🎬【ブータン 山の教室】観ました
2021年5月18日
岩波ホールにて
ブータンという国について
ブータンの首都は、ティンプー。
小 6 の時、覚えたはずなのに忘れていた。
英語教育に力を入れている国ということで、若者の多くは英語を流暢に話す。
(すごい😲)
国全体の面積は九州と同じくらいだそうだ。
ティンプーは都会で、国がインターネットやテレビが解禁されたのが1999年ということ。
けれど、先進文化が一気に今までの有り様を壊し、変化させていく速さはどこでも同じのようだ。
監督と出演者について
監督はブータンの新鋭、パオ・チョニン・ドルジ監督。
予告編では、教師で主人公の青年ウゲンが標高4,800m、人口56人のルナナに赴任を告げられ、いやいや赴くものの、待っていた子供たちの学びたい思いの純粋さに自身も大きく変化していくというものだろうと思っていた。
そして実際そうだったが、ウゲンは本来オーストラリアで歌手としての夢をかなえようと同居の祖母も置いての出国を計画中だった。
僻地への赴任命令はかなりの予定外だ。
そういった背景がはじめ描かれていて、現代的な若者の姿からの、想像を超えるルナナへの移動の様子はひときわ際立ってドラマティックに思えた。
案内役のヤク飼い、ミチェンも魅力的な青年だった。都会育ちでスマホゲームばかりしているウゲンを励まし励まし寄り添っていく。
ヤクと共に生きる、自身の人生に迷いがないところがまぶしく感じられる。
映画では、現存の村人達がその役を演じます。
子供たちがとても素晴らしい。
その瞳の輝き、笑顔がこの映画の大きな魅力だなあと思うほど。
この映画を観る人たちは、ほとんどそう感じるんじゃないかな。
教育と「ルナナの未来」について
もう一つ、この映画で忘れられないやりとりがある。
将来、先生になりたいという少年が「教師は未来に触れることのできる仕事だから」と答えるシーンだ。
でも「ルナナの未来ってなんだろう」と思ってしまう。
子供たちは車を知らない。
紙が貴重品で、電気のほぼない生活...というのが映画では描かれていて、家族だって父親が酒浸りだったり、母親がいなかったり、物質的にも豊かとはいえない。
しかし、あんなに生き生きと笑顔で生活している子供たちと、壮大なヒマラヤ山脈を望む眺望!😆
今、ルナナには道路や3Gネットワーク(いやもう 5G?🤯)が導入されたり、ペムちゃんはもうtiktokを使っていたりする。
また特産である冬虫夏草は高価で取引されるので、その収益でお金持ちになる人も増えているらしい。
そういう人たちはルナナからプナカまでを35分でヘリで往復するという。
映画で観たような「到着まで7~10日のトレッキングが必要なルナナ」は、遠いお話になっていくのだろうなぁ🤔
また映画の中で、ルナナの自然を覆っていた雪が温暖化の影響で減少しているという下りがある。
これでは氷の獅子のいるところが無くなってしまうと...
悲しいことに実際、氷河の融解によるヒマラヤ湖の氾濫で大きな事故が起こったと言います。
今はどんなに遠くて小さな村の話でも、地球規模で同じ話になってしまう。
ルナナの未来を考えるとき、それは今ここでの話だし、ルナナでの幸福を考えるとき、 それもここでの話と同じなんだと思った。
監督の言葉が、今の私に響く。
「幸福とは終点ではなく、旅の途中にある」
最後に
乾燥させたヤクの糞については興味深かった。💩
ヤクの糞は長時間燃える良い燃料のようです。
ちなみに着火性に富むのはコロコロのヒツジやヤギの糞だそうです。