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【軽井沢】自然豊かなところで子育てしたい、のはなぜか?(3)



アート思考とは?

最近読んだ本で、読後もう一度読みたくなったのが「13歳からのアート思考」(末永幸歩 著/ダイヤモンド社)です。詳しい内容は、ぜひ本を開いていただきたいのですが、冒頭のエピソードとアート思考とは何か?をちょこっと。意訳が入っています。

クロード・モネの「睡蓮」を見た4歳の男の子が、その絵を指差して「かえるがいる」と言ったそうです。しかし、そこにかえるは描かれていません。その場にいた学芸員が「どこにいるの」と聞き返したら、男の子はこう答えたそうです「いま水にもぐっている」

解説は「あなたは自分のかえるを見つけることができますか?」と投げかけ、「アート思考」とは自分だけのかえるを見つける方法であると続きます。美術館に行くと、作品の隣に並んでいる解説文。それを読まずに、アートを楽しめますか?答えがないものに対し、自分なりの答えを見つけて楽しむことができますか?VUCAと表現されるこれからの時代において、「常識」や「正解」にとらわれず、アーティストのような創造性ある思考が生きていく力になると記されています。

アート思考のプロセス
①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
②「自分なりの答え」を生み出し、
③それによって「新たな問い」を生み出す
ー本文13ページより

ふむふむふむ…

この本を読んで私は、1つ自分の強みに気づきました。私はたぶん、自分のかえるを見つけることができる。参加することが美術鑑賞のおもしろさだと思うから、どんな作品を見ても感想をもつことは意識してきた。でも、ひねり出そうとしなくても、ごく自然に「自分なりのものの見方」をしていると思う。と言うよりも、それしかできない。

一方で、周りのこんな声を聞くことがあります。「美術館に行っても、作品をどうみたらいいかわからない」「どうしてこの作品にこんな高値が付くの?」「やっぱり天才の考えていることは凡人には理解できないね」

「別に大丈夫なんだけどな」と私は思う。美術館に行ったら、なんとなく好きな絵を探したらいい。好きな絵の前に30分いて、後は見ないで帰ってきてもOK。高値が付いていても「私はコレ好きじゃない」って言ってよし。「天才ってすごいね」って理解できないままおもしろがってみたらいい。

それが美術鑑賞の正解です、と誰かに教えられたわけではありません。でも、誰かの作品の前で自分のかえるを探すことに、疑問をもったこともありません。

見たいように見る、感じたいように感じる、生きたいように生きる…ごく自然に、私はそんな選択をしてきて、だから自分自身のオリジナルの幸せの中に生きていられるのだと気づきました。ときどき、人と比べて心がクシャっとしますが、結局「私は私でしかない」みたいなところに戻れる。意識的に見直してみるまで気づかなかったけれど、たしかにそれは、生きていく力になっているようです。

自然は「自分なりのものの見方」を教えてくれる

自然&子育ての話に戻します。

私が「自分なりのものの見方」を身につけられたと思うのは、きっと幼少期に自然の中で過ごすことが多かったから。難解なアートにもたじろがないのは、自然のほうがもっと難解だから。正解もないし、解説もない。自然と遊びたいのであれば、まさに

①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
②「自分なりの答え」を生み出し、
③それによって「新たな問い」を生み出す

しかない。つまりアート思考が求められます。
 自然の中で、その木に登ってもいいよ、とは言われない。登り方の解説はない。登ったら折れるかもしれない。登れそうな木と登りたい木は違うかもしれない。登っても降りれないかもしれない。登ってみたら、思いがけない風景が広がっていて、木の上で暮らす生きものに思いを馳せるのかもしれない…
自然はいつも無限の自由と引きかえに「自分自身で考えること」を要求してくる。そんな自然とのやりとりが、私に考える力を与えてくれたように思えてなりません。

だから子どもたちを野に放ってみようと思った

子どもたちが自然とどう向きあっているのか、まだ実験段階で報告できることは多くありませんが。  

軽井沢に引っ越してきてから「お好きにどうぞ」と野に放つことができる場所や機会は圧倒的に増えました。4歳娘&2歳息子は、それぞれに興味あるものを探しに行き、ルールのない遊びにいつまでも興じています。何を見て、何を考え、何を試し、何を得ているのか…親として近くにいて理解できることもあれば、よくわからないこともあります。でも1人の人間として自然に向き合い、自分のあたまで考えているんだ、というのはしっかりと感じとれます。自分で考えているからこそ、無限に遊びを作りだせるのです。ときどき遊びのアイデアは投げますが、それをまるで無視して遊びに熱狂している姿、悪くないなと思いながら見ています。

↓水を張る前の田んぼで。カエルやミミズ、その他昆虫たち。雑草。石ころ。何でもおもしろくて、気づくと首の後ろが焼けています。

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