武器図鑑公開です
武器図鑑は、ホームページ上で本を開くような感じにしたかったのですが、今月は色々とやることが多くて手が回らず…。
とりあえず当初の予定通り、今月公開予定だった#1~4までの情報をノートにアップします!今後もどしどし追加予定です!!
更新履歴
2022,6,25 #1~4公開
2022,8,12 #5~8公開
2022,9, 4 #9、10公開
#1 青龍刀
中国の武器。刃の部分に青龍の装飾があったことから、「青龍刀」と呼ばれる。本来は柄の長い薙刀のような形状のものを「青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」と呼び、このような柄の短い刀は柳葉刀(りゅうようとう) と呼ぶ。
日本においては、ゲームやマンガ等の影響により、柄の短い湾曲した幅の広い片手刀を「青龍刀」と呼称することがある。
青龍偃月刀 は、「三国志演義」に登場する関羽が愛用している武器として有名。
#2 ジャマダハル
主に北インドで使用されていた刀剣の一種。突くことに特化した武器で、他の短剣よりも突きの破壊力は秀でており、鎧を貫通することもできた。
非常に凝った装飾がなされている場合が多く、儀礼用にも用いられた。17世紀以降、インドがイギリスの植民地になったことをきっかけに、特産の土産物として珍重されるようになり、武器としての用途は徐々に失われていった。
人気RPG「ドラゴンクエスト」のドラゴンキラーのモチーフとしても有名。
#3 マスケット銃
銃身の先端から銃弾、装薬を装填し、銃身にライフリング(銃弾の弾軸の安定性、直進性を高めるためのらせん状の溝)が施されていない銃。
銃の歴史の中では、開発初期の小火器(兵士1人が操作することができ、歩兵部隊が使用する火器のこと)をマスケット銃と呼ぶ。
16世紀~19世紀にかけ欧米各地で用いられ、「三銃士」などアレクサンドル・デュマ・ペールの小説に登場する銃士隊は、マスケット銃の部隊である。
19世紀後期にはいり、薬莢の登場により徐々に使われなくなっていった。
#4 刀(日本刀)
日本刀(刀)は、日本固有の鍛冶技術によって作られた刀剣の一種。
平安時代後期の登場し、サイズによって刀(太刀、打刀)、脇差、短刀と分けられる。日本刀の全盛期は鎌倉時代と言われおり、国宝と認定されている刀剣のうち8割が鎌倉時代のものである。1876年に施行された廃刀令により急速に衰退するまで、数々の名刀が登場した。
ちなみにゲームなどのよく出てくる「正宗」は鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて作刀に携わった刀工 の名前で、「村正」は室町時代から江戸時代初期にかけて活躍した刀工一派の名称である。
#5 クレイモア
15世紀~17世紀にかけて、スコットランドで用いられた両手持ちの大剣。スコットランド・ゲール語の「大きな剣」を意味する"claidheamh mór(クラゼヴォ・モル)"が由来 。
傾斜している大きく左右に張り出した鍔や、飾輪が四つ葉の形をしているところが主な特徴である。
全長は1.2~1.4mで両手剣としては小ぶりだったため、他の両手剣よりも機動力に優れていた。そのため、中世イングランドではこの剣を扱うスコットランド高地の人々を「ハイランダー(丘の人)」と呼び、恐れていたという。火器が普及し始めた後も、銃撃の合間の白兵戦を行うハイランダーの精鋭部隊は存在したが、徐々に衰退していった。
#6 傘拳銃
近代になり、生活用品が暗殺の武器として改造された例は多々ある。
ただし、各国でそれぞれ内密に作られていたため、武器としてはっきりと定義できるものは無く、多くのスパイが使っていたくらいしか分かっていない。また、小型で扱いやすいものが多かったため、女性スパイも多かったという。
傘拳銃は、一回だけ実際に使用が報告された事件がある。
1978年、ブルガリアのゲオルギー・マルコフという共産党政権に反対し、イギリスに亡命していたジャーナリストが、ロンドンで何者かに通りすがりに傘で突かれた。彼はこの事件から4日後に、敗血症で死亡した。
この時に用いられたのが、傘拳銃であった。イギリス当局の調査によると、彼の傷口からは直径1.5mmほどの弾丸が発見され、その弾丸の中から猛毒リシンが検出されたという。KGBが開発したのではという説が有力だが、今日まで詳細は分からないままである。
#7 ショーテル
エチオピアで使用されていた両刃の剣。
特徴的な非常に彎曲した形状をしており、また両刃であったため、手首を返すことのない斬り返しや、薙ぎ払い、鎌の様に切っ先を引っかけるように用いたりなど、多種多様な戦い方をすることができた。
ただ、このような戦い方や、重心の位置が従来の刀剣とまったく違うことから扱うのが非常に難しく、一部の熟練した戦士しか用いることができなかったと言われている。エチオピア帝国の皇帝直属の精鋭部隊では、戦士の装備はショーテルであった。
その特殊な形状から、多くのフィクション作品に登場している。特にファンタジー系のゲームではよく見られる武器で、ファイナルファンタジーⅪ、モンスターハンター、デモンズソウル、ダークソウルなどに登場している。
#8 チャクラム
古代インドで用いられた投擲武器の一種。チャクラはサンスクリット語で「輪」 を意味する中性名詞で、チャクラムはその単数主格である。
直径は10㎝~30㎝まで、重さは150g~500gと幅があり、周囲が全て鋭利な刃となっているので、中心に指をいれるか、刃部分を指で挟んで使用された。投擲武器としては珍しい斬ることを目的とした武器であった。
30m先まで投げることが出来たが、殺傷能力はそれほど高くは無かったため、宗教的な意味合いが強かったとされている。ヒンドゥー教の一柱であるヴィシュヌ神は、スダルシャナ・チャクラという武器を右手に持っており、宗教画や権威の意匠として度々用いられたことからも、宗教的意味合いが高かったことがよく分かる。
日本では平安末期~室町期に渡来したインドの僧によって伝わり、円月輪、飛輪、戦輪などと呼ばれ、中国では風火輪、圏などと呼ばれた。
#9 クロスボウ
西洋で用いられた弓の一種。板ばねの力を用いて専用の弓を発射する。中国の弩(石弓)と構造はほぼ同じである。
起源は諸説ありよく分かっていないが、紀元前342年の中国で起きた馬陵の戦いでは使用されていた記録が残っている。また紀元前4世紀頃の古代ギリシア においても、ガストラフェテスと呼ばれていたクロスボウの一種の記録がある。
西洋においては11世紀頃から、本格的に狩猟や専用に用いられるようになった。小型の持ち運べるものから、地面に置く設置型のものまで、アジア圏~西洋の広い地域で様々なものが開発された。
銃の登場により弓や剣、槍などの従来用いられてきた武器が衰退していったのに対し、クロスボウは熟練した技術が必要無く、二次利用(矢に爆弾を付けて飛ばす等)も簡単にできたため、第一次世界大戦頃までは戦争に使用されていた。また銃と違い消音であったため、1970年代に銃が実用的な高性能の消音装置を得るまで、 特殊部隊やスパイが暗殺などに使用していた。
#10 エグゼキューショナーズソード(処刑人の剣)
死刑執行人が斬首刑のために使用していた剣の一種。
中世ヨーロッパでは、斬首刑は普通の剣で執行されていたが、1540年頃に処刑専用の剣の登場が確認されている。
最大の特徴は、刀身の切っ先がないことである。これは戦闘用と違い、突く攻撃が必要無かったためとされている。
一般的には片手剣と同程度の大きさであったが、フランス(パリ)の死刑執行人であるサンソン家が司法省から授けられたという剣は、刃渡り130cmもあり、 鐔元に近いところに「正義の剣(Épée de Justice)」と彫られていた。刀身に、キリストの磔刑図などのシンボリックな飾りをつけ、そこに道徳的な内容の銘文を沿えることは、よくあるデザインであった。
ちなみに、フランスで有名な処刑人一族サンソン家は、医療の知識にも秀でており、その医療技術は当時のヨーロッパの水準を上回っていた。庶民から貴族まで幅広く治療をしており、収入も医師としての収入が大半を占めていたと言われている。
エグゼキューショナーズソードは、18世紀前半にギロチンによる斬首刑が一般的になっていき、急速に使用されなくなっていった。
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