に実現したいことが叶っていないので満足感が無くていつまでも不満が残るのです。
本当に実現したいことが何かわかっていてそこにきちんとたどり着けば、とても小さなことだったとしても満足感が格段に違います。
だからやりたいことや願いをもう少し深く掘り下げることが重要。
時間は掛かるけど色んなやり方があると思います。
自分を知り、整える環境づくり
色々なやり方があるし、その人それぞれに合う方法があると思いますが。
わたしの場合は
「メモも含めて手帳に書き留める」「誰かと対話する」「話を聴く」
1人ででもある程度はできるのですが、一番コアな部分に早くたどり着く方法は「人との対話」でした。
自分だけだと、どんなに意識していても自分の価値観だけでしか見ていないので、見えるものが限定されます。
他者との対話で多様性に触れて内省することがとても有効でした。
身近な人と何気なく話しても気づくことは色々あると思いますが、ある程度のお膳立て(環境づくり)をしておくと、気づくスピードが早かったりこれだと思うポイントにたどり着きやすいと思います。
必須ではないけど、良い状態になりやすいと思うのポイントがこちら。
1.コアな部分に届くためのファシリテーションが可能なファシリテーター2.共に対話する他者が誰か
3.その輪に傍観者としてではなく、参画者としてそこにいる自らの姿勢
自分のことを知るって、自分の良い部分だけでなく弱点や見たくないことも
見ざるを得なくなります。
わたしもその時いくつか見つけ(しかも結構エグイのが)ました。
なかなか受け入れられないんだけど、受け入れないと前に進めないこともわかりました。
さらに、他者との対話で刺激をある程度受けたら、少し一人になって振り返る、内省をする。
これを継続することで少しずつ定着するのを実感。
これって自分の学習プロセス傾向を知ることでもあるので、応用の利く要素が多いです。
とてもしんどい時もあるけど、しんどい部分も受け入れて越えられた時に見える景色が変わります。
わたしはそれを実感しました。まだまだ道半ばですが。
この自分を知るためのプロセスの中では「他者との対話で刺激を受ける」という部分を刺激を与える側として仕事では伴奏しています。
なぜ他者との対話が必要か
「他者との対話で刺激を受ける」重要性について、実は文化人類学者の磯野真穂さんがされていたオンライン講座でもお話されていて、最近出版された「他者と生きる」(集英社新書)にも触れておられる解説がしっくりきています。
大雑把な説明をすると、こんな感じ。
人は自分の内面だけを掘り下げることだけで個性が分かるのではなく、他者とともに関わる中で「これがその人らしい」「個性だ」と他者に承認されることが必要なのではないか。
わたし自身も、何かが定まっているわけでなく日々の出会いの中で次々と色々な自分らしさが立ち上がっていて、他者と関わりながら自分の内面で振り返り内省することで少しずつ自分らしさや個性の片鱗が見えるのが楽しいと思っている最中です。
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