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誰にも話していない、私の妄想


何年も前から、心の中でずっと温めている妄想があります。それは、母子世帯向けの住宅を建て、格安で賃貸することです。

家賃は維持管理費が賄えれば十分で、できるだけ低価格に抑えます。住宅は、小さな庭のある一軒家です。子供が大きくなったら他の、もっと困っている家族と交代してもらいます。

なぜこんなことを考えたのかというと、離婚を考え始めたころ、情報収集のために円より子氏主宰の会員向け会報誌「Hand in Hand」を購読していました。そこで、母子家庭が抱えるさまざまな問題を知ることになったのです。

小さな子供を抱えながら働くことはとても大変です。子供の病気や保育園、学校の事情で、やむを得ず仕事を休まなければならないこともあります。特に非正規雇用で働く母親たちは、不安定な雇用条件と低賃金で生活しているため、非常に厳しい状況に置かれています。

私自身も14年間非正規雇用で働いていたので、その苦しさはよく分かります。

子育て世帯にとって、この厳しさは一層深刻です。貧困に陥ることや、子供が十分に食べられない状況に直面するのも不思議ではありません。正社員と非正規雇用の賃金格差や女性の賃金の低さなど、解決しなければならない問題は山積みです。

そんな時に「母子世帯が安心して暮らせる家を建てたい」という夢を描くようになりました。

なぜ庭付きの一戸建てなのかというと、ぎりぎりの生活をしているからこそ、住まいの心配をせず、ゆったりとした暮らしを送ってほしいからです。

そんな風に、今日も実現の見込みのない妄想をしています。
実現の見込みがない妄想ですが、こうしたアイデアが形になることを願ってやみません。

参考:
「日本の子どもの貧困率は諸外国と比較して高く、中でもひとり親家庭の子供の半数が貧困状態にある」という2006年にOECD(経済協力開発機構)のデータは、世論の意識を変える大きな契機となりました。2013年には「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、翌年には、「子どもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定されました。しかし、「住宅」領域における施策は依然として脆弱です。
住まいはすべての社会的権利の基礎であり、人間が自立した生活を送るためには絶対に欠かすことのできない重要な要素です。

「子どもの成長と健康を阻害する居住貧困の実態―母子世帯の事例研究から」 葛西リサ著


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