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頭ひとつ抜きん出た飲食街、浜町-人形町-水天宮前
本日訪れたのは浜町。駅を降りて街の空気を吸うと、「なんだか上品な街だな」という印象を持った。
都内だと駅周辺の街並みは非常に似通っている(新宿駅と池袋駅なんて少し前はほとんど区別がつかなかった)。
しかし、街の中を流れる空気感は確実に違う。その直感は正しく、飲食店を求めて彷徨い歩くとどこも値段帯が高く、しかも予約でいっぱいで入れない。
VIPがそばにいるからこれだけ高級店が並んでいても商売が成り立つのだ。どおりで街の空気が穏やかなはずである。明らかに住宅と食の街だ。
入ったのがこちらのカフェ。高い天井、心地良さそうなソファ、座席間のゆったりしたスペース。一目見ただけで、空間の質の高さを感じる。
それもそのはず、ここは名門ジャズクラブであるブルーノートの系列店で、上質な空間を生み出すノウハウがこれでもかと詰め込まれたお店だ。浜町駅から徒歩8分という立理の悪さのせいか、はたまたホテル併設による敷居の高さなのか、お客さんの入りは少なかった。
残念ながらランチタイムは終わっていたので、コーヒーとミルクバニラアイスのアフォガートを注文。コーヒーからフワッと立ち上る香りだけでレベルの高さを知る。
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アフォガートというものを生まれて初めて食べたのだが、単体でも十分濃厚な味わいのアイスに、熱々のコーヒーらしきものを垂らすと苦味が上手くマッチして一段と深みが増す。
苦味と甘味という正反対の要素なのに、掛け合わせるとこんなシナジーが生まれるのかと衝撃を受けた。
お店を出ると腹を満たせていないことに気づき、ラーメン屋に駆け込む。とんこつスープに絡まる細麺が美味い。美味いのだが、残念ながらこの後のお店が衝撃的すぎて吹っ飛んでしまった。
5時過ぎぐらいの晩御飯だったので、何か切って帰ろうと思い立つと、行列ができている弁当屋さんが目に入った。
これはただものではないと思って調べてみると、ルーツが明治時代にまで遡る本物の老舗すき焼き店だった。並んで購入したのは1つ2160円のお弁当。
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これまでお弁当1個に1000円を、払ったことはあるが、2000円超えは初めてである。感想としてはすき焼きも魚も脂のノリが異次元だった。
今まで自分が食べてきたすき焼きとは別の食べ物ではないかとさえ思ってしまった。行列ができるのも納得である。
歩いてみて実感したが、浜町、人形町、水天宮前は距離的にはほとんど一体で、しかも飲食店のレベルが異常に高い。これまでいろんな街を散歩しながら食べ歩きをしてきたが、他の町は娯楽施設にもステータスを割り振っている一方、こちらは飲食が頭ひとつ抜けている感じだ。
新しいお店を回るのに疲れたら、また通いに来てしまうかもしれない。