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ポーランド旅行の記録(2023年4月)

日本への本帰国が決まった後、どうしても行きたかった国の一つがポーランドでした。リトアニアのビリニュスを訪れた後、クラクフへ移動し、ヴィエリチカ岩塩坑と、アウシュビッツ収容所を訪れました。

ヴィエリチカ岩塩坑

郊外にあるヴィエリチカ岩塩坑は、クラクフ中心部からバスで40分ほどで行けます。ただバスのチケットをどこで買えばいいのか分からず、郵便局で尋ねると、チケット売り場を紹介してもらいました。バスチケットは片道6ズオチ(210円)。バス停から岩塩坑はすぐ近くで、迷いません。

ツアーが始まると、まず400段くらいの階段をずっと下に降り続けます。この岩塩坑は13世紀に開かれたものですが、深さは320メートル、全長300キロ。坑夫のために作られたいくつもの部屋や礼拝堂、食堂などがあり、このうち3キロほどを見学することができます。


坑道はたくさんのドアで仕切られています
当時の仕事の様子を表した展示
キリストの部屋


いよいよ、見どころの礼拝堂へ。部屋がひときわ広く、豪華なシャンデリアが見えると、団体から大きな歓声が上がります。

礼拝堂の全景
塩で作ったマリア像
「最後の晩餐」
吹き抜けの部屋があるのですが、木組みがすごい


たくさん歩いた後、最後はエレベーターで地上階まで上がります。出口の近くにお土産屋さんもあって、食用の塩やバスソルトなどが売っています。珍しいお土産としていいかもしれません。


アウシュビッツ収容所

アウシュビッツ収容所はOswiecim(オシフィエンチム)という街にあり、クラクフ中央駅からライコニックというバスに乗って向かいます。クラクフのバスターミナルには、チケット売り場があり、そこでチケットを買うことができます。が、帰りのバスチケットについて聞いたところ、「バスで運転手から買わなくてはいけない。カードは使えない」と聞いたので、慌ててバスターミナルにある両替機でポンドをズオチに両替しました。ポーランドではたまに現金が必要になる場面があるので、注意した方が良いです。

大体1時間半くらいバスに乗って、オシフィエンチムに到着。バス停に着くと近くにアウシュビッツ収容所があり、多くの観光客が歩いているのが見えたので、迷うことはありませんでした。

アウシュビッツ収容所のチケットは、事前にウェブサイトで購入することが必要です。チケットには30分前に入場するよう記載があるのですが、かなり入場客が多く、荷物チェックや言語によるグループ分けに並びますので、早めに到着することをお勧めします。

私たちのグループを担当してくれたのは女性のガイドさんで、お祖父様が収容所で亡くなったという方でした。ツアー見学は、アウシュビッツ収容所(第1収容所)とビルケナウ収容所(第2収容所)を訪れます。

まず訪れたアウシュビッツ収容所(第1収容所)は、写真や資料展示が主です。第4棟、第5棟はユダヤ人が連行される様子が映された写真や遺品が展示されています。第6棟、第7棟では囚人登録の流れや、カバンや靴などの遺品が見られます。第11棟は逃亡を企てた収容者の刑務所として使われ、中庭には処刑所となった「死の壁」があります。最後に毒ガスによる処刑が行われた第1ガス室の中を見ます。中でもユダヤ人の髪の毛を作って編んだ数メートルほどある黒い絨毯が衝撃的で、写真は撮れなかったのですが、目に焼き付きました。また収容所の廊下には、収容者たちの写真と名前、生年月日と没年月日が記されています。多くが入所してから数ヶ月から1年ほどで亡くなったことがわかります。

アウシュビッツ収容所を見た後少し休憩の時間があり、ビルケナウへシャトルバスで移動しました。

ビルケナウ収容所。正門から引き込み線がずっと伸びている
「この地を永遠に絶望の叫び、そして人類への警告と記憶しよう」と書かれた碑

私たちのツアーにはアメリカから来た陽気な一家がいて最初は賑やかでしたが、収容所を進むごとに段々と口数が少なくなり、「死の壁」あたりでは誰もしゃべらなくなり、無言で展示に見入っていました。アウシュビッツ収容所とは一転、ビルケナウ収容所は広々としていたのですが、その分きっと多くのユダヤ人が殺されたということが想像でき、なんとも言えなくなりました。

ガイドさんが「収容所の近くには住宅街があり、住んでいる人もいたんですよ」と話されていたのが印象に残りました。「当時の住民は、収容所で何が行われていたのか、知っていたのだろうか?」という疑問に答えるような映画が、今年日本で公開されました。「関心領域」は、収容所の所長とその家族の生活を描いた生活です。グレイザー監督は「私たちは、自分ではそんなことはないと思いたがっているかもしれないが、感情的にも政治的にも、ホロコースト実行者のカルチャーに近いのだ、ということを示すことによって、自分たちを『安泰ではない』という気持ちにさせる」映画であると語っています。


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