経済学の使い途拡大~衆議院事務局職員採用試験の変更、R7年度以降から~
1.はじめに
いつも閲覧ありがとうございます。
経済学習スタジオです。
本記事は、タイトル通り、令和7年度実施の試験から、衆議院事務局採用試験が総合職、一般職共に制度変更がある点をお伝えします。
変更点を通じ、経済学の使い途が拡大していることを知って頂ければと思います。なお、この記事は、令和6年10月11日現在の情報に基づいています。今後の変更などがあるかもしれませんので、受験予定の方は必ず、衆議院事務局採用HPをご覧ください。
2.総合職
総合職は、1次試験の内容自体の変更はありません。
したがって、こちらの試験内容が来年度も利用されます。
ありがたいのは、1次試験受験地が東京だけでなく、関西でも行われるという点です。近い方を選べるのはありがたいですね。欲を言うともう少し多くのところで開催して欲しいですが(笑)
内容の変更は、2次試験の記述式試験になります(したがって、二次試験で個別面接があること、三次試験で口頭試問も変わらないようです)。
従来は、5題中2題の回答でした。このとき、憲法は必須で、後の4題は、行政法、民法、経済学、政治学からの選択となっていました。
これが、令和7年度から、6題中2題の回答となります。そして、憲法の必須化が撤廃されました。
そして、6題とは、憲法・行政法・民法・マクロ経済学・ミクロ経済学・政治学です。経済学が、マクロ経済学とミクロ経済学に分割されたわけです。
嬉しいですね。なにせ、6題中の2題を、マクロ経済学・ミクロ経済学に固めれば、経済学しか記述式を準備しなくて良いという作戦も取れるからです。
ちなみに、令和6年度から参議院事務局の試験制度が変わりました。その際、1次試験の多肢選択式(問題選択)において、計量経済学と統計学が加わりましたが、もしかすると、両議会とも、職員の中に、エビデンスある政策立案の支援をすべく、経済学的な思考力を持つ人材を欲しているのかなと思われる変更です。
3.一般職
一般職も、総合職同様、一次試験と三次試験においては変更がありません。
令和6年度の試験内容はこちらです。
そして、二次試験での変更があります。一般職は二次試験は記述式試験しかないので、それが変わるということですね。
従来は、5題中2題でした。総合職と同じで、憲法は必須で、その他は、行政法・民法・経済学・政治学の4題から1題を選ぶ形です。
これが、令和7年度から、5題中1題になります。そして、憲法の必須化が外れます。5題とは、憲法・行政法・民法・経済学・政治学です。
ということは、一般職も経済学だけで記述式試験の対応ができるということですね。法学部が有利になりがちな状態が解消されることで、試験を受けやすくしたということでしょう。
4.おわりに
衆議院事務局事務員総合職の試験応募者に占める最終合格者の割合は、令和3年が165分の2、令和4年が172分の2、令和5年が179分の2です。
めちゃくちゃの難関ですよね(倍率は約85倍くらいあるのですから)。
一般職の場合でも、同じ期間の3年間を拾ってみますと、「445分の14⇒543分の14⇒623分の12」です。倍率は小数点第二位を四捨五入すると、31.8倍⇒38.8倍⇒51.9倍です。
近年、激務とか、古い組織体質とか、民間の人手不足とか、いろいろ言われて、公務員の倍率が落ちてきていると言われますが、それに当てはまらない超難関といえる倍率ですよね。
むしろ近年の倍率はむしろ上がっていますし。流石、政策立案サポートのプロフェッショナルになるための職種、人気ですね。
それにしても。それなのに、より受けやすくする制度変更をするのは、官全体で受けやすくする流れには合わせないといけなかったでしょうかね。まぁ、多様な人材として法学部以外の、特に経済系の人材が応募しやすくはなりましたが……。
高倍率なので、受験する場合はしっかり対策しましょう。いずれ、NOTEに、記述式の経済学の攻略法なども書こうと思います。
なお、総合職でも一般職でも、最後の三次試験での倍率が高いので、人物試験まで気を抜かず準備をしてくださいね。皆さんの受験を応援しています。
〜執筆者紹介〜
経済学習STUDIO
公務員試験・経済学検定・各種資格試験・大学編入の経済学・経営学系科目の情報発信をします。中の人は、大学や資格予備校で経済学を教えてきたミヤンです。自身も、公務員試験合格経験があります。2024年1月に出版した電子書籍はこちら。今後も、様々な学習ツールを整備していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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