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#2 手術を決断するまで:治療方針と準備


1.手術の日程をどう決めたか

乳がんと診断され、次に向き合うのは手術。その選択が、いよいよ現実となってきました。

私の場合、乳房温存手術が最適という判断でした。幸い、進行が早いタイプではなかったので、手術の日程は自分の都合に合わせて選べるとのことでした。

「どのタイミングで手術を受けるか?」と考えたとき、私は仕事のスケジュールを最優先に考えました。主治医と相談し、翌月の第三週目に決めました。火曜日に入院し、水曜日の午後に手術を受け、金曜日に退院する予定です。

「元気な方は、手術翌日から動けますよ!」という主治医から心強い言葉ももらい、「思っていたよりも早く復帰できるかもしれない」という安心感がありました。

2.手術前に受けた検査

手術が決まると、まず行わなければならないのはたくさんの検査。結果的に毎週検査のために病院に通うことになりました。手術に向けて、体の状態をしっかり確認するためには欠かせないステップです。

  • 血液検査 まず行ったのは血液検査。健康状態をチェックし、手術に耐えられるかどうかを確認しました。特に何も問題はなく、スムーズに次の準備へ進むことができました。

  • CT検査 次に受けたのは、がんが他の場所に転移していないかを確認するためのCT検査。この検査では、腕に造影剤を注射して行いました。注射後すぐに体が信じられないほど急激に熱くなるのを感じましたが、特に痛みはなく、検査は順調に進みました。

  • MRI検査 乳がんの位置や広がりを詳しく見るために、MRI検査も受けました。CTと同様に造影剤を使い、内部を詳細に確認します。検査中は大きな機械音に驚くより指示された体勢が辛く、そのまま長時間動いてはいけないことが大変でした。検査そのものは問題なく終わりました。

  • 心電図検査と胸部X線 手術中に心臓や肺の機能に問題がないかを確認するため、心電図検査胸部X線検査も受けました。どちらも短時間で終わる検査でしたが、手術に向けて体調が万全であることを確認する重要なこととのこと。

  • 麻酔科と歯科の受診 手術が全身麻酔で行われるため、麻酔に関する説明を受けるために麻酔科を受診しました。ここで、麻酔のリスクや手術中の管理について詳しく教えてもらいました。さらに、麻酔の際に歯や口の状態が重要であるため、歯科検診も必要なことも初めて知りました。特に問題はなく、全身麻酔に向けての準備は完了しました。

  • センチネルリンパ節生検の説明と準備 センチネルリンパ節生検では、がんがリンパ節に転移しているかどうかを確認するため、手術当日に特定のリンパ節を摘出します。手術前に、この検査の詳細についての説明を受けました。センチネルリンパ節生検はがんの進行を確認するための重要なステップで、主治医からは「これで転移がないかをしっかり確認します」と説明を受けたのですが、その言葉が当時の私にとっては、とても恐ろしいものに聞こえたことを覚えています。

3.毎週の通院と母の支え

検査のたびに「悪い結果が出たらどうしよう」という不安はよぎりましたが、母がずっと付き添ってくれたおかげで、手術に向けた気持ちが安定していました。「これで準備が進んでいる、信じよう」という覚悟ができたのもこの頃です。

入院の手続きもこの段階で完了し、部屋の希望を出しました。どの部屋になるかは入院当日まで分かりませんが、少し楽しみでした。

4.手術に向けて前向きに

さまざまな検査を終え、準備が整うと、少しずつ気持ちも落ち着いてきました。「手術は怖い。けれど、これでようやく前に進める」という思いも次第に強くなり、不安も和らいできた気がします。手術したらしばらく出来ないのかもと思い、たくさんやったスポーツはストレス発散にもなって一石二鳥。かなりオススメです!

私にとって、母の支えや、医師の丁寧な説明があったことで、手術に対する前向きな気持ちが持てたのだと思います。手術当日まではまだ少し時間がありましたが、その間も冷静に日常を過ごすことができ、入院・手術に対する心構えことができました。本当に家族の存在が心強かった。

5.まとめ

手術前の準備は、検査がたくさんあり大変でしたが、一つ一つが自分の体を守るための大事なステップでした。準備が整っていくことで、不安よりも「これで良い方に進む」という信じられる気持ちにもなれました。次回は、いよいよ入院と手術の日の体験についてお話しします。

次回予告

次回は「#3 入院生活:3泊4日の乳房温存手術」についてお話しします。