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キーウ・クラシック・バレエの歴史と魅力

こんにちは!note更新担当のたぬ子です。

歴史と芸術にあふれるウクライナより、若さと気品に満ちたバレエ団《キーウ・クラシック・バレエ》が、2023年も再び日本に芸術を届けにまいります!
今回の演目は、世界中から愛され続ける『白鳥の湖』
白鳥のオデットと黒鳥のオディール。静かで物憂げな湖畔にきらびやかなお城。善と悪がテーマとなり、対極の美を描いた繊細で華やかな、まさにバレエ芸術の代名詞である作品です。
バレエを知らずとも、誰でも楽しめる本作。ダンサーたちの作りだす、その時だけの一瞬の芸術を味わいに、ぜひ愛媛県県民文化会館へ!
初めて観る方もそうでない方も、何度でも心が踊る時間をお贈りいたします。

今回は、白鳥のオデットと黒鳥のオディールを演じられる、長澤美絵ながさわみえさんにお話を伺いました。
公演への愛がたっぷり詰まったインタビューとなっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。


多くの経験と舞台を踏んだ大好きな劇場

練習風景 写真提供:株式会社インプレサリオ東京

ー 国際的に活動されているキーウ・クラシック・バレエの特徴や歴史を教えてください。

 キーウ・クラシック・バレエは、世界でも数少ない青少年のための劇場として知られている、キエフ市立アカデミー・オペラ・バレエ青少年劇場を母体として設立されました。
 ですので、小さなお子さまから入場することができ、幼いころからバレエやオペラに親しんでいただける劇場になっています。レパートリーも、白鳥の湖やジゼル、ロミオとジュリエットといった有名な作品もあれば、白雪姫や親指姫などの子ども向けの作品もありますね。

ー 未就学児が観られない公演が多い中、今回の公演は4才以上から入場可能ですね。この年齢設定も、青少年のための劇場を母体とするキーウ・クラシック・バレエならではなのでしょうか。

 確かに日本では、小さいお子さまが入場できる公演があまりないですよね。
 お子さまたちがいて、少しざわざわすることはあるんですけれども、とても自然で、純粋で、嘘偽りない反応を子どもたちはしてくれます
 すごいと思えば、どんな場面でも拍手をしてくれるし、歓声を上げてくださったり、席を立ってジャンプしている子もいます。
 そのありのままの反応が、私はとても好きですね。

ー そんな風に全身全霊で嬉しさや楽しさを表してくれると、とても嬉しくなりますね。

 公演終了後に、客席から舞台に上がれるようになってるんですけど、小さなお子さまが花束を持ってダンサーのところに行くんです。
 ”主役に”という訳ではなく、舞台を観て本当に自分が好きになったダンサーのところへ想い想いに行くんですよ。

ー そのような時期から、生の芸術に触れることができるとお子さんたちの感性が研ぎ澄まされそうですね。

 そう思います。国立劇場のように大きな劇場ではいんですけど、”劇場に行って観る”という非日常的な感覚を味わいつつ、それでも身近に劇場を感じてくれているように思います。

一人二役の白鳥と黒鳥

写真提供:長澤美絵

ー 今回公演される『白鳥の湖』の魅力や見どころを教えてください。

 『白鳥の湖』は、私の大好きな作品の1つです。
 そして、1人のダンサーが白鳥と黒鳥という異なる性格の役を踊るところが、1番の見どころだと思います。
 私自身、白鳥と黒鳥を演じる時は、思考も、表現も、目線も、手の使い方も全部違いますので、そこに注目していただきたいですね。
 白鳥と黒鳥の切り替えが踊っていて楽しいですし、観客の皆さんにも「さっきまで黒鳥だったのに、白鳥になってる!」と楽しんでいただけると思います。

ー  白鳥と黒鳥という相反する2役をお一人で演じられますが、どのように切り替えられているのですか。

 舞台に出る時は、完璧に役になりきっていますね。演じるというよりも、むしろその役を生きています。作品の音楽を聴くと一気に集中しますし、2幕終了後に衣装と冠を変えた姿を鏡で見てもパッと切り替わりますね。

ー 白鳥と黒鳥以外の見どころを、お伺いしてもよろしいですか。

 今回の公演は、少しだけ省略バージョンになっているので、内容が凝縮されていてテンポが良く、とても観やすくなっていると思います。
 また、コールドバレエの皆さんのきっちり揃っている踊りの中に、それぞれの個性が活かされているところも、キーウ・クラシック・バレエの良さですので、ご覧いただければと思います。

観た瞬間にビビビッと!

家族にて 写真提供:株式会社インプレサリオ東京

ー ここからは、長澤さんご自身についてお伺いいたします。まず、バレエを始められたきっかけを教えてください。

 母が幼い頃からバレエが好きだったので、私が3歳の時に近所のバレエスクールへ通わせてくれました。
 それがバレエを始めたきっかけになるんですけれども、最初はふざけてばかりで、レッスンにも加わらず友達とただただ走っていたらしいです(笑)
 でも小学生になって、舞台に立つ高揚感や発表会の独特な雰囲気を経験して、舞台がとても好きになり、きちんと練習に取り組むようになりました。

ー そこからプロになろうと思われるまでには、どのような変化があったのですか。

 もちろんバレエは大好きだったんですけれども、あくまでバレエは趣味だったんです。なので、プロを目指すのはとても遅かったですね。
 バレエについて真剣に考え始めたのは、高校受験を控えたある日、偶然テレビで海外にあるバレエ学校の女の子たちが、卒業するまでのドキュメンタリーの番組を観たのがきっかけです。
 それを観た瞬間に「このバレエ学校に行きたい!私はこれがしたかったんだ!」とビビビッと稲妻が走り、留学してバレエを習うのが夢になりました。
 そこから留学するために、電車で2時間かけて東京のバレエスクールにほぼ毎日通い、おかげさまで留学ができ、ロシア国立ワガノワバレエアカデミーで2年間学ばせていただきました。
 その後、縁があって現在キーウ・クラシック・バレエに入団することになりました。

ー 中学3年生からプロを目指すのは、バレエの世界だと遅いのですね。

 ヨーロッパだと、9~10歳から国立のバレエ学校に入学をして、プロを目指しているので、そこと比べると遅いかなと思います。
 彼らは、日本の子たちが小学校・中学校に通うように、バレエ学校には無償で通えますし、そういう環境が整っているのは素晴らしいと思います。 
 日本だと、あくまでも習い事としてのバレエになるので、海外のようなシステムはないですよね。

ー バレエ学校を卒業すると、公営の劇場に所属されるのですか。

 卒業試験と同時にオーディションがありまして、それに合格すれば入団できます。試験は卒業時以外にも毎年あって、通過しないと普通の学校に戻されてしまう厳しい世界です。
 そのような世界に9~10歳からいるということは、精神面が鍛えられる環境だと感じますね。

一つとして同じものはない公演

写真提供:株式会社インプレサリオ東京

ー 今まで多くの公演をされていらっしゃいますが、その中でも特に印象に残っている公演を教えてください。

 たくさんあって、1つに絞れないんですけれども、あえて言うなら大好きな『ジゼル』という作品で、ジゼルを初めて踊らせていただいた時は、魂が抜けるような感覚になったのを覚えていますね。

 あと、去年の日本ツアー最終公演の時に、公演中は客席が真っ暗で全く見えなかったんですけれども、最後のお辞儀の時に客席を見たら、上階までお客さまがぎっしりいてくださって、皆さんからの拍手を聞いた時にはポロっと涙が出そうでしたね。
 お客さまが少なくても多くても全力を尽くすんですけれども、やはり満席だと嬉しいですよね。ほんとに鳴りやまない拍手で、ずらーっとお客さまがいてくださって、2ヵ月のツアーをやり遂げた喜びと、満席の客席に感情が昂りました。

非日常の雰囲気を楽しんで

集合写真 写真提供:株式会社インプレサリオ東京

ー 今回の公演を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。

 目の前の舞台を、ただただ楽しんでいただけたらと思います。
 また、愛媛県県民文化会館の雰囲気も含め、公演を観に行くという非日常の体験を楽しんでいただきたいです。
 そして、私たちはウクライナから来ているので、今は難しい状態ですが、ウクライナのことを少しでも身近に感じていただけたらと思います。

詳細・問い合わせ先


『キーウ・クラシック・バレエ 白鳥の湖-全2幕』
2023年9月19日㈫ 18:00開場 18:30開演
愛媛県県民文化会館 メインホール

【全席指定】5,000円(当日券5,500円)

プレイガイド
愛媛県県民文化会館(089-927-4777)平日9:00~17:00
d-ticket
ローソンチケット(Lコード:62736)
チケットぴあ(Pコード:518-512)
イープラス

問い合わせ先
デューク松山
089-947-3535(平日10:00~17:00)

公益財団法人 愛媛県文化振興財団
089-927-4777(平日9:00~17:00)


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