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アップルの現況と見通し+独自検証(25年2月9日)


【動画】


【概要】

この動画ではAppleの最新決算の収益やサービス部門の成長に焦点を当て、米中関係や関税などが企業に及ぼす影響を分析しています。今後の業績見通しにも注目し、主要な指標や課題を検証しています。

【話者のプロフィール】
ジョージ・ティリスは、アメリカの大手証券会社チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)のネットワークでシニアマーケットコントリビューターを務める市場アナリスト。金融やテクノロジー分野の企業決算を専門とし、主要経済指標や株式市場の動向を独自の視点で解説する活動を行っている。

【動画の結論・要点】(詳細は後述)

  • Appleのサービス部門は成長余地が大きく、高い利益率を確保している。

  • iPhoneなどの主力製品では伸びが鈍化しつつも安定した売上を維持している。

  • 米中関係や関税の動向が引き続き同社の収益に影響を与える可能性がある。

  • 企業全体の利益率は高水準で推移し、今後も堅調な収益成長が見込まれる。

【動画の詳細】
今回の動画では、ジョージ・ティリス氏がApple(世界的なIT大手企業)の最近の業績と今後の見通しについて解説しています。まず、同社は1月30日の最新決算において、調整後の1株当たり利益を約22.40ドル(1年間で約10%の増加)と発表しました。四半期の売上高は約1240億ドル(約4%の増加)で、これはAppleにとって過去最高水準とされています。売上のうち、およそ半分はiPhoneによるもので、前年同期比では約0.8%の減少が見られたものの、依然として企業を支える中心的な存在となっています。

一方、サービス部門(クラウドやデジタルコンテンツ配信、サブスクリプションなど)は約14%の伸びを示し、特に利益率(サービス部門の粗利益率は約75%)が非常に高い点が強調されています。これはAppleがハードウェア販売に依存する構造から、安定的なストックビジネス(継続課金モデル)へ拡大しつつあることを示しており、市場からも注目を集めています。全体としてのAppleの粗利益率は約46%で、過去5年間の平均を約4ポイント上回っているため、同社の強い価格決定力(他社よりも製品価格を安定して設定できる能力)がうかがえます。

米中関係では、Appleの中国向け売上は前年同期比で約11%減となりました。ただし、中国向け売上は全体の15%未満であり、同社が地政学的リスクを低減するために中国以外の地域にも生産拠点を分散させている点が指摘されています。さらに、トランプ政権(以前の米政権)で設けられた対中関税の適用除外をAppleが今後も享受できる可能性があり、米国政府の政策によっては引き続き有利に働く可能性があるとみられます。

株価バリュエーション(企業価値の評価指標)に関しては、2025年度の予想調整後EPS(1株当たり利益)が7.35ドル程度と見込まれ、現在の株価水準だとPER(株価収益率)は31倍前後になると推定されています。過去5年の平均PERである28倍と比べるとやや割高ですが、年間7%超の売上と利益成長が引き続き期待されることから、市場の一部には妥当な範囲と見る声もあります。

技術的な面(株価チャート分析)では、Appleの株価は長期的にみると200日移動平均線を上回る堅調な上昇トレンドを維持している一方、足元では50日移動平均線を下回り、中期的な方向感がはっきりしない状況です。これにより、一時的な調整やボラティリティ(価格変動)に注意が必要とされています。

将来の見通しとしては、Appleの最高経営責任者(CEO)であるティム・クック氏がサービス部門の売上を1000億ドル規模に拡大すると示唆しています。このサービス部門こそが同社の利益を大きく押し上げる原動力であり、多様なデバイスとサービスを統合する「Appleインテリジェンス」の導入によって付加価値がさらに高まると期待されています。一方、米中貿易問題が再浮上した場合や新たな関税が課された場合には、Appleの生産・流通に影響が生じる可能性があり、引き続き注意が必要です。ただし同社の利益成長率や売上成長率は中長期的に高い水準を維持すると見込まれ、総合的には堅調な見通しが示唆されています。

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